96.赤い目の魔獣2
次の日俺は朝から赤い目の魔獣撃退用の明かりの魔道具を仕込んだ杖の生産に明け暮れた。今回製作したのは以前目くらまし用に剣や槍に仕込んだ物よりもさらに強力な明かりの魔道具である。
以前製作した物は、剣や槍の先から相手の眼を狙うものであったが、今回製作したものは、離れた位置から操作するため、ビームに近い光を作りたいが、レーザー光を発生させる装置の知識はない。そこで、この光をより強力にして範囲も絞ることにした。
明かりの魔道具の背後や側面を筒のように包んで、そこに反射板をつけた。設置する明かりの魔道具の出力はこれまでの10倍、そのため、設置する魔石も10倍、そうなると重くなるので、そこにはマジックバッグを併設し、そこから魔力を供給するようにした。
マジックバッグを併設したことで重さを気にしなくてよくなったことから魔石も大容量の物を使うようした。このため明かり魔道具の持続時間もこれまでの10倍となった。つまりこれまでの10倍の強さの光をこれまでの10倍の持続時間使えることになった。
この杖の製作本数は、俺とアライダ達9人、それに護衛12人、メイド8人、小計29個、それにダンゴムシと妖精の分が31個、計60個である。
なお、ダンゴムシと妖精の杖は人間用よりもさらに小さくした。そのため、明かりの魔道具もマジックバッグの中である。このため、妖精やダンゴムシが杖を振うと光だけが出るという仕掛けとした。なお、妖精とダンゴムシは人間よりもはるかに魔力量が多いので、魔石だけでなく、いざとなれば自分の魔力も使えるようにした。
この魔道具を作るのに2日ほどかかった。
この間アライダ達やメイドは宿から出ることを禁止した。そして護衛には役所やギルドに行って情報収集をしてもらった。赤い目の魔獣の事情を知らないメイドには不満のようであったが、とにかく情報は命。それに俺はとにかく弱い。体力もない。襲われたらひとたまりもない。女子より弱い体力、逃げることもできない。
その結果、宿に着いて3日目の夜、つまり昨日の夜であるが、この町の領主のところの馬小屋の馬が3頭襲われて干物になったそうである。
魔道具を作り出してから3日目の夜、できた魔道具を妖精とダンゴムシに試してもらった。使い勝手はいいようである。これだけ小さくすると、妖精やダンゴムシでも十分使えるようである。
また同時にアライダ達にも人間用の杖を使ってもらったが、アライダ達に言わせると「普段杖を使い慣れていないので、出来たら妖精用の魔道具を指輪にセットしてほしい」と言われた。これだと「多分外さないので、居間や屋敷の中でくつろいでいるときに襲われても使える」と言われた。
そこで、また次の日からこの指輪用の魔道具を作り出した。メイドや護衛の分も作りだしたので、また1日かかった。
結局この町に来てしたことは
1日目:妖精の森の調査
2日目:市内観光(聖堂見学)
3日目:魔道具制作、この日の夜コルンナ市の領主の馬が3頭襲われる。
4日目:魔道具制作、この夜妖精とダンゴムシとアライダ達で魔道具の使勝手の調査
5日目:魔道具制作、この日の夜コルンナ市の商人の馬が3頭襲われる。
そしてコリンナ市に来て6日目の朝から、宿の庭に護衛やメイドを集めた。今回作った魔道具を護衛とメイドに配布するためと、使い方を練習してもらうためである。
まず、これまで市内を調査してもらった公爵家の護衛に市内でに魔獣の状況について説明してもらった。
「まず、赤い目の魔獣ですが、この魔獣は明るい時は出てきません。暗くなると出てきます。たいていは日付が変わる深夜が多いようです。そして空を飛びます。というか空に浮かんでいるような感じだそうです。
そして獲物を見つけると舞い降りてきて魔力を吸っていくそうです、魔力を吸われた動物は干からびて干物になるそうです。夜しか出ないので光が苦手と考えられています。
次に被害状況ですが、この町に来て3日目の夜に、御領主様のところの馬が襲われました。また、5日目の夜、昨日の夜ですが、商人の馬が襲われたようです。このままいくといつこの宿屋が襲われるかわかりません。魔獣の状況報告は以上です。これより、ツェーザル様より話があるそうです」
「ええと聞いてくれ、赤い目の魔獣が光が苦手という情報を得たので、明かり魔道具を仕込んだ杖と指輪を作った。これを今からみんなに配布する。
指輪については常時、それこそ風呂に入っているときも寝ている時も外さないようにしてほしい。それから杖は部屋から出るときは携行してほしい。また部屋の中でも身近においていつでも使えるようにしてほしい。
それと今からこの杖と指輪の使い方を説明するので聞いてほしい。使い方を聞いたら何回か練習してほしい。使うと魔力が無くなるので、交換用の魔石も配布する」
その後、杖と指輪と交換用魔石を配布して、使い方の説明をして、その後各自練習をしてもらった。




