81.ダンジョン(第6階層)2
第6階層の魔獣は主に昆虫系とのことであった。ただ、カマキリやバッタ、百足や蝶、蜘蛛といった魔物が主で、群れを成す魔物はこの階層にはあまりいないとのことであった。
しかし、第7階層、第8階層と階層が進むにつれて群れで行動する昆虫が増えて来るそうである。群れで行動する昆虫は、1匹を倒し損ねるとすぐに仲間を呼んで、数が増えてくる。数が増えるともう倒すのを諦めて逃げるしかなくなる。銀嶺の森の講義は続く。
昆虫系で注意するのは、カマキリやバッタなど羽があると空から攻撃してくることと、移動速度が速いことだそうだ。それと蝶や蛾は羽ばたくたびに毒がまき散らされるそうである。また、蜘蛛は巣を張るので、巣に迷い込まないこととすぐに糸が飛んで来るので注意する必要があるとのことである。
昆虫系は概して火の攻撃に弱いそうである。強力な火力があると有利だそうだ。
とりあえず、銀嶺の森の戦い方を見せてもらうことにした。最初に出会ったのはカマキリの魔獣であった。何もいないと思っていたら、急に羽の音がした。そして、急にそいつは俺たちの前に着地した。大きさは前世の像ぐらいある。まさに化け物だ。
そして自慢の刃のついた腕を振り下ろしてきた。銀嶺の森のメンバーは、カマキリの攻撃をすんでのところで交わして後ろへ退いた。
そして、メンバーの1人がすかさず火魔法をカマキリの顔に向けて放った。火魔法は見事カマキリの顔に着弾したが、効果は一瞬だけだった。
すぐにまた自慢を刃のついた腕を振り上げた。するとメンバーの1人が槍をカマキリめがけて投げた。槍はカマキリの腹のあたりに突き刺さった。これは少し効果がったようで、カマキリがひるんだ。
そのすきに1人のメンバーがカマキリに向って走って行って足に剣を突き刺した。そしてそのままカマキリの背後に回った。するとカマキリは前後の敵に対応しなくてはいけなくなる。カマキリは後ろを振り返った。
そのすきにメンバーの1人がカマキリの顔に壺の様な物を投げた。壺はカマキリの顔に当たると砕けて中の液体がカマキリの顔を覆った。
すると詠唱していた1人のメンバーが今度は極大の火魔法を放った。魔法は今度もカマキリの顔のあたり着弾した。そして、カマキリの顔が燃え上がった。どうもあの液体は油だったようである。カマキリの顔が燃えていく。
しばらくすると、カマキリは逃げようとしたが、周りを取り囲んだメンバによって逃げ道をふさがれた。羽を広げて空に逃げようとしたが、再度壺が投げられ羽も燃え上がった。
それからしばらくして、カマキリは倒れた。そしてメンバーの1人が止めを刺した。
俺はこの光景を近くで見ていて思わず拍手をしていた。自然と手が動いていた。俺の婚約者たちもつられて拍手をしていた。
「すごい、これが冒険者の戦い方のですか」
「ほかの冒険者はどうか知らないが、俺たちは昆虫系には壺に入った油を相手の顔にかけて顔を焼く。そんな戦い方をしている。
そのためには壺は幾つも用意してマジックバッグに入れている。マジックバッグは高かったがこれがないと俺たちは戦えない。そのための必要経費だと思っている。
カマキリはリーチが長いので接近戦では戦えない。せいぜいが槍を投げるぐらいだ。でもそれをしないと相手の隙を作れない。壺を確実に相手の顔に当てるには相手に隙を作らないといけない」
なるほどと納得してしまう。リーチの長い魔獣には接近戦は難しい。そのための工夫が必要とのことである。
俺の剣と槍にも改良が必要である。剣や槍の先端から油を出せるようにする必要がある。そのためには槍の先端にポンプをつけて、油は槍にマジックバッグをつけて、そこから供給すれば、いくらでも油が放出出来る。
油に火をつけるぐらいは俺の生活魔法でもできるだろう。
帰ったらさっそく剣や槍の改良を行おう。さらに槍を伸縮式にすれば、魔獣に近付かなくてもよくなる。ちなみに鑑定をかけた結果は俺の結界はカマキリにも有効だった。
結界を張ってカマキリの攻撃を防ぎ、伸縮式の槍で油を相手の顔にかけて、俺の生活魔法で燃え上がらせる。新たな戦い方を考案したツェーザルであった。




