80.ダンジョン(第6階層)1
アライダ達の実家の救済策としてマジックバッグを貸し出した。それで何とか持ち直したようである。農地4分割農法とテンサイの生産による砂糖の生産はまだ始まったばかりで、結果の検証は来年以降である。
早急にすることもなくなったので、再びダンジョンに挑戦することにした。前回は第5階層まで行った。そして、そこでは十分戦えた。
それで、今回は第6階層に挑戦することにした。当然アライダ達も同行することになった。アライダ達も第6階層は初めてとのことであった。
お互いに初めてということは誰か知っている人を案内につけたかったが、俺の戦い方を他の人に見せる訳にはいかない。
悩んだ末に、第6階層に行ったことがある冒険者を雇って、その戦い方を見学することにした。その時は俺たちは戦わない、ただ見るだけ、そうなった。
冒険者ギルドに行って
「第6階層に行ったことのある冒険者を雇いたい」
と言うと
受付嬢が
「あなたたちは冒険者ですよね、なぜ冒険者を雇うのですか」
なんか嫌なことを聞いてくる。
「俺が弱いから、強い冒険者の戦い方を見て参考にしたい」
恥も外見もなく言った。恥ずかしかった。
「そうですか、貴方は貴族のおぼっちゃまでしたよね」
「受付嬢は俺に恨みでもあるのだろうか」と思ったが、周りの状況を見て納得した。受付嬢がつんけんしている理由が分かった。
まず、俺の後ろ、公爵家の護衛2人、元冒険者の奴隷、そしてアライダ達8人の婚約者たち、どう見ても貴族のボンボンが金に糸目をつけずに遊びでやっていると思われても仕方がない。
すると、受付嬢が
「雇いたい冒険者は男性でもいいのですか、女性で第6階層というと数が少なくなるので、まして美人となるとさらに数か少なくなりますので」
あいかわらず受付嬢がつんけんしている。
おれは、
「雇いたい冒険者は男性でも女性でもいい。まして容姿は気にしない」
すると
「愛人にするわけではないのですね」
「そうだ」
「何人ぐらいを雇うつもりですか」
「第6階層に行こうと思うとどれくらいで行くのだ」
「第6階層ともなると単独ではいきません。パーティーを組んでいくので6人ぐらいになります」
「わかった。それなら1人1日金貨1枚で1パーティーを2日間雇いたい。金貨12枚でいいのだな」
「1人1日金貨1枚ですか。それならすぐに冒険者は決まると思います。いつを希望ですか」
「今度の休みの日でお願いしたい」
「わかりました。それでは冒険者が決まったら連絡します」
すると、俺たちの後ろから
「その依頼、俺たち銀嶺の森が受けたい」
受付嬢が
「すぐに依頼を受けてくれる冒険者が決まったようですし、手続きしていいですか」
「いい、作業を進めてくれ」
こうして、俺たちは銀嶺の森と一緒にダンジョンに行くことになった。なお、ダンジョンで倒した魔獣から得たお金や得られたアイテムなどはすべて冒険者の物、冒険者はただ、戦い方を俺たちに教えるだけとなった。何でもいつもは商人の護衛をしているのだが、最近は不況で護衛依頼が減って来たのでちょうどよかったとのことであった。
「俺たち今日は空いているから何なら今から行くか」
「わかった。表に馬車を止めているからそれで行こう」
馬車でダンジョンの入り口まで行った。そして受付をして中に入った。第1階層から第5階層までは魔獣に出会わなければ素通り。早い。
第6階層に来た。銀嶺の森はこのギルドでは凄腕とのことで階級はC等級とのこと。このダンジョンは第10階層まで行ったことがあるそうである。今後俺たちがさらに深い階層を目指すときはお願いすることになった。
それからアンナとリズが「実家が商家だ」と言うと、「護衛を雇うときは呼んでもらいたい」とのことだったので、「父親に言っておく」と答えていた。




