65.ダンジョン再び4
ダンジョンから帰って、次の日にアライダ達が魔道具をつける剣と槍を持ってきた。俺は順番に目くらましの魔道具とパワーステアリングの魔道具を設置していった。パワーステアリングの魔道具は魔力消費量が半端ないので、魔力補充用の魔石もセットした。
魔道具を設置した剣と槍をアライダ達に試しに使ってもらった。まず、明かりの魔道具、これは問題なく使えた。男爵邸の元冒険者に剣の相手をしてもらったら、目くらましが来るとわかっていても、剣を見ないわけにはいかずやはり、これは有効とのことである。特に初見の相手だと問題なく有効だろうとのことであった。魔獣や盗賊相手だと使っても問題ないだろうとのことであった。
次にパワーステアリングの魔道具であるが、これを相手がいる状態で使うのは危険だということで、庭に木の棒を立ててそれを順番に切りかかってもらうことにした。
アライダがパワーステアリングの魔道具のスイッチを入れて剣をふるうと棒が真っ二つになった。しかし、魔力切れかアライダがへたり込んでしまった。
「もう無理、魔力が無くなった」
どうも動けないようである。
そこで、次のカーチャからは魔道具にセットした魔石の魔力だけで、剣をふるってもらうように剣を修正した。すると、剣のスピードは若干落ちたが木の棒は切ることが出来た。しかし、剣にセットした魔石は魔力が空になったようである。
この剣は魔石1個で1振りしかできないようである。しかし、1撃必殺である。使いどころさえ間違えなければ相当有効な武器なると思われた。アニカまで試し切りを経験して終了となった。
なお、今ここにいないアンナとリズとエラについても魔道具付きの剣と槍を作っておくことになった。
次の休みの日、今日はまたダンジョンに行く日である。そして初めての第5階層、朝から俺は元気である。やっと、俺も1人前である。と言っても女子と同じレベルだが。
俺が元気に準備をしていると、アライダ達がやってきた。今日も一緒に行くそうである。彼女にいい所を見せる。普通の男子ならそう言うのだろうが、いかんせん俺は女子よりレベルが低い。女子に見守ってもらって魔獣を狩る実際はそんな所である。
また、護衛と一緒に馬車でダンジョンまで行った。受付で名前を書いてダンジョンに入った。もう1から4階層は用がないので、魔獣に出会わなければ素通り、そして昼前に第5階層に到達した。そこで昼食、午後から魔獣狩りである。
第5階層の魔獣は狼の進化系や猫の進化系らしい。猫と言っても豹やトラのようなものらしい。猫系は単独らしいが、狼系は群れで行動するらしく厄介だとのことである。
ここまでレクチャーを受けて、最初はアライダ達の戦い方を見学することになった。
まず出てきたのは虎のような魔獣。アライダ達は魔獣に向けて一斉に攻撃魔法を放った。第4階層では魔獣を取り囲んだが、ここでは魔獣を取り囲まなかった。強い魔獣だと取り囲むと誰か1人が襲われた時対応出来ないとのこと。
魔獣は器用にアライダ達の攻撃を避けている。しかし、アライダ達の攻撃がやまないので、魔獣もアライダ達に近寄れないようだ。
どうするのかなと見ていると、魔法攻撃のうちいくらかは当たっているようで、魔獣の動きが鈍くなってきた。魔獣の動きが鈍くなるにつれて、魔法が当たる割合が増えてきた。最後は、俺の渡した魔道具付きの剣で、魔獣を真っ二つにした。
「この剣すごい」
思わずアライダが歓声を上げた。
「普通だと、動きが弱ってきたら、剣で切りつけるのだけど何度も切りつけないと魔獣は倒せない。しかし、今回は1撃で倒せた。ツェーザル様最高」
「ありがとう、魔道具を褒めてもらって、俺もうれしい」
次は狼の魔獣が10匹出てきた。鑑定の結果では俺の結界はこの魔獣には十分有効である。
「今度は俺の番、俺にやらせて」
「大丈夫なのですか、初めての魔獣でしょ、ツェーザル様の結界は効くのですか」
「効くと思う。狼は群れだと厄介だが1匹1匹はそれほどでもない。見ていてくれ」
そう言って、前に出た。狼系の魔獣は俺を取り囲むと一隻に飛びかかってきた。さすがに進化系の魔獣は第2階層の魔獣とは違う。スピードが速い。俺の剣は空を切る。
しかし、飛びかかってきた魔獣は俺の結界で止まった。そこを俺はパワーステアリングの魔道具のスイッチを入れた槍で切り裂いていく。
最後はボスだけになった。手下を殺されてボスは逃げるのかと思ったが、俺に飛びかかってきた。これも槍で串刺しにした。
「どうだ、問題なかっただろう」
「そうですが、見ているとハラハラしますね。ツェーザル様の戦い方は結界ありきで、もし結界がなかったり破られたりしたら、完全に死んでいますよ」
「そうだが、俺の結界は強力だ」
「そうですね」
その後も第5階層で交互に魔獣狩りをした。第5階層でも俺は十分戦えるようである。




