64.ダンジョン再び3
第4階層はビックベアーとゴーレムが出るらしい。最初はアライダ達の戦闘を見せてもらうことにした。
ビッグベアーが出ると、アライダ達は、ビッグベアーの周囲を囲むと一斉に攻撃魔法を放った。そして弱ったところを剣で切り刻んでいく。ビッグベアーが1人に向かおうとすると反対側に対峙した人が攻撃魔法を放つ。ビッグベアーが1人を相手にできないようにしている。うまく連携している。
このようなことは俺には無理だ。俺はこれまで1人で戦ってきたし、そもそも俺には攻撃魔法は放てない。魔法は生活魔法しかない。剣の腕は男子で最下位、体力は女子にも負ける。
アライダ達が魔獣を倒し終わった後感想を聞かれたので
「アライダ達の攻撃を見せてもらったが、俺にはまねできない。俺には攻撃する魔法がない。また剣の腕も男子で最下位、おまけに体力がないから、すぐにばてる。さらに、素早い動きもできない。お荷物になるのが目に見えている。やはり、俺には俺の得意なやり方でやらせてもらう」
次に、また、ビッグベアーが出てきた。
「今度は俺にやらせてくれ」
そう言って、前に出た。
ビッグベアーは俺を敵認定すると、大きく立ち上がって、腕を振り下ろしてきた。俺は目くらましの魔道具で、ビッグベアーの目に向けて強力な光を放った。今回はこれまでの光よりもさらに強力な光にした。すると、ビッグベアーはバランスを崩して振り下ろした腕が空を切った。そこで、俺はパワーステアリングのスイッチを入れ、ビッグベアーの首に向けて槍を振り回した。すると槍がものすごい勢いで動いて、ビッグベアーの首を切り落とした。
「これが俺の戦い方だ」
「さすがツェーザル様。やり方が汚いというか、私たちにはできないやり方ですね」
「何とでもいえ、勝てばいいのだ」
「そうですね、勝てばいいのですね。でも、2度目だと相手も注意するのではないですか」
「でも、槍を向けられたら槍を見ないわけにもいかないだろう。目くらましの魔道具は有効だ」
「確かに、わかってはいても、槍を向けられて見ないわけにはいきませんね」
「だろう、だから勝てる。俺はそう思っている」
さらに進むとストーンゴーレムが出てきた。アライダ達に言わせると、
「剣が効かないので、中々厄介で、関節部分に火魔法と氷魔法を交互に当てていくと倒せる」
そうである。
今回も俺のやり方を試すことにした。ちなみに鑑定の結果では俺の結界は問題なく相手の攻撃を防ぐようである。俺は前に出ると、ストーンゴーレムと対峙した。
ストーンゴーレムが巨大な腕を振り下ろしてくる。結界がそれを防ぐ。ストーンゴーレムの動きが止まったところで、パワーステアリングのスイッチを入れ、槍大きく振り回す。
するとストーンゴーレムが真っ二つになった。この槍は関節部分とかちまちま事は気にしなくていいようである。
ただし、今回使った魔力は半端なかった。普通の人が使えば1振りで魔力切れになっただろうが、俺の魔力は絶大、ちゃぽんとも言わない。
すると、これを見ていたアライダ達が騒ぎ出した。
「ツェーザル様の結界はストーンゴーレムの攻撃も防ぐのですか。すごく強いのですね。それに、その魔道具の威力信じられない威力だわ。1振りでストーンゴーレムを真っ二つにするなんて」
やはり、この魔道具は秘密にしなければならないだろう。俺の結界と魔道具に対する賛辞が止まらない。俺は気をよくして
「さあ、第4階層は終わりにして第5階層へ行こう」
すると、護衛の元冒険者が
「ご主人様、今日はこれくらいにしましょう。1日で2階層も進むのはやめた方がいい。第5階層の魔物の情報を得てしっかり対策をしないとだめです。とにかくご主人様は半人前、魔道具があって1人間なのですから」
そう言われて、第5階層は次の機会にすることになった。その後、ダンジョンを出て、また馬車で男爵邸に戻ってきた。この続きは、次の休みに行くことになった。




