63.ダンジョン再び2
ツェーザルたちは、そのまま第2階層に進んだ。すると、狼の魔獣が10匹出てきた。狼の魔獣は早い。俺は俺の周りに結界を張った。
「ツェーザル様、大丈夫なのですか。お手伝いしましょうか」
「問題ない。狼の10匹ぐらい朝飯前だ」
俺の護衛達が静観しているので、アライダ達も不安そうな目をしながらも動かないようだ。
俺は前に出て槍を構えた。狼たちは俺の周りを囲うように散らばると、一斉に飛びかかってきた。
俺の槍はブンという音を立てて、かなりな高速で狼たちを切り裂いていく。しかし、狼は10匹、何匹かは切り裂けたが、残りは俺にとびかかってくる。
ところが狼がまさに俺に届こうかとするところで狼の動きが止まる、その止まった狼の体を槍が真っ二つにした。
これを見ていたアライダが
「いま、槍をすり抜けて飛びかかってきた狼がツェーザル様の近くで一瞬止まったように見えたのですが」
「ああ、これか、これは俺の結界だ。俺は自分の周りに結界が張れる。すると、結界に当たった魔物は一瞬動きが止まる。そこを槍で切り裂いた。これも秘密な」
「そうなのですか、ツェーザル様はいろんなことが出来るのですね」
「この結界がどれくらいの魔物を止められるかは分からないが、少なくとも、狼ぐらいは余裕だ。3階層で出現する魔物も問題ない。それ以上の魔物は、わからない。とにかく俺はまだ3階層しか行けていないから。若し、俺が結界を張らなければ俺は2階層が限度だと思う。今回は少し失敗したが通常だと狼ぐらいならなら結界を張らなくても問題ない」
その後、俺たちは3階層に進んだ。これからが今日の本番である。3階層ではオークやビッグボアがでる。
俺が前に進んでいくと、オークが出てきた。3体である。俺のいつもの戦闘方法、槍で目くらましをして、動きが止まったところでパワーステアリングのスイッチを入れて、槍で切り裂く。
オークも難なく切り裂くことが出来る。とにかくこの魔道具の威力は強い。動きの遅い力任せの魔獣には絶対の強さを発揮する。
これを見ていたアライダが
「その魔道具を使うと、動きの弱い魔獣には絶対の強さがありますね」
「だろう、ただ、これすごく魔力を食うからね。そのあたりは力配分を考えないといけないけど」
また、しばらく進むとビッグボアが出てきた。突撃して来るビッグボア相手に、槍を突き出したが、槍を突きさされたビッグボアの勢いが止まらない。そのまま突っ込んできたが、また、ツェーザルのすぐ近くで動きが止まった。ツェーザルの結界はビッグボアぐらいでは問題ないようである。
「普通はビッグボアは突撃はよけつつ、攻撃を行うのですが」
「俺にそんな素早い動きが出来ると思うか、槍を魔獣に突き出すのが精一杯だ。それも当たらない時がある。俺の戦い方は結界ありきだ。これがないと戦えない」
「そうですね、でも2度目の魔獣なら対応できますが、初めてで、相手の強さが分からない時はどうするのですか」
「その時は攻撃することより避けることに専念する」
「本当は鑑定で調べられる」
とは言わないことにした。
半日ぐらい第3階層で魔獣を狩っていたら昼になったので、昼食にした。マジックバッグから食材を出して、調理した。俺が、土魔法で竈を作って、生活魔法で水を出して、マジックバッグから出した食材を火魔法で温めた。
「ほんとうにツェーザル様の生活魔法は便利ですね。ダンジョンに入ってから魔法を使い続けていますが、魔力はもつのですか」
「俺は魔力量が人より多いから、これくらいだと魔力が減ったとは思っていない。まだほとんど最初と同じくらいある」
「そうですね、ツェーザル様は魔力量が多かったですね。ポーション作るときも普通の薬師が1日3本ぐらいだったのにツェーザル様は600本作っても平気でしたものね」
「そうだね」
午後は見ているだけでは暇と言うことでアライダ達も魔獣を狩りだした。するとすぐに魔獣が狩れてしまう。アライダ達はいつもは第5階層に行っているそうだ。
そこで、第4階層に行ってみることにした。元冒険者の護衛の顔を見るが
「連携を取るのも必要なこと」
とのことで、俺としては初めて第4階層に行くことになった。




