62.ダンジョン再び1
ジオラマと盆栽作りでは、老けてしまう。危機感を覚えた俺は再度ダンジョンに挑むことにした。公爵家から派遣された護衛の従士と元冒険者の護衛を伴ってダンジョンに行こうとしたら、アライダ達がやってきた。
俺がダンジョンに行くというと、アライダ達もついてくることになった。一緒に馬車でダンジョンに行って、受付をした。先頭は護衛の元冒険者、その次は俺、その後、アライダ達、最後が護衛の従士という順番である。
アライダ達は「俺を守る」と言っていたが、「今回は体を鍛えるためだ」と言って、俺は「あえて危険になるまでは手を出すな」と言った。
「ツェーザル様は、今はどの階層まで行っているのですか」
「俺は今3階層だ。俺の剣術では普通は3階層は無理なのだが、俺にはこの特別な武器がある。この武器を使えば魔獣も真っ二つだ」
「普通の剣と槍に見えるのですが」
「使い方は、口で言うより見た方が早と思うので、俺の戦い方を見てくれ」
そう言って、俺は1階層に進んだ。少し進むと、ゴブリンが2匹出てきた。俺は槍を構えると、ゴブリンの目に向けて槍につけた目くらましの魔道具を起動させた。
すると2匹のゴブリンが目を抑えて、ギャー、ギャー言い出した。動きが止まったところを、槍の運動を補助するパワーステアリングのスイッチを入れた。そして、この槍を水平に振り回した。すると槍がものすごい勢いで動いた。そして2匹のゴブリンを真っ二つにした。
「どうだ、すごいだろう。もう1階層では敵なしだ」
「さすが、と言うべきなのか、ツェーザル様らしいというべきか、やり方がすごく姑息ですね。目くらましなどというのは、剣術の試合では使えませんね」
「たぶん剣術の試合で使ったら、全校生徒から非難の的だろうな。だから俺は剣術の中級や上級の科目は受講しない」
「そうですね、そうされた方がいいですね」
「しかし、魔獣相手だと汚いとかは言っていられないだろう、負ければ死ぬのだから」
「そうですね、魔獣相手や戦場では、十分使えますね」
「だろう、この剣と槍を、お前たちにも作ってやってもいいぞ」
「それでは剣と槍1人に1つずつ作ってもらえますか」
「帰ったら、作るから剣と槍を持って来てくれ、それに魔道具を設置する」
「よろしくお願いします。それと、槍を水平に動かしたとき、ものすごい勢いで槍が動いたのですが、どうしてですか」
「これは、この槍に、俺の力を補助する魔道具が設置してある。俺は非力だ。体力は女子にも負ける。その非力な力を補助するのがこのパワーステアリングの魔道具だ。スイッチを切って振り回すと」
そう言って、俺は魔道具のスイッチを切って槍を振り回した。なんとも弱弱しい動きである。
「次に、スイッチを入れる」
そう言って、スイッチを入れて槍を振り回した。するとブンという音がして、一瞬で槍が動いた。
「どうだ、槍がすごい勢いで動いただろう」
「そうですね、目に見えないくらいの速さでした。これもツェーザル様の魔道具ですか」
「そうだ、しかし、これは秘密だぞ。先ほどの目くらましは作ってほしいと言ってくる貴族はいないだろうが、このパワーステアリングの魔道具は、どれだけの貴族から注文が来るかわからない」
「そうですね、その方がいいと思います。私たちも人前ではあまり使わないようにします」
「それなら、先ほど作ると言った剣と槍にこの魔道具を設置する。しかし、目くらましの魔道具はあまり魔力を消費しないが、このパワーステアリングの魔道具は消費する魔力が半端ない。
たぶん、魔力量の少ない人だとすぐに剣が振えなくなるだろう。使う時を注意する必要がある。魔力補完の魔石もセットしておくが、あくまでも補助だ。魔力が少なくって来たと思ったらスイッチを切って普通の剣として使うように」
「わかりました」
とりあえず第1階層は問題ないようである。




