44.隣の男爵邸の改造
ツェーザルの学院生活も落ち着いて、やっと年末年始の休みになった。昨年は疲れがたまって、寝込んだが、今年は余裕である。うざい姉も嫁に行ったので、自由にできる。マルテ達はダンジョンに潜るそうである。俺も誘われたが、どうせ俺のマジックバッグを当てにしての荷物持ちである。即答で断った。
休みは男爵邸で、ごろごろしていようとしたら、アライダ達が隣の男爵邸を改造してほしいと言ってきた。どうも間取りが決まったようである。
「ツェーザル様、以前私たちの男爵邸も改造してくれと言いましたよね」
「ああ、言った。ただしお金はもらうがな」
「それは、そう、もちろんです。ただでしてもらおうとは思いません」
「それで、間取りは決まったのか」
「はい。今から説明しますね」
そう言って、間取を書いた用紙を広げた。
「門、玄関、ホール、食堂、トイレ、洗面所、浴室、メイド部屋、護衛の部屋などは共通とし1階に配置します。そして1階奥の中央に居間兼食堂を配置します。そして、この食堂はツェーザル様のところのようなダイニングキッチンとします。食堂の横に洗面所とトイレと浴室を配置します、メイド部屋と護衛の部屋は玄関ホールの隣に配置します。2階には私たち5人の部屋を配置します。また、お客さん用の部屋も配置します」
「自分の部屋以外は共通でいいのだな」
「その方が安上がりですし、一緒に住んだ方が安心できます」
「それで、この男爵邸にどれくらいの人が住むつもり」
「ええと、厨房や護衛や門番は共通とすると、そこには25人ぐらい、自分の部屋には、私と執事1人、専属メイド2人とすると4人、男爵家が5つで20人とすると45人くらいかな」
「そうか、でも夜に1階のトイレに行くのは大変だと思うので、アライダ達の部屋にもトイレと洗面と浴室が一緒になった部屋を作るね」
「そうしてもらえると嬉しいです」
配置が決まったので、作業を開始することにした。まず、門と玄関は前回に補習済みだったので、玄関ホールには天井に明かりの魔道具を設置するだけにとどめた。
その奥の居間兼食堂はツェーザルの男爵邸と同じようにダイニングキッチンとした。食器棚と冷蔵庫代わりに、厨房にマジックバッグを1つ設置した。そして、魔道コンロと流し台を設置する場所を作った。なお、魔道コンロと流し台は市販のものをアライダ達で購入してもらうことにした。ここにも天井には明かりの魔道具を設置した。
つぎにメイド部屋と護衛の部屋であるが、ここの改造は天井に明かりの魔道具を設置するだけで、あとはアライダ達で業者に依頼してもらうことにした。
次に2階に行って、アライダたちの部屋を作っていった。ただし、窓やカーテン壁紙などは市販のものを購入してもらうことにした。俺は明かりの魔道具を設置するにとどめた。
ここでも簡単な炊事が出来ると部屋で飲み物が飲めるので、簡易のキッチンを設置した。
あと前世のビジネスホテルのようなトイレ兼洗面兼浴室が一体となった部屋を作った。鏡についてはどうしようか迷ったが、俺の工房で作られているガラス板の後ろに銀をメッキし、銀を保護するために銅板を張り合わせることにした。ガラス板は10cm真四角でなく、少し大きめの20cm真四角のガラス板を6枚つなげて作った。ほんとはもっと大きいものも作れるが、この時代のガラス板はかなり小さいみたいなので、あまり大きい物を作るのはやめた。
アライダたちの部屋を改造したあと、ツェーザルの男爵邸と同じように屋上に水をためるタンクを設置して、そこからの配管を水を必要とするキッチン、トイレ、洗面所、浴室に配管した。また、そこからの排水は下水道として庭に作ったタンクに集め浄化槽にして、その上澄みだけ排水路に流すようにした。
一応改造が済んだということでアライダたちに見てもらった。すると、まず、蛇口をひねると水が出る水道に感動していた。
また、トイレも用を足した後、水を流すと匂いが無くなるということで感動していた。
アライダたちが一番驚いたのはアライダたちの部屋に作った前世のビジネスホテルのトイレ兼洗面浴室であった。このような仕様の物はないそうで、とても便利であるとのこと。そしてここに設置されている鏡はとてもきれいに像を写すことが出来ると驚かれた。この鏡を他にも作ってほしいと言われたが、これは俺の土魔法で作っているので、今回だけ特別として拒否した。
金額的にはいくらだと聞かれたので、明かりの魔道具の費用と鏡の費用は分かるが、それ以外の費用は分からない。特にマジックバッグと水洗トイレ用便座と給排水設備については分からないと答えた。
概算でもいいので金額を言ってほしいと言われたので、明かりの魔道具は1つ銀貨2枚、鏡は1つ金貨6枚、マジックバッグについてもあまり出回らないのでよくわからないが、金貨100枚ぐらいかなと答えた。
それ以外の物は材料費が金貨100枚ぐらいなので、加工費を圧わせると金貨300枚ぐらいかなと答えた。
税金のことがよくわからないので、間にアセビ商会をかますことにした。そうするとマリーが税金を払ってくれる。結局アライダたちからは金貨500枚もらうことになった。
この作業をしていたら、年末年始の休み終わってしまった。




