39.男爵邸の奴隷の指導
昨日は嫌になって、最後は適当だったので、学院の帰りに男爵邸に寄ってみた。すると、奴隷たちは何もせずに、リビングとその隣の食堂に座っていた。それで、昨日の続きをすることにした。
奴隷たち全員を食堂に集めた。ついでに、食堂とリビングの間の間仕切りを撤去して広い部屋にした。同時に、これだけの人数の食事を用意するとなると、キッチンも少し狭いのでこれも広げた。そうして、奴隷を前に命令を伝えた。
「俺の名は、ツェーザル・ネルデンベルク。男爵家の当主である。ここは1階が俺の工房、2階が男爵邸である。まず、お前たちの仕事だが、元冒険者はここの警護と1階の工房が仕事である。警護する場所は門を入ってから、庭と1階の工房と2階の男爵邸である。6人なので、2人一組で昼は1組2人、夜は1組2人で、この館を警護しろ。順番はお前たちで決めろ。夜警護していたものは次の日の昼は寝ていい。ただし、昼間は常時突っ立て居るわけにもいかないだろうから、昼間は工房の仕事の手伝いあるいは買い出しをしろ。
次に元農家の娘10人は、この館のメイドと1階の工房の仕事をする。メイドはここにいる者の食事の準備と、部屋の掃除である。ただし、自分の部屋の掃除は自分でしろ。掃除する場所はリビング、食堂、キッチン、廊下、洗面所、トイレ、浴室である。庭の手入れも含まれる。工房の仕事は後で説明するが、ガラス板を作ることである。ガラス板は魔道具を使って作る。ただし、魔道具のことは口外を禁ず。誰かに聞かれても知らないと言え。これは命令だ。
そう言って、順番に各部屋の説明をしていった。先ずキッチン、
「マジックバッグに食料が入れてあるので、そこから適当な食材を取り出して料理をしろ。食器もマジックバッグに入れてある。それから水は蛇口をひねると出る。天井の照明はスイッチがここにあるので、寝るときは消せ」
次にトイレに行って、
「トイレは、水を流すと汚物が流れるようになっているので、用を足したら水を流すように」
つぎに洗面所に行って
「キッチンと同じで、蛇口をひねると水が出る。洗濯物は、この魔道具に入れると自動的クリーンの魔法がかかるので、すぐにきれいになる。下着は1日回、それ以外の服は汚れたらすぐにきれいにすること。これは各自自分ですること」
浴室に行って、
「この赤い色のついた蛇口をひねるとお湯が出る。メイドは夕方、ここの湯船にお湯を張ること。俺がここにいるときは、俺が入った後でないと他の者は入ってはならない。俺がいないときは適当に順番を決めて入れ。それからこの青い色のついた蛇口をひねると水が出る。ここにある石鹸は適当に使え」
それから客室に行って、
「男3人は1つの部屋、冒険者の女3人も1つの部屋、農家の娘は10人で3つの部屋を使え。したがって3人3人4人となる。部屋割りは自分たちで適当に決めろ」
「後の部屋はお客さんが来たように空けておく。ただし、空いている客室を掃除するのはメイドの仕事だ。それから俺の部屋はここだ。ここは掃除しなくてよい」
1階に行って
「これが、ガラス板を作る魔道具だ。こうやって、材料を入れ、スイッチを押すと、しばらくするとここからガラス板が出てくる。重ねて言うが、魔道具のことは口外を禁ず。誰かに聞かれても知らないと言え。また魔道具のことはここにいる人間以外に悟られないようにしろ。これは命令だ。
作業は危険なので、手袋をしてするように。出てきたガラス板は4辺に縁取りのための桟木をあてるように。そうすると縁が危なくなるし、割れる危険が少なくなる。桟木をあてたガラス板は商品の陳列棚に並べるように。今のところ注文は来ていないので、この陳列棚がいっぱいになったら後は作業を中止し、適当にしていろ」
庭に行って、
「庭をきれいにするのはメイドの仕事だ。花を植えてもいいし、芝生にしてもいい。野菜を植えてもいい。好きにしろ、見苦しくなければいい」
「食料の買い出しは冒険者の仕事とする。必要な物もその時に購入するように。とりあえず冒険者に金貨10枚を渡しておく。これで必要なものを揃えろ。農家の娘で、必要なものがあるときは冒険者に言え。食料の買い出し以外は基本この館から出ることは禁ずる。ただし、火事や強盗が入った時に逃げることはかまわない」
そう言って、俺は帰った。




