37.新学期(2年生に進級)と男爵邸の改造
今日は新学期ということで授業はなく、新学期のガイダンスがあった。また、履修する科目を提出しなければならない。必須科目は初級のみで前期で履修した。若し、ここで不合格になる科目があると再度履修して合格しないと進級できない。しかし、ツェーザルは前期ではすべて合格しているので、もう必須科目は履修しなくてもいい。
しかし、将来商人になって諸国巡る予定のツェーザルは国語、数学、外国語、については中級を受けることにした。そうしないと、「授業も受けていないのに外国を話せるというのはおかしい」と言われてしまう。単なるポーズである。
魔法理論、法律、貴族の常識、薬学、魔法陣、領地経営、商業取引、地理、歴史、第二外国語、についても中級を履修することにした。魔法実技についてはいろいろやらかしているので受けないことにした。また、剣術実技は最初から受ける気がない。
運動系が少しもないのは、少し怠慢かなと思って、乗馬初級を受けることにした。これは将来諸国を巡るときに便利かなと思ったからである。
ツェーザルが乗馬を受けることを見て、例の肉食系女子7人も乗馬初級を受講することにした。
また、いつも様な怠慢な日々が過ぎていく。今は公爵邸から通っているが、学院近くに男爵邸を構えたことから、ツェーザルは公爵邸を出て男爵邸から通うつもりである。そうすると、通学時間がほとんどなくなることから、朝男爵邸を出るのも遅くていいし、夕方帰るのも早くなる。
そのためには、早く男爵邸の館内の整備が必須である。外観は魔法できれいにしたが、元は商会の商店として使われた建物、住むにはそれなりの改造が必要である。
1階は商店の陳列棚が並んでいるが、これはこのままとした。2階は住居用に改造することにした。このため、1階と2階をつなぐ階段にはカギをつけてツェーザル以外は入れないようにした。念のため、結界も張った。
2階の改造は前世の記憶をもとに、LDKの住居として整備することにした。まず、居間、これはリビングとキッチンを1つにしてLDKとした。キッチンには冷蔵庫代わりにマジックバッグを常設した。食器棚もマジックバッグを代用した。そのため、キッチンはすごく広くて開放的である。また、この屋敷の人間が増えた時用にリビングの隣には食堂も整備した。
その後、トイレと浴室、洗面所を整備した。トイレは水洗式にした。洗面所には洗濯物を入れると自動的にクリーンの魔法がかかる前世で言う洗濯乾燥機を設置した。浴室も魔石を用いて自動でお湯を張れるようにした。そして、ツェーザルの寝室には机とベッドとタンスとクローゼットを設置した。念のため、ここにもマジックバッグを設置して色々なものを収納できるようにした。部屋が余ったので、客室として整備していった。
最後に、屋上に水をためるタンクを設置して、そこからの配管を水を必要とするキッチン、トイレ、洗面所、浴室に配管した。また、そこからの排水は下水道として庭に作ったタンクに集め浄化槽にして、その上澄みだけ排水路に流すようにした。
もう前世の高級住宅の様な仕様である。たぶんこの世界の人間が見たらびっくりしてしまうであろう。しかし、ツェーザルはそのことに気づいていない。あくまで、自分が1人で暮らすときの快適さを求めた結果である。
しかし、これだけの改造をしようとすると、ツェーザルがいくら魔法が得意と言っても時間がかかる。それにできないところもある。壁材と床材と天井の材料についてはあらかじめ工房に言って作ってもらった。そして、できたものを張り付けていった。窓も同様にして工房に作ってもらった物を張り付けた。カーテンと椅子と机も外注した。
各部屋や廊下の天井には明かりの魔道具を多数設置した。
男爵邸の改造には2か月ほどを要して完成した。一応両親に見てもらうことにした。両親が男爵邸の門をくぐって最初に言った言葉は
「ここお店」
であった。
「元はここは商店。だから1階はその時のまま、2階を男爵邸に改造した」
「そうなの。なんか商人の邸宅みたいね」
「それで、いいと思っている。叙爵されても、気持ちは商人。将来諸国を巡る夢は捨てていない」
「そうなの、ツェーザルがそれでいいなら、いいけど」
「とにかく1階はいいとして、2階を見てよ」
「わかった」
そうして、両親を2階に案内した。するとその仕様にびっくりしている。
「ここがリビング、俺がくつろぐ部屋、横で料理もできるようになっている。だから作った物をその場で食べることが出来る。これは水道と言って、ひねると水が出るようになっている」
「そんな便利なものがあるのか」
「作った」
そうして、洗面所トイレ浴室を見てもらった。両親は初めて見る仕様に驚いていた。そして
「すごく便利に出来ているね、これならツェーザル1人でも暮らせそうね」
「だから、しばらくしたらここで、暮らしてもいいでしょう」
「しかし、1人は危険だ、護衛はどうする」
「将来は1階に工房を構えようと思うので、その時奴隷を購入しようと思う」
「奴隷か、確かにお前の場合、秘匿することが多すぎるような気がする。わかった、護衛の確保が出来ればここに住むのを認める」
「ありがとう父上」
こうして、ツェーザルは両親の了解を得たのである。




