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牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)~軟弱男のハーレム旅行はどこへ行く~  作者: @000ーooo


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28.新学期の始まりと学院祭

 工場の新設や増設に関与していたら休みが終わってしまった。今日からまた新学期である。教室に行くと見慣れた顔が見える。

「おはよう」

「おはよう」

うー、昼行燈が効いていない。いつもだと人知れず教室に入って、人知れず授業を受けて人知れず帰るのに、最近はおかしい。その後は昼行燈をMAXにしたこともあって、誰にも話しかけられることなく、授業になった。


 そうやって、いつものように授業に集中しない毎日が続いて行く。最近は期末休暇に立ち上げた工場も順調なようで、あれから何も言ってこない。平穏な日々が続いている。


「いいことだ、これこそが俺の望むスローライフ」

と浮かれているツェーザルであった。

最近は昼行燈MAX、常にフルスロットルである。もう学院でも屋敷に帰ってからも、寝ているときでも全開である。それで、学院でもあまり話しかけられなくなった。また、家族の者もあまりツェーザルを気に掛けなくなった。いいことだ。


 春の訪れとともに学院では学院祭が開かれる。内容は剣術と魔術の大会、それと芸術系では、楽器の演奏や、手芸や魔道具の展示などである。学生はどれかに参加しなければならないそうだ。1人で参加してもいいし、何人かでグループを作って参加してもいい。


 そこで、俺は思い出した。ブルヘンジュ市に行った時にタコ料理を作って、それっきりになっていることを。何とかタコを使った料理を学園の皆に食べてもらえないだろうか。しかし、あの時のアンナとリズそれに護衛の顔を思い出すととてもそれは望み薄である。しかし、料理のメニューの1つということで、タコ料理を出したらいいのではと思った。


 そこで、昆布があるので、居酒屋みたいな料理を出すことにした。料理のメニューとしては、昆布だしの効いた野菜の煮物、その中にこの間作ったところてんや豆腐を入れる。それに、わかめのお吸い物(タコ抜き)、これだけでは少ないので、そばを作ってみた。そばはこの世界でも食べられているようである。材料はすぐ手に入った。そば粉を練って、つなぎとしての小麦粉を入れ練った。そして、細く切って出来上がり。前世の細いそばみたいにはならなかったが、学生の料理、これで良しとした。この中に特別メニューとしてタコのお吸い物を加えるのである。俺って頭いい。


 学園への届けは屋台のおでん屋とした。数日前から、公爵邸の厨房で料理を作った。作った料理は作るそばからマジックバッグに収納していった。そしてメインディシュのタコである。タコは一部ブルヘンジュ市で使ったが大部分は残っている。タコを料理しようとしてマジックバッグから出したら、そこにいた料理人が騒ぎ出した。


 結局、話が母上のところまでいって、俺は厨房を追い出された。ブルヘンジュ伯爵邸の時と同じである。

「そんなに毛嫌いしなくてもタコは美味しいのに」

こう言っても聞いてもらえなかった。


 ミヒャエラ姉さんからは

「まさか、タコ料理を学院祭で出すわけじゃないわね。そんなものだしたら私ツェーザルの料理食べないから」

返事をしなかったら、再度念を押された。

「いいですね、タコ料理は封印です」

「わかりました。タコは将来俺が家を出てから食べることにする」

結局、

「このタコとタコとわかめのお吸い物は俺のマジックバッグでこれから何年も死蔵することになる」

と思うと悲しかった。


 とたんにやる気が失せた。

「もう、料理はこれくらいでいいや」

と思った。


 それから俺は庭に行って、執事が用意してくれた木材で屋台と机と椅子を作った。ついでに茶碗と箸を作ったが、さて、この世界に人間に箸が使えるのか、細かいことは気にしないことにした。もう半分やる気が失せている。


 学院祭当日になった。俺は学院が指定してくれた場所に行った。さすが、1人でするというと教室はあてがわれなかった。校舎裏のあまり人の通らないようなところである。周りで、アクセサリーや手芸品を売っている学生もいるが、全員暇そうである。


 ここで、俺はハタと困った。もしここで昼行燈全開にしたら全くお客さんが来ない。そこで、俺は近くに女子が来た時だけ、昼行燈全開にして、男子だけの時は昼行燈を弱くすることにした。


 そうしていたら、やって来るのは男子だけになって、女子は1人も来なかった。そして昼になった。そして夕方になった。店じまいである。明日もあるので、今日はこれでおしまい。屋台ごとマジックバッグに収納した。


 公爵邸へ帰ると、姉から苦情を言われた。

「今日、ツェーザルのお店探したんだけど、どこにいるのかわらなかった。どこにいたの」

「どこって、校舎裏、学院から指定された場所。近くにはほかの学生も店を構えていたよ」

「そう、不思議ね、明日は絶対行くから」


「別に来なくてもいいよ」という言葉は封印した。何となく言ってはいけない。そんなオーラが伝わってくる。


 次の日は、前日と同様、女子が近くにいると昼行燈全開、男子だけだと昼行燈弱め、そして姉の姿が見えたので、今日は昼行燈弱めにした。そうしたら、俺が認識できたようで、店にやってきた。


「ツェーザル、元気にやっている。店はあまり流行っていないようね。大丈夫お姉ちゃんが友達連れてきたから」

「この子がミヒャエラ様の弟、かわいい顔しているのね」

あかん昼行燈弱めでは、甘美の香りが抑えられない。冷や汗が出てくる。

「かわいい。赤くなって。もう、ウブなんだから」

気が動転して対応できない。

「ダメよ、私の弟内気なんだから、冷やかしたらダメよ」

「あら、私ミヒャエラ様の弟だったら、結婚してもいいと思っているわよ」

「だめよ、ツェーザルの結婚は父の了解がいるから」

「私は将来は商人になって諸国を巡るのが夢なので、まだ結婚は考えていません」

やっと言えた。もう昼行燈全開である。細かいことを気にしていると俺の一生が決まってしまう。昼行燈を全開にしたこともあって、やっと解放された。


 その後は疲れたので、店をマジックバッグに収納して学院祭を回ることにした。もう店はやめである。疲れた。

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