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牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)  作者: @000-ooo


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18/22

18.ブルヘンジュ市観光(1日目午前)

 朝起きて、マルテと妹のアンネリースの案内で、ブルヘンジュ市を巡ることになった。俺は来る時に見えた、教会の尖塔が気になった。アントリーペン市の教会の尖塔も高かったが、ここの尖塔もかなり高い。それにこの都市には尖塔が3つもある。

「なあ、マルテ、ここの尖塔とアントリーペン市の尖塔とどちらが高いのだ」

「さあ、俺もよく知らない。ただ、同じくらいの高さだと思う」

「そうなのか、あんな高い尖塔作るの大変だっただろうな」

「そうだと思うけど、俺が生まれた時にはもうどちらもできていたから、わからない」


 おれが尖塔、尖塔と叫んだこともあって、尖塔のある教会を見に行くことになった。その前にすぐ近くだからと、伯爵邸のすぐ近くににある教会を見学に行った。さすが伯爵家、司祭が説明してくれた。まず最初に訪れた礼拝堂、ここには聖者の遺物が納められているとのこと。


「しかしなあ、聖者といっても、若し転生者だったら俺と同じだしなあ」と罰当たりなことを考えていると、罰が当たったのか、何もしないのにこけた。

すると司祭が

「今何か不謹慎なことを考えていませんでしたか。神はすべてお見通しですよ」

「確かに、ちょっと変なことを考えていました」

「やはり、この世界にも神はいるようである。罰当たりなことは考えないようにしよう」そう思うツェーザルであった。


 気を取り直して祭壇を見る。実にきらびやかである。眩しいくらいである。そして両側のステンドグラスから漏れる光が微妙な神々しさを醸し出している。「うん、神はいるのだ」そう思うことにした。俺の安寧のためにも。そして、世界の平和のためにも。将来俺が何もしなくてもいいように。


 俺に転生した意味なんてあったらスローライフが送れない。もし、神の啓示なんてあって、「世界を救え」と言われても、俺にあるのは「甘美の香り」という女性を虜にするスキルだけである。こんなもので魔獣退治が出来るわけがない。


 そしてやってきました。尖塔、正確にはここは教会の鐘を鳴らすためのもので、鐘楼というらしい。中に階段があるというので登ることにした。最初は勢いよく登ったのだが、途中から息が切れた。マルテや男子は元気である。「体力馬鹿が」と内心叫んでみるが、苦しい息は変わらない。途中女子にも抜かれ、やっと上に上がった時には床にへたり込んだ。唯一付付き合ってくれたのはアンネリースちゃんだけだった。


 これを見たマルテが

「しかし、ツェーザル、もっと体を鍛えろよ。剣術の実技が最下位なのはわかっていたが、まさか女子にも抜かれるとは、こんな状態では騎士団なんて夢の夢だな」

「俺は脳筋ではない、俺は頭で勝負するのだ。元々騎士団なんて入る気はない」

「そうだな、商人になるのだな」

「そうだ」


 やっと息が落ち着いてきたので、手すりにもたれ、周囲を見渡してみる。おお、絶景かな。360度の見晴らしが効く。赤い屋根、正確に言うなら、少し赤みを帯びた茶色の屋根が続いている。屋根がないのはそこが通りだからだろうか。下の人間が豆粒に見える。前世の東〇ス〇イ〇リーに登った時の記憶がよみがえる。しかしあの時は高すぎて確かコインを入れて望遠鏡をのぞいたように記憶している。


 しばらく絶景に感動していると、マルテが

「どうだ、アントリーペン市はいい街だろう」

「うん、ここから見るとすごくきれいだ」

「その言い方、少しけがあるな」

「ごめん。ここから見えないところはどうかなと思っただけ」


「そうだな、この都市に暮らしているすべての人が、いい生活を送っているわけではないよな」

「うん、町には多分貧しい人や孤児もいるだろうからな」

「そうだね」


 その後、今度は階段を下ることになった。確か「階段は登るときよりも下りる時の方が足にくる」と聞いたことがある。そして後で十分ストレッチをしないと次の日筋肉痛になる。俺はみんなに先に行ってもらった。そして一番最後に十分ゆっくりと下りていった。みんなはあきれていた。


 次は聖堂とのこと。ここにも尖塔があったが、もう登る気がしない。「俺は下で見ている」と言って下で待つことにした。ここは、アントリーペン市で一番古い教会だそうだ。こう教会がいくつもあると違いがよくわからない。


 みんなが戻ってきて見学が再開された。案内してくれる司祭さんが

「ここには聖歌隊があって、パイプオルガンもあるのですよ。今日は無理ですが、ミサのある日ですと聖歌隊の歌声も聞こえますよ」


 歌には興味はないが、パイプオルガンには興味があったので、

「パイプオルガンを見せてもらえますか」

「どうぞこちらに」

「ちょっと触ってもいいですか」

「触るぐらいならいいですよ」


 司祭の許可をもらったので、触ってみた。すると、荘厳な音色が聞こえてくる。感動ものである。ただ、手だけでなく足先にも鍵盤がある。俺には演奏は無理である。

「こんな、鍵盤がいっぱいあると、演奏するのは大変じゃないですか」

「練習すれば出来ますよ」

そんな簡単に言わないでくれ。俺がみじめになる。


 次は聖母教会、ここには聖母像があるそうである。ここの尖塔も登らなかった。もう足ががくがくである。最初の塔の時はストレッチをしたが、そんなことではどうにもならないくらい俺は体力がないようである。


 なんか、もう動く気が無くなったので、

「広場で屋台の串焼きを食べて昼食にしよう」

と俺が言うと、マルテが

「そんなことをしたら、父や母に怒られる。昼食は予約してある」

と言い出した。


 仕方がないので、また昼食の場所まで歩いた。

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