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牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)  作者: @000-ooo


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13.馬車の中での暇つぶし(ゲームの開発)

 馬車の揺れが昨日より少ない。すると、

「あれ、馬車の揺れが昨日より少ない」

「昨日宿に帰ってから馬車にもう一工夫したから」

「ツェーザル様は多彩なんですね」

なんか草食獣を狙う肉食獣の目が輝いたように思う。何となく冷や汗が出る。昼行燈を全開にした。


 馬車の揺れが少なくなったので、馬車の中でゲームをして遊ぶことにした。とにかく暇なのである。車窓は変わり映えのしない畑作地帯。それに、今は3月、ライラント王国はこの大陸では北に位置する。北国の春は遅い。冬枯れの景色が続く。


「こんなゲームを作ってみたんだ」

「ゲーム、どんなもの」

「これ、1つはリバーシ、もう1つは五目並べ。馬車で揺れても石が動かないように、並べる石には磁石を張り付けてある。また盤には下に鉄を仕込んであるので、盤の上に並べた石が盤に引っ付くようになっている。それで、馬車が少しぐらいなら揺れても、置いてある石の位置が変わらないようになっている」

「うまく考えたね。確かに並べる石に磁石をくっつけておけば、盤に引っ付くものね」

「でも、リバーシも五目並べも知らないわ。どんなゲーム」

「えっ、リバーシも五目並べもしたことない」


 この世界では前世にあった物が必ずしもこの世界にあるとは限らないようである。仕方がないので、遊び方を1から説明した。


 そして、みんなでやり始めた。ゲームの石や盤はあらかじめ、旅行に行く人数が12人なのでリバーシと五目並べそれぞれ6個づつ作ってきた。だから全員が遊べる。結局、ゲームをして時間をつぶした。これだと、肉食獣の脅威も和らぐように思う。


 しかし、ひとしきり遊んだ後で、

「このゲームも登録して、私たちの商会で販売させてよ。いいでしょ」

ということで、これも商会で販売する商品に加わった。ますます、俺を狙う肉食獣の目が鋭くなったような気がする。


 そんなゲームも何日もすると飽きてくる。それで、俺は護衛と入れ替わって、馬に乗ることにした。これだと肉食獣の目を気にせず、昼行燈をあまり効かせなくてもいい。体は馬車の中にいた時よりずっと楽である。馬の歩みを進めて、先頭の冒険者のところへ行った。


「こんにちは。お役目ご苦労さんです」

「えーっと、商隊についてきた、お貴族様ですよね」

「そうですけど、そんなに気を張らなくてもいいよ。今は貴族だけど将来は商人になって諸国をめぐるのが夢だから、その時は平民、皆さんと同じ平民です」

「そうですか」


「ねえ、冒険者になって何年ぐらいたつの」

「ガキの頃に田舎から出てきてからだから、もう15年ぐらいになるかな」

「そんなに長く冒険者やっているんだ。冒険者やっていて大変なことって何」

「そうですね、けがをしたときかな。とにかく体が勝負なので、けがをしてしまうと、仕事ができない」


「ポーションは使わないの」

「安いポーションなら使いますが、高いのはちょっと、高いポーションを使うぐらいなら、寝ていた方がいい時もありますので」

「そうなんだ。僕、この間学院でポーションの作り方習ったんだ。この旅暇だからポーション作ってあげようか。お金は要らないよ。練習だから。その代り効くか効かないかは、使ってみての判断だけど」

「それって、こまるな。ポーション使ったけど全然効かなったら、死んでしまう」

「そうだね、確かにポーションはそうだね。でも僕ポーション作成は合格もらったよ。だから僕の作るポーションは効くと思うけど」

「そうですか、それなら少し作ってもらいましょうかね」

「わかった、ちょっと先に行って薬草探してくるね」

「まって、ください、先にいたら、危険です」

「大丈夫、何もないから」


 そう言って、先行して、薬草を探した。森や草原に鑑定をかけると薬草の位置が分かる。それを順次採取していく。しばらく薬草採取をしていると、先ほどの冒険者が追い付いてきた。

「あまり先に行かないでくださいよ。お貴族様に何かあったら、こちらの責任にされますから」

「ごめん、でもほら、こんなに薬草が取れた」

「へー。器用なもんですね、こんな短時間に薬草が取れるなんて、俺達より、よっぽど冒険者に向いているのじゃないですか」


 その後、休憩になったので、みんなのところに戻った。そして、その場で今取った薬草からポーションを作った。初級と中級の傷用ポーション、それに毒消しのポーションを作った。それを先ほどの冒険者に持っていった。鑑定の結果はまずまず。「たぶん初級や中級といっても上級ぐらいには効く」と思う。

「できたよ、初級と中級の傷用ポーション、それに毒消しのポーション、あげる」

「ありがとうございます。ほんとにお金は要らないのですか」

「いらないよ。練習だから」

「それは、ありがとうございます」


 こうして、馬車の旅は、ゲームと、ポーションづくりで過ぎていった。なお、ゲームは次の町で登録された。これで俺の価値はまた上がった。そして俺の狙う肉食獣の目はさらに鋭くなった。

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