↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)~軟弱男のハーレム旅行はどこへ行く~  作者: @000ーooo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

119/142

119.カルラの秘密

「うわー」

深夜、ヤインツの宿の1室にツェーザルの悲鳴が響き渡った。


 すぐに、護衛やメイドが部屋に飛び込んできた。俺が枕元で蒼い顔をして震えているとアライダが

「どうしたのですか、ツェーザル様、いやな夢でも見たのですか」

「怖い夢を見た」


 そう言って俺はアライダに抱き着いた。アライダがそんな俺の頭をなでてくれた。俺はその後も声を出して泣いた。

「怖かった。怖かった」

まるで子供のようである。しかし、今はそんな余裕はない。唯泣くだけであった。


「坊っちゃんも子供ですね」

そう言って、護衛やメイドたちが出て行った。


「それでツェーザル様、何があったのですか」

もう秘密にしておくわけにはいかないと思いカルラのことを話すことにした。


「大事なことを話すので、アーダの異空間に行きたい」

俺がそう言うと、ツェーザルの悲鳴で出てきていたアーダが俺とアライダ達を異空間に入れてくれた。


「今日俺は怖い夢を見た。この間救った侯爵令嬢カルラに関する夢だ。カルラはアーダと同じで前世の記憶がある。前世は俺たちぐらいの年だったそうだ。それで母親が死んでも、生きていけた。


 あの赤い魔獣はカルラが作り出した幽体だ。その幽体に魔力を集めさせて母親の体からおっぱいをもらっていた。


 そのカルラは俺に救われたとき俺に恋をしたそうだ。『俺の10番目の妻になりたい』と言ってきた。カルラは思ったことを相手の頭の中に呼び掛けて会話が出来る。だからカルラと会話していても誰も気づかない。


 俺は『カルラが、今ゼロ歳児なので結婚は出来ない』と言ってある。カルラは『成人したら俺の妻になる』と言っていたのだが、最近は『アーダのように口づけすると実体化できるのではないか』と言い出した。それで『幽体のカルラと口づけして子づくりしよう』と言い出した。


 今夜俺は『幽体と結婚して子供を作ったことが教会に知られて、火あぶりになる夢』を見た」


 カルラのことを説明するとアライダが

「わかりました。今回の元凶はカルラさんですね」

「そうだ」


 するとアライダは辺りを見回して

「カルラさん、居るのでしょう。居るなら出てきなさい」


 すると、俺たちのいた宿の部屋に赤い目の魔獣が出てきた。どうもアーダの許可がないとアーダの異空間には入れないようだ。


 俺が

「アーダ、あの赤い目の魔獣はカルラの幽体だ。お前の異空間に入れてやってくれ」

と言うと、アーダが

「仕方ないですね、カルラさんの幽体入ってきなさい」

アーダがそう言うと、俺たちの目の前に赤い目の魔獣が現れた。


 アライダが

「カルラさん、あなたはツェーザル様に救われたのですよ。命の恩人を苦しめてどうするのですか」

すると俺達の頭の中にカルラの声が響いた。俺だけでなく妻たち全員、そうアーダの頭の中にも響いているようだ。


「ごめんなさい。ツェーザル様を苦しめる気はなかったのですが、早くツェーザル様の妻になりたくて、だって、私がツェーザル様と結婚できるのは私が成人してから、今から15年も先のことなのですもの。


 その間に『ツェーザル様がどこかへ行ってしまうのではないか』と思うと、いてもたってもいられなくて、それで『幽体の私とキスをしたらアーダのように転生得点が得られて実体化できるのではないか』と思ったのです。


 でもこんなにツェーザル様が苦しんでいるのなら私は15年待ちます。だからどうかわたしを嫌いにならないでほしい」


 その後はカルラの泣き声が頭の中に響いてきた。感情が抑えられないようだ。


「どうする。カルラのこと許してやってもいいか」

俺がこう言いうと

「ツェーザル様が、それでいいなら、いいです」

妻たちの了解が得られたので

「カルラ、今回のことは許す。俺はお前のことは嫌いにならない。お前との付き合いはこれまで通りとする。しかし、幽体になって俺にキスを迫るのはやめてくれ。話をするくらいならいい」

「ありがとうございます。キスは迫りません。15年待ちます。それで15年したら私を10番目の妻にしてくれるのですね」


 するとアライダが

「それはこれからの協議です。先ずあなたは侯爵令嬢、そして侯爵家の唯一の娘、侯爵家を継ぐ身ですよ。それはいいのですか」

「それは構わない。お祖父ちゃんがいつも私の枕元に来て『私がどんな人と結婚したいと言っても許す』と盛んに言っているから」

「そ、そうなのですか。それで15年の間にカルラさんがほかの人を好きなることはないのですか」


「それは絶対にない。私ゼロ歳だけど、心は15歳、ツェーザル様と同じ年。こんな私がゼロ歳の人を好きになると思う。たぶん他の人に出会っても、『お子様が何言っているの』と思ってしまうわ。『心がときめいたりしない』と思う」


 これはすごく説得力のある回答だった。精神年齢15歳の令嬢が精神年齢ゼロ歳の男性に恋をするかと言うと、答えはノーだろう。


 ここにいる全員が黙ってしまった。


 結局、カルラと俺の結婚は保留だが、15年しても気持ちが変わらなければその可能性は限りなく高いということになった。


 しかし、まあ、幽体との結婚という最悪の事態だけは避けられたので、良しとなった。その後はゆっくり寝ることが出来た。カルラも満足したのか幽体も帰って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。