106.アーダの異空間の拡充
アーダはツェーザルとキスをすることで再び転生得点を得て自分だけが使える異空間を得た。今アーダはその空間に居る。彼女がその空間に居る限り、ほかの人に見つかることもないし、彼女が見つからなければ、ツェーザルが火あぶりになることもない。
しかし、このダンゴムシ、正確にはダンゴ妖精はいろいろと文句が多い。今もその異空間から出てきて
「私だけでは寂しすぎます」
「だったら、俺たちの周り飛び跳ねている妖精も連れて行け。おいその鳥かご持ってこい、妖精ごとお前の空間に入れろ」
「わかりました。妖精の入った鳥かごよ、私の空間に入れ」
アーダがそう唱えると、妖精の入った鳥かごが消えた。
「ツェーザル様、あの空間に家を建ててくれませんか。そうすると私とツェーザル様の愛の巣です。キャー」
また、こいつ自分の言葉に酔ってやがる。
「その異空間は、お前が自由にできる空間なのだから、お前が家が欲しいと思えばできるのではないか」
「でも私、家なんて作ったことないから家と言われてもよく分かりません」
「それじゃ、明日、不動産屋に行って小さな家を購入して、それをお前の異空間に入れるか」
「はい、よろしくお願いします」
「それと、ツェーザル様は私の愛の巣には来てくれないのですか」
「行かないこともないが、お前が望まないと入れないぞ」
「私が望まないはずないじゃありませんか。ツェーザル様入れ」
アーダが俺の名前を唱えた瞬間、俺の体はアーダの異空間の中にいた。隣にはさっきの鳥かごがある。その周りを妖精たちが飛び回っている。
それ以外は暗くてよく見えないので、俺のマジックバッグから明かりの魔道具を取り出して辺りに設置した。すると、辺りがほんのり明るくなった。
しばらくするとアーダとアライダ達がやって来た。
「ここが、アーダの異空間ですか、ずいぶん広いですね。これなら、中に家を建てれば、みんなで暮らせますね」
「ここは私とツェーザル様の愛の巣、お邪魔虫は入れない」
けんかになるといけないので
「そんなことを言わずに、みんなで暮らそうよ。そうしないと俺も気楽に来られないし」
「わかりました。ツェーザル様がそう言うのなら」
次の日、俺たちは不動産屋に行って、いくつか家を物色した。旅の人間が「家を購入する」と言うので不思議そうな顔をしている。騒ぎになっても困るので、不動産屋にいくら金を握らせて、「家を分解してマジックバッグに入れておくと旅の途中でも便利だからだ。ただしこのことは秘密だぞ」と言うと不動産屋はにっこりしてうなずいた。
不動産屋に案内された家をいくつか見て、手ごろな家を購入した。アーダが「収納」と唱えると家が消えた。ついでに庭の花壇や植木も一緒に収納した。
その後市内の工房に行って、手当たり次第に家具を購入した。また、市場に入って食器や服それに食料を購入した。
そうやって、色々なものを購入して、アーダの異空間に入れていったのはいいのだが、アーダは小さい、重い物は持てない。結局納入した物はアライダたちで手分けして収納した。
俺はその間に、家の中の壊れている箇所を修繕した。またキッチンや風呂トイレを改造していった。そして、屋上にタンクを設置して水道の配管をした。また下水管も設置して庭の浄化槽に流れるようにした。
その後、異空間の中に柱を立てて、そこに明かり魔魔道具を設置した。これでこのあたりが明るくなった。また、前の川から水を汲んできて小さな池も作った。さらに、先ほど収納した庭の花壇や植木を植え直した。これで屋敷は完成である。妖精の鳥かごも家の中の居間に置いた。
出来上がった屋敷をみんなで眺めて、みんなでうっとりした。
「この家、アーダが許可するといつでも使えるのですよね、馬車の中でも暇なときはここへ来ることもできるのですよね」
「そうだな、これはすごく便利だ」
するとアーダが胸を張って
「私の邸宅です」
なんかアーダがお大臣様のようである。




