101.カフェ巡り
今は朝、そして俺はベッドの上にいる。隣にはアーダがいる。今はダンゴムシの姿に戻っている。昨日の夜は俺から大量の魔力を吸って超絶美少女になった。昨日は新婚初夜、1回でいいはずなのに、「ものたらない」と言って、また俺から大量の魔力を吸ってまた超絶美少女になった。
もう1度魔力を吸おうとしたので、「もう無理、俺が干からびる」と言うと許してくれた。そして、
「ツェーザル様は体力がなさすぎます。私がもう1度超絶美少女になるというのに何が不満なのですか」
「その体力俺から吸った魔力だろうが」と言いたかったが、昨日は新婚初夜、事を荒立てないようにした。
俺はいま心身ともに疲れ果てている。何もする気がしない。ボケーとしていた。アライダ達は市内へ買い物に行ったようである。部屋が静かになった。アーダも満足したのか寝ている。俺はまた寝ることにした。
夕方アライダ立ちが戻って来たので今後の予定をどうするか相談した。今日はここへきて8日目である。宿は10日とったので、明日とあさってどうするか。それから次はどこへ行くかである。
決まったことは明日とあさっては市内で適当に店を回って美味しい物を食べる。といっても、王都とさほど離れているわけではないので、王都にないようなものがあるはずもなく。唯の暇つぶしである。
それから次は、ここから南西に行ったランブルグに行くことになった。そこはイルメラの実家だ。ここでどれくらい過ごすかは行ってみて決めることになった。
次の日は、また朝から市内へ繰り出した。護衛やメイドも入れると29人それに今回はダンゴムシも俺の背中のリュックの中に入っている。
本当は置いておきたかったのだが、「私も妻の一員」と強く主張するものだから仕方がない。「くれぐれもトラブルは起こすなよ。それでなくても見た目が悪いのだから」と言うとかなり堪えていたようだ。
ダンゴムシはかなり厚かましいようで自分を可愛い虫と思っている。
宿を出て、大通りに出たので、適当な店に入った。注文を聞いてきたので、この店のお勧めにしてもらった。出てきたのは、ビールだった。何でも地元で作っている名物だそうだ。
「なあアライダ、俺たち成人しているよな」
「はい、この国では学院を卒業すると1人前、成人とみなされます。だから結婚もできました」
「だよな、だったらビールも飲んでいいのだよな」
「はい、もう自由に飲めます」
しかし、俺は前世の記憶が邪魔をする。前世の成人は20歳、ここは悩むところである。一頻り悩んでいると
「そんなに悩むことですか、たかがビールですよ。若しビールがお気に召さないのなら、護衛に飲んでもらえばいいでしょう」
「そうだな、そうする」
と言うことで護衛に飲んでもらった。
そしてジュースを注文すると
「坊っちゃんは、まだ子供なんですね」
ヤンスに言われた。
店の人に何か食べる物はないかと聞くと、焼き菓子が出てきた。クッキーあるいはガルトレットとかいうらしい。美味しいのだが、「果物が食べたい」と言ったら、「今は冬なので果物は手に入らない」と言われた。
そこで俺はいいことを思いついた。
「なあ、アライダ」
「何ですか、ツェーザル様」
「もし、アセビ商会で夏にいろいろな果物を買って、時間停止機能付きのマジックバッグに保管しておいて、冬に売ったら、大儲けが出来るのじゃないか」
「出来ると思いますが、そうするとさらに目立ちますよ」
「そうだな、アセビ商会は儲かっているし、目立つのはよくないな。それじゃわが家で食べる分だけにしたらどうだ」
「それはいいことですね。季節外れの果物がいっぱい食べられるのは食の幅が広がります」
午後も適当な店に入って、適当にジュースとお菓子を注文してダラダラと時間を過ごすことにした。アーダは午前中はおとなしく俺の背中のリュックの中にいたのだが、午後になるとさすがに欲望が抑えきれないようで、リュックの中で暴れ出した。
仕方なく、リュックから出したら、店員に見つかった。
「キャー、ダンゴムシがいる」
「すいません、この虫は俺がティムしている虫です」
と言ったのだが、聞いてもらえず。店から追い出された。ペット禁止とのことである。
次の日は、アーダはお留守番。俺たちはまた市内のカフェ巡りをした。
なお、侯爵からはコルンナ市を立つ前の晩に丁寧な礼状と侯爵家の家紋の入った短剣をもらった。これを見せれば侯爵家の客人扱いになるとのことであった。
俺の場合ネルデンベルク公爵家三男というだけでも、相当融通が利くのだが、使える駒は多い方がいいのでありがたく頂戴した。
そうして、10日間過ごしたコルンナ市を後にした。




