100.ダンゴムシとの結婚
侯爵邸を出て宿に戻った。部屋に入ってからアライダ以外の妻たちに今回のことを報告した。するとアーダが
「私頑張った。約束通り私を9番目の妻にして」
と言い出した。
約束なので、ここで結婚式をすることにした。アライダが神父さん役
「服は今着ているものでいいだろう」
俺が言うと、アーダがごねた。
「そんな片手間では嫌、ツェーザル様はタキシード、私は純白のウェディングドレス、キゃー」
こいつも自分の言葉に酔うタイプか。面倒なダンゴムシだ。
「そんな服持ってきていないぞ。それにお前もウェディングドレスなんて持っていないだろう」
アライダが、
「明日服を買いに行きませんか。もう赤い目の魔獣の問題も解決したわけだし、明日はゆっくり買い物をしましょう」
と言い出した。
これあかんやつだ。女の買い物は長い。それを「ゆっくり」なんて言っているのだ。どれだけ時間がかかるか分かったものじゃない。
「買い物はお前たちだけで行ってこい。俺は体力がない。長時間は耐えられない」
「わかりました、それじゃ買い物は私たちだけで行ってきます」
「そういうことでアーダ、結婚式は延期だな」
「そんなあー。わかりました。服は今着ている服でいいです」
結局、服は今着ている服、神父さん役はアライダで、今ここで結婚式をすることになった。
アライダが、
「富めるときも、病める時も………」
なんか俺たちの結婚式の時、神父さんが言っていた言葉と違うような気がしたが、相手はダンゴムシ、わかっていないようだから、茶々入れるのはやめにした。
「それでは誓いの言葉を」
俺とダンゴムシが声を合わせて
「誓います」
これで結婚成立である。
今俺はダンゴムシと結婚して夫婦になった。まさか、俺も異世界に来てダンゴムシと結婚するとは思わなかった。そういう意味ではこの世界の神様は許容範囲が広いようである。
誓いのキスになった。俺とダンゴムシでは大きさが違い過ぎる。俺が首のあたりに手をかざすとダンゴムシがその上に載って、もじもじしている。
こいつでもこういう表情を見せる時があるのだ。可愛いものじゃないか。これからはダンゴムシと言わずにアーダと言ってあげよう。少なくとも妻なのだから。
そう思って、アーダと唇を重ねた。するとアーダが眩しく光って姿が変わった。そして目の前には超絶美少女がいた。そして頭に中に
「パンパカパーン、アーダが幾多の困難を乗り越えて真実の愛に目覚めたので、転生得点により人間の姿を得ました。持続時間10分」
と響いた。
ああー、これあかんやつだ。超絶美少女は問題があり過ぎる。アライダ達ともめなければいいが。不安になってくる。それに持続時間10分て、10分したら元の姿に戻るのか。わからないことばかりである。
アーダにも、同じ言葉が心の中に響いたようで
「やった、やりました。私、人間になりました。これで、ツェーザル様との子づくりができます」
何か恐ろしいことを口走っている。
アライダ達は今の状況が理解できないようで、ただ茫然としている。俺が説明することにした。
「どうもアーダは前世の記憶があるみたいで、俺と結婚したことで、人間の姿に戻れるようになったようだ。ただし持続時間は10分なので、この姿でいられるのも10分らしい」
するとアライダ達は
「何だ10分ぐらいならいいわ。またダンゴムシに戻るのでしょう」
これを聞いて、アーダが
「10分もあれば十分子づくりが出来ます。今日は新婚初夜です。私頑張ります。ツェーザル様優しくしてね」
そうやっていたら10分経ったようで、アーダが急に元のダンゴムシの姿に戻った。
そうしたら、アーダが再度俺の唇に吸い付いてきた。そして大量の魔力を吸った。それはもう大量の、俺は「干からびるのじゃないか」と思った。
そして、
「変身」
と唱えた。
するとまた超絶美少女に戻った。これではっきりした。この変身には大量の魔力を消費するのだ。そして、その大量の魔力を持っている俺は絶えず狙われるということだ。
「アーダ、俺から大量の魔力を吸って、人間の姿になるのは禁止。俺が干からびる」
「そんなあ、新妻が美しくなるのに、ツェーザル様は協力してくれないのですか」
「そんなことはいが、時と場合による。今後は俺が許可した時だけにしろ」
こうしてアーダとの結婚式は終わった。そして俺とアーダは夫婦になった。




