リーダーは俺じゃないだろ
改題しました。
これからもよろしくお願いします!
「パーティ名が『虹色の悪夢』ですか? 本当にそれでいいんですか?」
「ああ、それで登録してくれ」
登録用紙にペンを構えたままのリリーが何回も確認して来る。しかし俺達の意思が変わる事は無い。
「分かりました。パーティ名は『虹色の悪夢』で登録します。次にメンバーを登録します。皆さんのギルド発行の冒険者カードを見せて下さい」
俺達はそれぞれの冒険者カードをリリーに差し出した。姉さんだけは少し嫌がっていたけど、それは無視だ。
「メンバーは、クリス=ベイリーさん。18歳、戦士、ランクD。次はアリー=マッキャロンさん。28歳」
「そこは読み上げなくていいのよ!」
「すみません。本人の前で読み上げて確認は規則ですので」
リリーを何とか止めようとする姉さんであったが、その手のタチの悪い接客に慣れているリリーにとってはあっさり受け流す事は簡単だった。
「職業は武闘家? って本当ですか?」
リリーは読み上げながら驚く。だがそれは無理も無い事だ。
「ねぇ、この機会に職業を変えられないかしら?」
「どんな職業ですか?」
「女優とか」
姉さん、冒険者の職業で女優なんか聞いた事が無いぞ!
「はい、では次の方は。ニーナ=ブライトンさん。15歳」
「はい!」
普通に15歳と呼ばれた事が嬉しいのか、ニーナからは元気一杯な返事が聞こえた。
「魔法使い、ランクDで間違い有りませんか?」
「はい、ランクはどうでもいいんです。そして私は間違い無く15歳です!」
相変わらずニーナは飽くまでも15歳だと強調する。
「そして、ケイン=エドリー、21歳、用心棒、ランクC」
「職業は用心棒から変えられねえかな?」
「では改めて、ケイン=エドリー、21歳、剣士。剣士だとランクDからのスタートになりますが?」
「ランクDか、構わねえぜ。皆もランクDだろ」
剣聖にあれだけの勝負をした剣士がランクDなのは気になるが、でもそれは規則なので仕方がない。
先代の剣聖の弟子の時にはギルドに登録はしてないだろうし。
「次にリーダーと副リーダーを決めて下さい」
リーダーか。ハッキリ言うと俺はリーダーとは無縁な存在だな。無難に姉さんに決まるだろう。
「それじゃ誰がリーダーに相応しいか、皆それぞれ名前を上げてくれ。自薦他薦は問わない」
俺の呼びかけに皆が頷く。
「それじゃまずは俺は姉さんを推薦する!」
「えっ、私?」
余程意外だったのか姉さんは鳩が豆鉄砲を喰らった様な顔をしている。
「先ずこのパーティのメンバーって姉さんの世話になって無い奴は居ない。俺は殺される所を姉さんに助けてもらったし、ニーナの封印を解いたのも、ケインに俺の腕を着けたのも姉さんだ。それに最年長だ」
「ちょっと待って、事実上の最年長はクリス君でしょ!」
確かに俺の中身は40歳だ。でも肉体は18歳なんだけどな。
「それに、私は確かにクリス君を助けたけど私もクリス君に餓死する所を助けられたわ!」
「それに封印の解除は姉さんでも私をマジックバックから引き上げたのはクリスさんです。頭を思いっ切り掴まれましたけど。それに姉さんがリーダーだとパーティの方向性に不安が…」
姉さんに呼応する様にニーナが頭を擦りながら続いた。最後は少し言い難そうだったけど。
「俺の腕にしてもそうだ。2人は魔法や特殊能力を使ってくれたけど、まだ正式な仲間でもなかった俺の為に自分の腕を切らせるなんて、出来る奴は居ない! そう言う理由で俺は大将に一票だ!」
あれは成り行きで断れなかっただけ!
「もう、わざわざ言わなくて良いの。リーダーはせーので指差すわよ。せーの!」
俺は姉さんを指差したが、3人の指は俺に向けられていた。
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