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鑑定結果は?

「凄えな! 魔法か?」


「ええ。風属性魔法の一種です」


 さっきの金髪の男がニーナに話し掛けて来た。よく見ると素直そうな顔で、対峙していた下品な冒険者と比べれば随分と品が有りそうだ。


「さっきはありがとう」


「結局は何もしてないけどな」


 そう言って愛想笑いをするこの男を改めてよく見てみる。

 身長はかなり大きい。190センチ位か、髪型は金髪を肩に届く位のロン毛にしている。顔はまぁ整っていると言ってもいいだろう。同性の俺から見ても。

 そして何と言っても凄い筋肉質で肩幅も広い!


 長身でそこそこの顔。女にモテそうだな。

 イケメンは基本的に嫌いだ。でも彼は嫌な奴ではなさそうだな。

 女にモテる、イコール嫌な奴って俺の中では出来上がっていたけど例外も有るみたいだ。

 そして最初に目に入ったその腕だが、改めて見るとやはり右手は肘と手首の中間辺り、左手は親指と人差し指が無い。


「ああ、これか。やっぱり目に付くよな」


「すまない。そんなに見るつもりは無かったんだが」


 俺の視線に気が付いたのか、落ち着いた声で言うと腕を上げて見せた。


「剣士だと聞いたけど」


「正確には()()()だな。まっ、剣は持てなくても身体の捌きで多少は何とかなるからこのギルドにはボディガードの仕事を紹介して貰っているんだ」


「その手でボディガードですか?」


 ニーナがその言葉に驚く。それもそうだろう。武器も防具も使えない人間がボディガードだなんて。


「試してみるかい?」


「面白そうね。それじゃこのクリス君と模擬戦を行ってみて。もし勝てたらあの熊の手、3本をお譲りするわ」


 姉さんまで横から入って来た。それは良いんだけど、やっぱり試されるのは俺かよ。


「あの、そういう事はここではご遠慮願いますか」


 正直やりたくないと思った所にナイスタイミングだ受付嬢!


「おいおい、喧嘩はいつも放置しているじゃねぇか」


「この人達は聞き分けが良さそうだから。私だって客は選びたいのよ。選べるのなら」


 男の抗議に受付嬢が思わず本音を漏らした所で鑑定結果が出た様だ。


「ダークブラッドグリズリーの本体が2万8千、手が1本3千で20本だから6万、合わせて8万8万千クロルで如何でしょうか」


 クロルとはこの国の通貨単位だ。俺の感覚だと物価が安い分大体、日本円の1割位かな。

 8万8万千クロルだと単純計算で88万円となる。

 日雇いの重労働者が1日働いて3千クロルって言っていたから大体そんな感じだろう。

 

「もう少し、切りよく10万にしよう!」


「すみません。規則ですから」


 この受付嬢、申し訳無さそうに言うけどさっきから落ち着きが無い。心ここに非ずって感じで。


「あの、でも他に3千クロル位の魔石とか有って、この後この5人で飲みに行けるのでしたら、10万にします」


「10万クロル?」


「本当に?」


 この5人とは俺達3人とこの男、そして受付嬢の事だよな? この場にはこの5人しかいないし。それで日本円にして100万円になるのなら喜んで!


「ええ。10万クロルにしますよ。いえ、させて頂きます!」


 凄い気合だ!

 受付嬢は目であの男を追い続けていたのを見逃す俺ではなかった。

 

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