こうしてニーナが加わった
「うぅ、乙女のスリーサイズをいきなり読み上げるなんて酷すぎます!」
「ごめんね。このクリス君が知りたそうな顔をしていたから」
「えっ!」
俺のせいにするなよ!
「お詫びに私のを披露するわね。上から…」
「もう結構です!」
身長が170センチ位で恵まれたスタイルの姉さんをチラッと見ながらニーナが遮る。
本当にこういう事は俺が居る所でやってくれるなよ! 聞きたいのは本音だけど、どんな表情すれば良いのやら。
「クリス君の手前76って言ったけど、本当は74なのは私達だけの秘密よ♡」
姉さんがニーナにささやいているけど、聞こえてるから!
暴露したかと思えば実はサバ読んでいたとか、気が利くのかどうなのかよく分からない人だな。
◯▲△
「そうでしたか。アリーさんは千年に1人の完璧聖女で、クリスさんは彼女が聖女として召し出されたと」
ニーナに俺達の事情を軽く説明するとフムフムと軽く頷いている。
「確かに200年前の聖女のキャロルさんは治癒と結界と浄化の能力を持っていました。本人は「300年に1人の奇跡の聖女」と言っていましたね。彼女もとっくにいないんですよね」
ニーナの表情が俄に曇った。
彼女にとっては、ついさっきまで魔王と戦っていたんだ。それが突然封印されて解除されて、いきなり誰も知り合いが居ない世界に出たら戸惑いも有るし寂しさも有るだろう。
「ねぇ、ニーナちゃん!」
「ちゃん?」
姉さんがいきなり距離を詰めてニーナの肩を抱いた。
「まだ15歳で年下なんだから、いいでしょ?」
「あっ、はい。ちゃんと呼ばれたのは初めてなので戸惑っただけです」
「無いの?」
「はい。只の一度も」
「それじゃ私はこれからそう呼ぶわね」
「では私はアリーさんと呼べばよろしいでしょうか?」
「ニーナちゃんも姉さんで統一して。設定は、私達の腹違いの妹よ!」
「その設定、無理が有るよ!」
この3人全員が腹違いの姉弟って、一体どれだけだらしない親父なんだ!
「これから私達は王都を目指すの。クリス君の恋がまだ成仏出来てないから。200年振りに復活したって行く当ては無いんでしょ?」
「一緒に行かないか?」
俺も姉さんも同意見だった。姉さんが持ち出したマジックバックにニーナが封印されていた事も、その封印を姉さんが解除出来た事も何かの縁だろう。
「いいんですか?」
「もちろん」
「歓迎するわ!」
こうしてニーナが仲間に加わった。
◯▲△
「後から来た妹が合流して3人になった?」
「そうなんだ。だから…」
俺は宿屋の女将に人数が増えた事を伝え、俺だけ別にシングルで泊まれないか聞くつもりだったが、それは途中で遮られた。
「お客さん、いくら若いからって2人を相手にするなんて。はい!」
女将はニッコリ笑ってさっきの精力剤っぽい何かを追加で渡してくれるだけだった。




