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1.1 純白の滝壺へ

「うわああああああああああっ!?」


複雑多岐な次元空間の挟間挟間に、サクヤコの街の風景が断片的に映る。私は、混乱もしないし、走馬灯に耽りもしない。

ただ、頭が痛いだけだ!!


「シンクロなんてだいっきらいだーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」



ここは、特命丸に精神を隔離されてやってきた、電脳シンクロ空間。

真っ白な空間の底へ向かって、夥しい数の写真や映像が滝のように落下していく。

その水流に紛れて落下している一匹の妖狐が、私・サニーロだ。



「きょうはいつもよりながすぎるよっ!・・・あああああ、あたまいたぁいっ!!」


シンクロは異常なまでに精神力を必要とする。少しでも「もうしにたい・・・」などといえば、すぐに滝壺の闇まで引きずり込まれてしまう。


「もうしにたい・・・」


普通に言っちゃってるケドね。


「ああもう、ダイスケめ!なんでにんげんはわたしたちをはたらかせるのさ!」

※私の頭脳レベルは2歳児です

「なんでなんだよっ!・・・そっか。にんげんはすべてをしはいする、だもんね」

文句タラタラながら、従うしかないもの。逆らったら即、この世からおさらばだし。

しはいしゃ=にんげん

にんげん>じゅうげん>しょくげん ・・・みんなが認める図式だ。


「んなわけあるかぁっ!!みとめないよっ!」


人間の前では絶対に見せられない自分が、ここぞとばかりに騒いでいる。

ストレスが溜まるのもわかるよ、うん。素直なフリをするのも大変なんだよね。いつもはかわいい女のコを演じてるワケだけど、まあーーー大変大変。口調でしょ、口癖でしょ、イントネーションでしょ、まあ基本的に口の問題だけど、とにかく自律って難しい。


「あたまいたい!うにゃああああああああああああああああああっ!!!!」


にゃんにゃん鳴いてる私ですが、猫ではありません。妖狐です。ここすっごく重要。猫は人間に媚びて生き残る獣だけれど(誤解)、対して妖狐は「さりげなぁく」人間を利用する獣。自分から進んで媚びたりはしない、誇り高き存在として生きているのだ。


「ああもう・・・・・・

!?!? す、すかーとが! み、みないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!」


・・・誇り高き獣のはずなのにぃぃぃぃぃぃぃ!!




心持ち大きめのセーラー服を着こなした少女は、オレンジの(フォックステール)と初々しいスカート、それに甘酸っぱい黄色のしっぽをなびかせながら、純白のナイアガラを落下していった。


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