森散策
「え?えぇ?!ルシウス様?!!」
「ん?何?」
「頬に…しました?」
くっつくルシウス様の肩を押し離れようとするが全然離れてくれない。何で?!距離感やっぱりおかしいって!!!
「リディアが可愛いからいけないんだよ。」
「私のせいではないです!そして近すぎます!」
「もっと私で頭がいっぱいになって欲しい。」
「もうルシウス様の事で思考が満杯ですよ!もうすぐ壊れて爆発します!」
そうなの?嬉しいって一応離してくれる。もうこの人嫌だー。今までと違いすぎる。どう対処したらいいのか全くわからない。長年アレンに片思いをしていた恋愛初心者には難しすぎるよー!
「あと少しで着くよ。楽しみだね。リディアとならどんな場所でも楽しいけど。」
「過大評価過ぎませんか?」
「学生時代もリディアが居るだけで全て楽しかったよ。大好きなんだ。」
「ルシウス様いつもと違いすぎます…恥ずかしいです。」
「正直浮かれてるね。長年好きだったリディアが側にいるんだか。夢みたいだよ。」
そっと手を繋ぎ手の甲に口付けが落とされる。ね?て微笑むルシウス様は破壊力が凄すぎる。何故今までこの男前が見えてなかったのか不思議なくらいだわ…。
「向こうに綺麗な所があるんだ。」
「はい。楽しみです。」
馬車を降り向かうが手が繋がれたままだ。このまま行くのかな。嬉しそうなルシウス様に離して欲しいとは言いづらい。意外と手おっきい。細身だし中性的に見えるが、たくましく鍛えられた感じがある。
「…リディアあまり見られると恥ずかしいんだけど。」
「今まであまり気にして見てなかったけど、ルシウス様って男の人なんだなって。」
「そうだよ。只々リディアを好きな男だよ。少しは意識し出した?」
「…うん。」
「嬉しい。早く私を好きになってね。あ、着いたよ。」
「…綺麗。」
色とりどりの花が咲き誇り幻想的な世界。侍女の方たちがピクニックセットを用意してくれて一緒に座る。
「ルシウス様連れてきてくれてありがとう。凄く綺麗。」
「いいえ。また連れてきてあげる。リディアと行きたい場所がいっぱいあるんだ。一緒に色々行こうね。」
「ありがとうございます。昨日から一緒に居てくれて本当に感謝してます。1人だったらツラくて今日ずっと泣いていたかも。」
「今好感度をあげようと必死なだけだから気にしないで。リディアは私をいくらでも利用したらいいんだよ。」
「ふふっ。ルシウス様は私を好き過ぎない?」
大好きなんだよって優しく微笑まれる。そっと肩を抱かれ、え?と思った瞬間寝かされる。膝枕されてる?
「目が腫れてる。少し寝た方がいいよ。」
緊張して眠れるわけないよ!ブランケットをかけてくれ、ポンポンと幼い子を寝かしつけるようにしてくれる。暖かい陽射しとルシウス様の手が落ち着くな。
「ん…眩しい…」
「ん?あ、起きた?」
「へ?」
「よく眠ってたよ。可愛い寝顔だった。」
あ!膝枕してもらってたんだった!寝れないと思ったのになぐっすり眠っていたよう。ルシウス様はそっと髪を撫でてくれる。
「ずっと撫でてくれたのですか?」
「うん。リディアが可愛くて。眠れた?」
「はい!頭がすっきりしました!」
ありがとうございますとお礼を言いながら起き上がる。どのくらい寝てたのだろうか。昨日寝れなかった分凄く寝た気がする。クリアになった頭でルシウス様を見ると、とてもキラキラして見える。王子様恐ろしい。数多くの令嬢がときめくのがわかる気がする。
「ご飯食べる?トマトの入ったサンドイッチ好きだよね。リディアが好きなフルーツも用意してもらってるよ。」
「え?私の好きなもの知ってるんですか?」
「あ…」
しまったと言う顔をして口元を手で押さえている。少し目をそらすルシウス様は可愛らしい。
「気持ち悪いよね?…ごめん。」
「あはは!どれだけ私が好きなんですか。知っていてくれて嬉しいです。これからルシウス様の好きなもの色々教えてくださいね。」
「ありがとう。本当夢みたい。」
美味しそうなお弁当をいただく。私の好きな物が沢山入っていて、彼からの愛情を感じてしまった。
「私ルシウス様の事を前向きに考えたいと思っているの。まだ時間かかるかも知れないけど、少し待ってくれますか?」
「もちろん。6年待ったんだ。あと少しくらい全然待てるよ。その間も全力で口説くし、いっぱい甘やかしてあげるね。」
「もう充分です…」
笑い合ってお腹いっぱいになった後は散策をした。帰りは我が家まで送ってくれ、また明日ねって帰って行った。
「リディアちゃん楽しかった?殿下は優しくしてくれたの?」
「…楽しかったです。優しすぎて大変。」
「まぁぁ!良かったわね。またお出かけするの?新しいお洋服買わないとね!」
「可愛いのお願いします。」
普段あまり服を買いたがらない私の返事に、お母様は満足そうに頷き去って行った。あんなに素敵な方に好きだと言われて、嫌な気になる人なんていないよ。
「リディア様おかえりなさい。楽しかったみたいですね。顔がイキイキしてます。」
「ミナただいま。凄く楽しかったわ。」
「良かったですね。」
散策中もずっと手を繋いでくれて、愛情のこもった瞳で見つめられるたびにドキドキしてしまった。もう会いたいと思ってしまう私は、凄く簡単な人間なのかも知れない。また一緒にお出かけしたいな。




