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超越お姉さんに愛を伝えたい。  作者: 鳥木野 望


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15話 初遠征

「うおっ!」

宿に戻り、扉を開けると入り口に巨大な茶色の壁が出来ていて顔をぶつけてしまった。

「んあ?ああ、悪い。」

壁から声が聞こえゆっくりと壁が動き、気が付いた。壁かと思ったのは入り口で立ち止まっていた禿頭の巨漢の男だったのだ。見上げるほど大きなその大男は決して太っていて大きいわけでは無く、筋骨隆々とした体躯をしていて、一見してただ物ではない雰囲気、もとい恐らく冒険者関係の人だと分かった。

「ああ、おかえり。お客さん悪いね、その男はここの店主だよ。今墓参りから帰ってきたみたいだけど、ほら、どけよ父さん、お客さんの邪魔だろ」

どうやらこの壁のような大男は店番をしていたあのぶっきらぼうな女性の父で店主らしい。娘にせっつかれ少し申し訳なさそうな表情でのそのそとカウンターまで進んだ。

「申し訳ない。まさか今の時期にお客様がいるとは、私はこのセレーニ宿の店主のセリーニ・ファングです。そこの受付している娘のリーネの父です。お客様はいつからご滞在でしたか?」

大男はかなり丁寧な所作をしていて、失礼だが娘のリーネとは見た目も性格も全くと言っていいほど似ていなかった。

「僕は一昨日からここに泊っています。イアルージュといいます。」

「そうですか、宿でご不便は無かったですか?毎年の事ではありますは、少し娘は荒い性格をしているので」

「はい、特に問題なく過ごせています。リーネさんも話し方は多少驚きましたが、説明は丁寧ですし不満は無いです。」

ぼくがそう話すとファングと名乗った大男はとても和やかな表情になり、安堵しているのが分かった。

「じゃあ、あたしはこれで、そのお客さん以外宿泊してないから、特に引き継ぎも報告もないし後は父さんよろしく。」

そう話すと軽やかな身のこなしでカウンターを飛び超えて、リーネが歩き出す。

「まて、お前はまた行く気か?何度も言っているだろうくだらない意地は張らず引退しろと、お前には冒険者は向いていないんだ、リーネ」

ファングが肩を掴み止めると、リーネは振り返り凄く恐ろしい顔で捲し立てる。

「ふざけんな!あたしは絶対に万死の頂上を超えて必ず挑戦者になる!邪魔すんなよ、クソ爺!」

「いや、お前は絶対に挑戦者にはなれない」

彼女は巨漢のファングにほぼ密着するようなほど睨みを付けていて今にも本当の親子喧嘩が始まりそうな雰囲気に見ているこちらはヒヤヒヤするが、当の父親のファングは堂に入ってい居るのか、それとも単に娘の反抗期に慣れているのか分からないが、かなりの余裕を見せていた。「ああ?父さんあたしの力知ってるだろ、それに大人しくこうして店番までしただろ!」

「だから何度も言っているだろ力じゃない。いい加減仲間見つけろ。確かに挑戦者の中には人外のような化け物揃いだが、少なくともそれは試練の地を克服したのが前例になっている。現在いる挑戦者は皆、冒険者時代は仲間と共に遠征を繰り返し試練や影の試練それぞれ乗り越え徐々に才能を開花していったんだ!ただ一人で潜り続けて結果を出せていないお前に挑戦者なんて夢のまた夢だ。」

親子喧嘩で話の内容もどんどんプライベートな内容になり深刻そうだ、僕は流石にこの場から離れるべきだと思いゆっくりと立ち去ろうとしたが、ファングに見つかり呼び止められた。

「イアルージュ君、少し不躾な質問だが、この時期に君の年齢でこの宿に泊まってい居るってもしかして、新人冒険者か?」

背中に冷や汗が流れるのを感じた。気のせいかもしれないが、なんだか嫌な流れが出来たように思う、見るとリーネも苦い表情になり口を出そうかとタイミングを見計らっている。しかし嘘はバレるし、本当の事を言うしかない。僕は意を決して、口を開く。

「はい、今日丁度、冒険者試験に合格しました。」

僕がそう言うとファングの目が光り前のめりに見つめてくる。

「やはりそうか!合格おめでとう、若き冒険者君、それで初遠征はもう決まっているのかな?やはりフォーニンだろう?」

「はい、まだ日程は決めてないですが、フォーニンの森へ行くつもりです」

僕がそう言うとすごく嬉しそうな表情になりファングが肩を優しく叩いてきた。

「そうか!なあ、もし良かったら、君の初遠征にうちの娘とパーティーを組んでくれないか?初遠征だと多分開拓拠点から浅域くらいまでしか行かないと思うが、それでもベテランのウチの娘がついていた方が安全だし、悪い話じゃないと思う」

やはり、そんな話になると思っていた。特別嫌がることではないが、僕は戦い方は少し特殊だし、出身も祝福も多くが話せない事ばかりで、そういった部分を隠すことにはそれなりに気を使ってしまうし、多くの場合は仲間を組んで行動するうちに僕に対して不信感を持つようになり、長続きはしないような、そんな気がしていた。僕はやんわりと断りの意を伝えようとすると、その前にリーネが口を開いた。

「おい、父さん止めろよ、あたしは人に気を使って遠征なんかできねーって、一人が性に合っているんだ、それにあたしは今回の遠征では深域を目指すんだよ。」

「今回もしも、パーティーを組んで冒険をするのなら、今後一年の活動支援をしよう、必要ならば俺の所有している遺物を譲ってやってもいい。」

「え?それってホント?」

遺物の譲渡で揺れたリーネ。しかし随分と理解できない、今回限り僕とパーティーを組むだけこのファングはリーネの考え方が変わり仲間を集うようになるとでも思っているのだろうか?それはほぼ無いだろう、僕みたいな足手まといの初心者と組んでも彼女が仲間の素晴らしさに気づくとは思えない、そんな低い可能性、一縷の望みに遺物や資産を譲渡するなど、僕には到底理解できないが、これは父親のファングとしては心配の種の解消、娘の安全の為なのだろう、

僕はふと存在しない僕の両親を夢想する、どんな人物だったのだろうか、僕の記憶が曖昧という点を除いても一切両親に関する記憶が無い、それに僕の育ての親のヤツ爺は僕に両親は居ないと言っていた、それは両親と呼べるような人間は居ないという言外の意図ではないだろう、ヤツ爺はそういう迂遠な言い方や意図を隠すような話し方をすることは無い、つまり本当に僕には両親は居ないのだ。

「もしリーネさんがよければ、僕も初めての遠征で少し不安なので一緒に行けたら嬉しいです。それに仲間を探そうにもこの時期には冒険者が町に居ないらしくて困っていたところです」

僕は決断した、都合上冒険は一人で行いたかったけれど、ファングの父親としての心配に心を動かされたのだ。

話しは纏まった、僕たちは三日後に遠征に旅立つことになった。その間の宿代はファングさんが無料にしてくれた、僕は冒険に必要な道具を一式揃えたり、馬車の手配をしたり、少しの王都観光をしたりしながら過ごし、当日の早朝リーネと宿のフロントで待ち合わせた。

「おはようございます、リーネさん。よろしくお願いします。」

二階の部屋から降りてくると既にそこには白いシャツにホットパンツ姿のリーネが立っていた、毛量の多い金髪は後ろで一つ結びにしており、今まで宿屋の制服の給仕服スタイルだった彼女の姿とは打って変わって、年頃の派手な遊びをしてそうな女性のような雰囲気になっていた。そういえばこれは昨日夕食時に話して驚いたことなのだが、冒険者というのは一般のイメージするように常に防具や武具を装着しているわけでは無いようで、大抵は遠征先の開拓地の一番手前にある開拓拠点地という小さな町に着いてから装備を着て冒険に挑むそうだ、今回の遠征でも装備類は馬車の荷台に乗せられるということが知れたので、私服で行くことが出来る。最初こそ迷っていたが、結果的に先輩冒険者にこうしてやってみないと知らない事をいろいろ教えてもらえることはとても貴重でありがたい機会だった。もしも知らなかったら、装備を付けて数時間の馬車に揺られなければ行けなかったかもしれない、そんなことでは着いても体力消費した状態になっていただろう。

「それじゃあ、行くよ。忘れ物無いか?」

「はい、大丈夫です。昨日のうちに荷物は良く確認して纏めてありますから。」

「本当か?歯ブラシは持ったか?それから着替えや向こうでの食費とかも・・・」

リーネは大きな手持ちバッグを持っており、比較的小さめで荷物も少ない僕を心配そうに見ていた。この数日間で実感していたが、粗雑な言動とは反して彼女は思いやりがあり、意外と面倒見がいい人だった。

「はい、全て揃えてあります。」

「それなら、良かった。それじゃあ行くぞ、東門に馬車が来ているはずだ」

僕達は馬車に乗り込み、数時間仮眠を取りながら揺られていた。途中、目を覚ましたタイミングでリーネが話しかけてきた。

「ところでイアはどうして冒険者になったんだ?」

「はい、僕は挑戦者になりたいんですよ、生れが辺境の田舎の村出身だったので、ずっと憧れていたんです、冒険物語や未知の領域に、もちろんお金や名声にも興味はあります。幸い試練が早くに与えられ無事、祝福も冒険者向けの物だったので」

嘘は嫌いだ、昔からこうして嘘を付こうとすると心臓がバクバクと脈打ち堪らなくなる。

「へえ?凄いな、あたしもイアと同じくらいの年代には冒険者を目指していたけど、結局なるのに二年はかかったよ。挑戦者か、あたしも目指しているけどよ、異形討伐勲章は持っているけど、まだ遠征勲章は持ってねーから、中々過酷な道だぜ」

そうだ、挑戦者になるには勲章を三つ集めて、それから資格試験の試練の地と呼ばれる迷宮をクリアしなければならい。討伐の勲章は異形討伐数が千体でもらえ、遠征勲章は遠征回数勲章と踏破勲章があり、それぞれ遠征回数が五十回、別々の開拓地での深域踏破回数が五回以上で貰える。かなりの難関な条件である。それに加えて試練の地と呼ばれる迷宮は開拓地に居るような異形の怪物とは一線を画した、化け物が跋扈している。これらの理由もあって挑戦者の数は凄く少なく、一説によると現時点では十人も居ないくらいの数だと言われている。しかし、過酷な道でも僕は進む、マワリちゃんがどこにいるか分からないけれど、“早く追いかけてきてね”彼女の伝えた言葉には重みがある。きっとそこいら辺に居ることは無いだろう、僕が探してやっとたどり着いた場所にこそマワリちゃんの姿を見つけられる筈、そんな気がしている。

そのまま、少しリーネとの雑談をしていたら、やがて馬車が止まり、目的地に着いた。深い木々の生い茂る大地フォーニンの森、謎の力により木々の再生力と増殖力は異常で年々森の範囲を広げている、土は灰色の土壌となっていて奥へ入るほど木々は密集し隆起した根のせいで足元が悪くなっていく。ここは腐り木人の異形と猿人の異形と死人の異形が確認されている。森の入り口前には数件の建物が立ち並んでいて、これが開拓拠点となっていて、冒険者たちはここで基本的に寝食を取ることが出来る。

「よし、まずは宿を取るぞ、昼飯食べたら初の開拓に向かうから覚悟しとけよ?」

僕達は宿を取った。宿はかなり質素な造りで、古い建物に狭い部屋だったが、野宿よりはマシだし、その分宿代もかなり安かったので個人的には不満は無かった。

食事を食堂でとり、一度別れて着替える、僕の用意した装備は胸当て、膝当て、グローブだ。それぞれ中古ショップで安価の物を選び買ったので、少し格好は悪いけれど仕方ない。今回の遠征で数体でも異形が倒せればまとまったお金は入るのでそれまでの我慢だ。僕が開拓拠点の出口でリーネを待っていると、遠くから完全武装となったリーネが近づいてきた、細身の銀色の鎧を着用していて、腰には黒い金属で出来た巨大な鎚が下げられている。これじゃあ当たり前だけれど、装備に差がありすぎて、一緒に行動を共にするとなんだか、ズルをしている気になってくる。

「うん?イア、おまえ、武器はそれか?いくらなんでもなまくら過ぎないか?あたしは刃物には詳しくないけどよ、素人目から見ても切れなそうな剣だな」

僕の腰に下げられた大量生産された樽売りの剣よりも更にチープな造りの剣を見てリーネが心配そうにしている。実際の所、これも中古品で、しかも手入れすらされていないジャンク品だ。けれど僕は問題を感じていなかった。なぜならこれから向かう領域は浅域と言って、比較的安全な場所での異形狩りだからだ、出てくる異形も腐った木人という種類のみで、この異形は二メートルほどの背丈の灰色の木の魔物だ、枝を鞭のようにしならせて攻撃してくるが、知能が低く、がむしゃらな攻撃なので当たることはまずない。

「大丈夫です、僕の祝福は身体能力向上させますので、この剣でも十分に戦えます。それに正直言って金が無いので仕方なかったのです。」

「そうか、まあ油断するなよ、いくら浅域とは言え、ミスをすれば致命的な攻撃を食らうこともある。今回はあたしがいるけどよ、ちゃんとして行けよ?」

僕は頷くと、リーネが先導し、森の中に入っていく。森の中はジメジメとしていて薄暗く、灰色の土壌は踏むとフカフカとした感触があり、まるで苔を踏んでいる様な表しがたい気持ち悪さを感じた。歩いている間にも他の冒険者たちの姿を見つけていて、皆な装備は僕より上等だけれど、恐らく雰囲気や年齢から、同じ初心者の冒険者だというのが分かった、僕達は冒険者が居ない方向へと進み、浅域の端の少し開けた場所まで来た、周囲にはどこにも冒険者の姿は見えなくなっていた。

「さて、ここら辺なら競合せずゆっくり狩りが出来そうだ。丁度、この辺りは異形の出没頻度も少なくて、初めてにはぴったりだ。イアいつでも戦えるようにしておけ、立ち止まって三十秒ほど経った、そろそろ“出るぞ”」

リーネが鎚を構えると、前方の木が揺れ動き始めた、根が持ち上がり、枝がしなり、ゆっくりとこちらに近づいてくる。僕は素早く剣を抜き構える。

「これが、腐れ木人の異形か、あの枝に当たったら痛そうですね」

僕がそう言うと、リーネが一歩下がり言う。

「よし、見守ってやるから頑張れよ、当たったら今の装備だと骨折くらいはするから気を付けろ」

剣を構える、枯れている気には枝はあれど、葉は無い、二メートル弱の背丈て根を蠢かせながら、徐々に前に来ている、丁度、僕との距離が50メートルほどの距離に来た時に、木人がゆっくりと倒れ掛かるような動きをしてきた、僕はそれと同時に横に飛びのくと、ビシィッ!と鋭い音が横を通り過ぎて行った。僕の居た場所の地面が鋭くえぐれている、冷や汗が背に伝う、予備動作を事前に頭に叩き込んでいたからこそ、無事に避けられたけれど、これはもし見てから避けようとしても、不可能だろう、鞭のような攻撃、これは文字通りの意味であると自覚した、優れた鞭使いが音を置き去りにして音速の一撃を繰り出すのと同じようなものだ。

態勢を整えて剣を強く握ると、ゆっくりと木人の巨体が起き上がり再びこちらに倒れこむような動作を見せてきた。僕は先ほどよりも落ち着いて確実に追撃を避け、そのまま前に押し出て剣を叩きつけるように攻撃をした。祝福により強化された膂力により木人は吹き飛ぶが、再び起き上がってくる、やはり武器が悪すぎる、本来ならば先ほどの一撃で切り倒すことが出来ただろう、これじゃあ、ほとんど打撃武器のようだ。僕はもう一度同じことを繰り返し、今度はよろめいた敵に突きを放ち無理やり剣先を突き立て、そのまま力ずくで切り裂いた。動かなくなった木片はやがて灰色の土に飲み込まれ消えていた。

「おつかれ、やるじゃねーか。ちゃんと勉強してたな、これなら一体ずつなら安定して狩れるだろうな」

「ありがとうございます、少し最初は驚いて攻撃できなかったですが、何とかなりました。」

僕は荒れた息を整えて一度、しゃがみ込むと手足が痺れを感じ多少の眩暈に見舞われ、自分が緊張していたことに気づいた。

「次は私が狩るから、交代しながら狩っていこう。ただあまり気を抜くなよ、複数体出没したら協力して討伐するからな」

そう言って鎚を器用に振り回し準備運動をしているリーネはとてもエネルギッシュで戦闘が好きなのが見て取れた。そうして待っていると数分後、先ほどのよりも一回り大きいサイズの木人が姿を現した。リーネの行動は早かった、現れたと同時に敵の前に飛び出し、身体を限界まで捻り遠心力を加えた一撃を横振りで繰り出し、木人を粉々にしていた。

「凄まじいですね」

僕はつい感嘆の声を漏らしていた。木人の弱点と言えば知能の低さと攻撃が大振りで隙が大きいという部分だが、リーネはそんな弱点すら関係ないそもそも戦う前に屠っていた。あまりにも早い行動と思い切りのいい判断は流石ベテランの冒険者だ。

「まあな、浅域の異形くらいならよゆーだ。」

僕達はそのまま狩りを続けた、それぞれ五体ずつ、合計で十体の異形を討伐したころだった。それまで数分おきに現れていた異形が全く現れなくなっていた、既に三十分ほど待っているが現れず、僕達は一度宿に戻ることにした。

「まあ、最後の方の戦闘は凄く効率的で動きも文句なしだったし、イアの初日にしては良い成果だったんじゃねーか?」

度数の高い蒸留酒を一気に飲み干してから、リーネが息を吐きだした。僕たちは宿に戻った後に、水浴びをして、そのまま食堂に来ていた。

「はい、ありがとうございます。」

僕はステーキに噛み付き頬張り、麦酒を飲み干した。どこかで食べたことのある味だけれど、初めての冒険を終えた今日は特別な味に感じた。豪快に食事を頬張る僕を見てリーネが不思議そうに口を開いた。

「なんだかお前って変だな。見た目はまだガキっぽいのに喋り方は胃もたれするほど丁寧だし、戦い方も安定していて、あのナマクラ装備で異形倒すのも尋常ではない、それで見てみると今は無邪気に肉に食いついているし。お堅そうに見えるのにさっきから酒を滝のように飲んでいるし、何者なんだ?お前。」

そのように深く分析されると、少し恥ずかしい気持ちになる。実際、僕は身体こそ少年と青年の間くらいの見た目だけれど、僕は定期的に記憶がリセットされているから、年齢自体はどれほどのものか分からない。こうして酒もステーキも美味しく感じているけれど、心のどこかでは食べ物に対する執着が既に枯れている様な気がしてならない。

「何者と言われても、世界の端にある田舎出身の一般人ですよ。」

「ふーん、てかさ、敬語止めていいよ。あたしあんまり気を使われるのも、使うのも嫌いだからさ、年齢とか立場とかもくだらねーだろ?」

「分かりました、直ぐには無理ですが徐々に崩していくように心掛けますね」

「ああ、まああくまで提案だよ、別に無理に買える必要もねーしな、さてまだ早い時間だが、今日はもうお開きにするぞ、明日からの予定だけど、基本的に早朝の方が同業が少なくて、狩りやすいから、朝早く出るぞ。」

僕は頷き立ち上がる。


お読みいただきありがとうございます。

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