羅刹羅闍(困惑)
魔王の...名の知らない感情
古代インドに語り継がれる叙事詩【ラーマーヤナ】、ヴィシュヌ神の化身【ラーマ王子】の愛する【シーター妃】を奪還するために耗発した羅刹羅闍【魔王ラーヴァナ】との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生【椎谷・蘭華】がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
分からない...
余が今感じているこの感情をどう名を付ければ良いか分からない。
この気持ちは...なんだ。
しかし、確かに思い出したのはあの声だった。
その声が聞こえたあのスマホという小さな箱をとにかく奪還せねばと...それを手に持っている男を捕まえようとした。
そう...その声を聞いた瞬間、頭にかかった靄の一部が突然ハッキリと記憶が蘇った。
その声は余の弟...の声だったんだ。
もしかしたらその箱に閉じ込められたという可能性を真っ先に考えた結果、余の身体が勝手に動き出した。
しかし、その動きは失敗で終わった。
どうやら本人は別の場所に幽閉されて、その声が記録されたものだけだったらしい。
今の時代の人間の魔術...いや、技術だ。
不覚...
その後、愛する我が君に言われて、仕方なくその者を解放した。
今思えば...その者からは余の嫌いな匂いを感じたんだが...妙に違う匂いも混ざっている。
そして、その者が何かを要求したことが雰囲気から感じて、同じ部屋にいる女があるものをその者に渡した。
それは後で余の心臓の破片だと分かった。
なぜその女が持っていたのか...それはまず後で聞くとして、それを受け取ったその者が去って行った。
ここで悔しそうな顔をしたあの猿がなんだか笑みを浮かべて、別のスマホの箱を取り出した。
その箱の表面に映し出されたのはさっき聞こえた声だけではなく、姿までハッキリと確認できた。
その刹那...余は確信した。
本人...だった...
余はこの者を知っている...
ハクキなんてそんな名前じゃない。
...ヴィブ
それは何千年ぶりの再会なんだろう...
否...再会と呼ぶには違ったな...
その姿をこの目で見たのはいつぶりなんだ。
お主は私の傍から離れた...あのとき以来か...
あのときとはそんなに変わらなかったな...
もし今の余と対面すれば、余は何という言葉をかければ良いのだ。
すまない...とは違う...
久しいな...とも違う...
生きていたのか?とはお互い様だ...
どうしても伝えたい言葉があるにもかかわらず、どの言葉にすれば良いか分からない...
それは余が名を付けられない感情...その理由だった。
ずっとその気持ちを抱えたまま、余の弟が映し出された表面を見つめた。
現代の言葉で何かを説明している様子が分かるが、詳細はよく分からなかった。
そう言えば、その者が現れるまでに愛する我が君が伝えてくれた話にはミコと呼ばれた不思議な力を持つ女性...つまり神の力を授かったカンナギが恋愛感情を抱いてはいけない人間の男と一緒に遠くまで逃げ出したな。
禁断の愛...か...
その話...余の過去にも重なったというのがただの偶然なのか...それとも...
その話の途中でその者が現れて、今は余の弟の話が大事だと分かった。
それでも気になる...
そこで突然、余の弟はある紙に書いてある文字を余に見せるようその表面を余の方に向けられた。
余はただ...それを読み上げただけだった。
「ブーミの血筋を継ぐ者のみこの封印を解く許し与えれり」
それを読み終わった余は余の最期だと思っていた瞬間とこの時代で目覚めてから最初の記憶を思い出した。
余は...あの矢で...
そして、また出逢った...愛する我が君。
二つの記憶が噛み合った...さらにカンナギの話...
その刹那...ある仮説が確信に変わろうとしている。
一方...ある確信が疑問に変わろうとしている。
...!?
まさか...
そんなことは...
そんなはずない!
断じて!
余の勘違いでいてくれ!!
その方がずっと余にとっては何の罰よりもまだ良かったのだ!!!
余の弟の話も...今感じているこの感情も...
余が段々と正気が保てなくなってくる...
どうすれば良いのか分からないまま顔の表に出ないこの感情を平静に装ったまま...まずはそのカンナギの物語を最後まで聞くことにした。
例えその物語を聞き終わったとき、余のこの気持ちに名が付けられて、その正体が知ったとしても...
そう思って、隣で必死に余にも分かるように余の言語で話してくれる愛する我が君を見つめながら...
愛...する?...我が...君?
今回の感想↓
3週間ぶりの更新になります。
お待たせしてすみません。
本当にいろいろあって、正直今は万全なのかと聞かれると、万全じゃありませんが、今週こそなんとか更新しないと、連載が途切れちゃいそうなので...そういう気持ちで書いています。
楽しみに読んでいただければ...と思います。
久々に登場した魔王と呼ばれた巨漢の心の中のモノローグです。
同じ場所でも彼の視点から見たもの...そして、彼が言葉にしていない考えと思いをここで暴露します。
その感情は彼がどう名を付ければ良いか分からないまま...逆に作者はタイトルにしました。
ハクキ...つまり魔王の弟であるヴィビーシャナの声と姿で魔王の中が揺らぎ初めて...さらにその文字を読み上げた瞬間に全ての感情が...困るも戸惑いも喜びも驚嘆も一瞬混ざり合って、こんなのってあり得ない!と否定しようとした一方...真相が分かってきた気持ちの全てが魔王を困惑させた。
(ちなみにランカちゃんが聞き取れた部分とは違って...こっちの方は全文です。)
今まで迷っても立ち直れる彼にとっては根本から崩れ始めました。
このような感じで描写したくて、書いてみましたが...いかがでしょうか?
もう次回にはあれが来ますね...そう!あれ!
あれですよ...(どれだ?)
一体あれは...なんだ?
そ、れ、は...
もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!
乞うご期待!
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改めて最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!
二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。
だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!
これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。
今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。
また、お陰様で...この作品は35000PVに達成しました!!!
本当にありがとうございます!
この作品を描き始めてあと少しで4年が経ちます。
それでもまだ読んでくれている読者がいる限り、やめるつもりがありません。
(もしかしたら、別の作品を書くこともあるかもしれませんが...並行にしたいです)
このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~
https://ncode.syosetu.com/n6239hm/
現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。




