最終話 おもらしとオムツとオネショ
「それでは部長……おやすみなさいませ、失礼致します」
通話を終えると村尾は会社で聞いた事の無い様な色気のある吐息を漏らした。
細い指先はてらてらと濡れ光り、
下着には大きな染み
お尻の下には匂い立つ水たまりが出来ていた。
村尾はあの日以来こうやって部長と電話をしながらオシッコを漏らしながら気持ちよくなるのが日課となっていた。
電話口でこんなに興奮するのならば、実際目の前でしたらどうなるのだろう。
そんな事を村尾は考えながら再び指先は気持ちよくなるために動き始める。
(……明日、してみよう)
しかし、そんな変態行為ををしているのは村尾だけじゃなかった。
佐藤もそんな変態の一人であった。
(あと少し、あと少しで編集が終わるっす……っ)
そう自分に言い聞かせデスクの下で足をもじもじとさせていた。
佐藤はオシッコを我慢していた。
(ここは……こうして……と)
佐藤はあの日以来オシッコを我慢するのが好きになっていた。
(あと我慢した方が何でも気持ちがいいんすよね)
マウスが踊る様に動き、キーボードのショートカットキーが叩かれる。
(それを、こうやって……)
「よし、終わったっす!」
ヘッドホンを外してひと息。
いやふた息、み息。
つまり、はぁはぁと息を荒くしていた。
(もう……お漏らししちゃってもいっすよね?)
誰ともなくそんな事を心に呟く。
そんなとんでもない事を。
(オムツの中に……)
そう、佐藤はオムツにハマっていたのだ。
あの日オムツにオシッコを漏らしてからだ。
我慢していた力をふっと抜く。
目の前のディスプレイしか見えない佐藤の呆けた顔。
ちょろちょろとオシッコがオムツの中に漏れ出す。
「お、佐藤終わったか」
真後ろから部長の声が聞こえ振り返る。
「ぶ、部長!?……ちょ、ダメ!」
「ダ、ダメ?」
漏れ出したオシッコはあの日みたいに止まらない。
「ちょ、ちょっと待ってくださいっす、編集ミス思い出したんで、出来たら言うっす!!」
「お、おう、わかった」
(ぶ、部長の前で、また漏らしちゃってるっす、漏らしちゃってるっす……!)
再び自分のPCのディスプレイを誰にも見せない様に向き直り目をつむる。
(ヤバ、これ、イッっちゃうっす、オムツにオシッコ漏らしてイッっちゃうっすっ!)
なんとか痙攣を抑えるものの、テーブルにはヨダレが垂れていた。
(や、やっぱ部長の前だと全然気持ち良さが違うっす)
佐藤は握るマウスに力を入れて快感で身体を震えるのを懸命押さえていた。
(もう決めたっす、今夜部長を誘うっす! そしてこの前みたいに……っ)
しかし、そんなふたりの決心も叶わず社長の一言で本日の業務は終了した。
部長と二階堂の二人以外は。
「あーセンパイ、悪いが退いてもらえないかな、これじゃ帰れないんだが?」
二人が帰ったのを見計らうと二階堂は椅子に座る部長の片膝の上に跨る様に座っていた。
カジュアルなフレアスカートが少しめくれあがりふとももが見えていた。
身体は部長の方を向いており、少し顔を近づけばキスが出来そうな距離だ。
「知っているか? 今事務所には私と君、ふたりきりだ」
「あぁ、センパイがふたり帰してしまったからな」
「今なら、何をしても大丈夫だぞ?」
「何をするんだ、何を」
一瞬どきりする部長だが、そんな心情はおくびにも出さない。
「今まで黙っていたんだが……最近オネショをするようになってしまったのだ」
「……な!?」
顔を真っ赤にしてまでの恥ずかしい告白に流石の部長も同様した。
「それだけじゃない、お、お漏らしもするようになってしまったのだ」
「お、おい、俺をからかっているのか?」
「今日はなんとかおもらししない様に頑張ったんだが、実は軽くチビってしまってな……」
膝の上に座られた時に感じたうっすらと湿った感触。
まさか、と思っていたのだがそれは二階堂の言葉で確信した。
この湿った感触はオシッコで濡れた感覚なのだ。
「……君が黙っている時は大抵…………ふふっやはりな」
嬉しそうに視線を向ける部長のソレはズボンをはちきれそうになっていた。
「また、暴発しても構わないぞ?」
二階堂が部長の耳に囁く。
「す、するわけないだろう」
「本当か? ここで私がこのままここでオシッコを漏らしてもか?」
「お、おい、そんな事したらいいわけが出来なくなるぞ?」
「誰に言い訳をするんだ? ここには私と君だけだぞ?」
「――いいえ私もいますよ社長」
「――村尾ちゃん、私達っすよ」
突然の声に二階堂は部長の膝の上から慌てて飛び降りた。
「か、帰ったんじゃなかったのか」
二階堂は膝に乗ったまま振り返れば無表情の村尾と目が笑っていない佐藤が立っていた。
「部長、社長とずいぶんと仲がよろしいのですね」
「あー、こ、これはだな」
部長が気まずそうに眼を泳がしていると二階堂は腕を組んで鼻を鳴らして胸を張った。
「当たり前だ、なにせこちらは学生時代からの付き合いだからな」
しかし、そんな態度の二階堂に村尾は薄く笑みを浮かべた。
「そうですか、では社長も、私と同じく部長と毎日電話えっちしてるのですか?」
「……おい、なんだそれ初耳だぞ?」
二階堂がギギギと顔を部長に向けた。
「い、言うことじゃないからな」
「なので社長、部長とはそういう関係なのでよろしいですか?」
「わ、私だって、その暴発させた事あるんだからな!」
「お、おいセ、社長! その話は言うなって言っただろ!?」
恥ずかしい記憶をあっさりとばらして珍しく部長が顔を赤くしていた。
「暴発ですか? それって何回ですか?」
「そ、それは、い、一回だが……」
「私は六回電話えっちしてますが?六回気持ちよくなっていますが?」
「む、村尾君、それもあまり公言する事では……」
「そ、そんなに!? いや、回数じゃないぞ!私はベッドの上でだからな!」
二階堂はよくわからない自慢をし始めた。
「その通りっす回数じゃないないっすよ、あたしも一回だけっすから」
「さ、佐藤君、ま、待て、その話は……!!」
「お、おい……佐藤一回ってなんだ?」
「それは……っすね」
佐藤は二階堂と村尾を通り過ぎると有無を言わさずデスクチェアに座る部長の腰の上に足を広げて跨ったのだ。
突然の行動に二人は茫然と眺める
「こんな感じで部長の上に乗ったんすよ……今みたいにオムツをつけてっす……!そして二人で……!」
長めのスカートをたくし上げればオシッコで膨れたオムツが濃密な匂いをさせてあらわになった。
「き、君はオムツも好きだったのか!?」
「部長、オムツが好きでしたら、言ってくれれば、私はいつでも付けましたのに……!」
「だ、だめっすよ……!オ、オムツは、あ、あたしだけ……」
「お、おい……っ!佐藤!どさくさに紛れて、何動いているんだ!?」
「そ、それなら部長こんなのはどうですか?」
村尾は部長の右手を掴むとスカート中に入れたのだ。
「な――!!村尾?!ずるいぞ!? 私だって!?」
慌てて二階堂は部長の左手を同じく自分のスカートの中に持って行った。
それぞれが人には見せされない行為をしていた。
「ぶ、部長、あたし……オムツにまたおもらししちゃいそうっす……っ!」
「わ、私も部長!出ます、オシッコでます!」
「ふえぇ、みんなの前漏らしちゃう、オシッコでちゃうぅ!」
おもらし系アダルトビデオの企画制作しているうちにおもらし好きになった村尾。
我慢出来なくなってオムツにおもらしした日からオムツ好きになった佐藤。
部長が興奮してくれた事が嬉しくして夜尿症になった二階堂。
その中心となる部長を筆頭に株式会社フィリアがおもらし専門のメーカーになったのはまた別のお話。
今まで読んで頂きありがとうございました!