レイ・アミティエス
少し前に、1週間に1話投稿するって前書きに書きましたけど、3日に1話にします。
前にも言いましたけど、投稿できない日もあるかもしれないのでご了承願います。
ようやく拠点についた。あのチャラ男三人組のせいで余計時間かかったな。
「まずはこの拠点で参加登録をしないといけないんだったな」
「そういうのは一番大きくて目立つ建物に入ればいいのよ」
って事で、拠点内で一番目立っている建物を目指す。大きな建物もそうだし、周りの家もそうなんだが、丸太で出来ている。こういうのってログハウスっていうんだっけか。無人島によく合っている家だな。
大きな建物に辿り着き、中に入ると、なかなか広いロビーに人が沢山並んでいる。これは時間掛かりそうか?と思っていると見知った顔があった。まぁ、ついさっき喋ってたんだが。
メティスやミカさんも気付いたのだが、話しかけに行くのを迷っているのか、動こうとしない。まぁついさっきの今だからな。
どうするかと悩んでいると――
「残念だったなレイ!ソロで参加しろよw」
「惨めだなレイw女に騙されて今どんな気持ち?w」
なんだなんだ?トラブルか?と俺達は耳を傾ける。
「すまんなレイw俺達はパーティはもう六人でお前の空きねぇからww」
「ごめんね、レイ?この人達がレアアイテムくれるって言うから騙しちゃった」
「今度はちゃんとパーティ組むから許してね?」
「本当にごめんね?」
うわー、嫌な場面を見ちまったな。というかあの男三人は陰湿極まりないな。周りに人がいるのに敢えてこの場所でやるなんてな。
「なんか言ったらどうなんだ?レイw」
「唖然として何も言えないかな?w」
「なぁーんだ!レアアイテムを貰えるから俺様を騙してたのか!裏を返せば俺様に惨めな思いをさせるには、かわいこちゃん達に貢がないといけないわけだ!こういう事でしかスポットライトを浴びれない陰の者達がやりそうな手口だわぁ!」
「な、なんだと⋯!」
「よかったじゃないのぉ、かわいこちゃん達!俺様はかわいこちゃん達が笑顔ならそれでいいんだよ」
「どうせ強がってるだけだろ?w」
「だなw内心はくそ腹立ってるんだろなw」
「逆にその強がりが惨めに見えるんだけどなw」
「俺様が騙されたぐらいで腹を立ててる?んなのありえねぇなぁ!俺様が一声掛ければかわいこちゃん達は俺様と遊んでくれるさ」
まぁあの超絶イケメンだからな。それを分かっているのか、陰湿男達は苦虫を噛み潰したような顔をしている
「ちっ⋯!」
「よかったじゃねぇの!俺様に惨めな思いをさせたかったんだろ?大成功じゃねぇか!」
そう言ってレイはログハウスの出入り口に向かって歩き出す。
「さぁてと、騙されて惨めな俺様はお邪魔虫なわけだから退散するとしますかぁー。⋯⋯あぁそうだ、一つ忠告しておくぞ?そのかわいこちゃん達を泣かせるような真似をしてみろ。俺様が許さねぇぜ?」
そう言って外に出るレイ。
「やっぱレイは格好いいわね!」
「レアアイテムよりレイ様にいけばよかったかな?」
「ほんと紳士よね!」
「おいお前ら⋯!」
「分かっているわよ!それより貴方達こそレアアイテム忘れないでよね!」
「わ、分かってる⋯!」
レイは色んな女をナンパしてるチャラい男かと思っていたが、本当に女性を大切にしているんだな。そこは素直に好感が持てるな。そんな事を思っていると
「あ、あの!レイさんを追いかけませんか?」
「ミカさん?」
「その⋯なんていうか⋯可哀想だなと思ってしまいまして⋯⋯」
「ほっとけばいいんじゃないの?よく女性をナンパしてトラブル作っているから罰が当たったのよ」
「で、でも⋯あの人はやっぱり根が優しい人だと思うんですよ」
ミカさんが真剣に訴えてくる。
「追いかけるのはいいとして、その後はどうするんだ?」
「そうなのよ!慰めて、はいそれで終わりなら逆に話しかけてほしくないと思うのよ」
「わかっています!なので⋯今回のイベントをする仲間としてレイさんを誘ってみませんか?」
ミカさんが意を決して、とんでもない提案をしてきた。
「ちょっ、ちょっと待て!本当にいいのか!?」
「そうなのよ!あの下品男なのよ!?」
「確かに言動はアレですけど、そのなんて言ったらいいのか⋯⋯レイさんは私と似ている気がするんです」
レイがミカさんと似てる?
「す、すまんミカさん。今の言葉、一言も理解出来なかった」
「どう似てるのよ!一ミリも似てないのよ!」
「え、えとですね!その⋯レイさんの言動や性格はすごく軽い感じなんですけど、でもそれが本当のレイさんじゃなくて、無理して取り繕ってるような⋯」
「蟻ちゃんはあの性格も言動も無理してやってるといいたいの?」
「はい。私の過去と同じで、まるで別の誰かを演じているような気がするんです⋯」
「別の誰かを演じるか⋯」
「でも私とレイさんには違う所があります」
「それはどこなの?」
「私は周りから孤立しないために本当の私を隠し、偽りの自分を演じていたのですが、レイさんは孤立を恐れてないというか⋯一人に慣れてると言ったらいいでしょうか?」
「それ本当なの?あのナンパ男の事だから、どうせフレンドリストも女性で埋まっているのよ」
ミカさんには悪いがめちゃくちゃ想像できてしまう。
「俺もメティスの言う通りじゃないかなと思う。だからパーティに誘うのは――」
「でしたら賭けをしませんか?」
「賭け?」
「はい!もし私が賭けに勝てばレイさんをパーティに入れる。私が負けたらパーティに入れない。どうでしょうか?」
「いやどうでしょうかって言われてもなぁ」
そう言って俺はメティスの顔を見る。
「いいのよ!その賭けに乗ってあげるのよ!」
「おいメティス、本当にいいのか?」
「蟻ちゃんがここまで言うのよ?直感的には蟻ちゃんが一番鼻が効くし、乗ってみていいのよ」
まぁ確かにメティスや俺は物事を考えて、話したり行動するタイプだな。
メティスの加入時もミカさんの直感に助けられたとこもあるし。天才を理解するなんて無理だと思ってたが、ミカさんは「時間が掛かっても理解する!」だからな。
それにミカさんが虫のこと以外でここまで強く言うのは初めてか?なら信じてみるのもありか。
「わかったよ。それで?ミカさん。賭けの内容は?」
「はい!こういうのはどうでしょう?」
そう言って、賭けの内容をミカさんから聞き、俺達はレイを追いかける。
⋯⋯⋯
⋯⋯
⋯
レイはどこに行ったかな?拠点内にはいなさそうだなと俺達は拠点外へ探しに行く。
拠点近くの砂浜を探していると、海を見ながら一人で立っているレイを見つける。
俺達が近付いて声を掛けようとすると、レイの独り言が聞こえてきた。
「⋯⋯かわいこちゃん達に騙されるなんて俺様かわいそ〜。また今回もイベントは一人かぁ。まぁ、俺様は一人でも平気なんだけどな」
絶対強がってるだろこいつ。だが、また今回も一人か。レイはずっと一人だったのかな。そんな姿を見てメティスが
「俺様は――」
「なにうじうじしてんのよ!」
「んおっ!?お前等はルー君にプリティー天使ちゃんズ!?」
「なんだ?プリティー天使ちゃんズって」
「んー?メティス様とミカちゃん二人を呼ぶ時の名前みたいなもんだ」
「はずかしいからやめるのよ!」
「そ、それよりレイさん!さっき、パーティに入れてもらえなかったんですよね」
「⋯あぁー、格好悪いとこ見られちまってたか」
「なんであのバカ女にも言い返さなかったのよ。男も陰湿だけど、あの女達も酷いじゃないのよ!」
メティス、最初はレイのことを下品男と言ってたが、レイの言葉に自分を重ねたのかな?メティスも俺達と出会う前は、イベントはずっと一人だったらしいからな。
「いいんだよぉ、そんなことは。女性を傷付けるぐらいなら俺様は騙されてたほうがいいのよ」
「馬鹿みたいなのよ。そんなの、君の優しさにまた付け込んで騙すのよ?体よく利用されるだけなのよ。それを分からないほど馬鹿じゃないのよね?」
「メティス様の言葉、手厳しいぃ〜」
「レイさんは本当は優しくて、少し前の私に似てると思うんです」
「俺様がミカちゃんと?ないない!ミカちゃんは清らかで純粋な乙女で、俺様は色んな女性をあの手この手でナンパする心の汚い大人だぜぇ?」
「私にはまるで本当の自分ではない自分を演じてるみたいに見えるんです」
「⋯⋯へぇー。よぉ〜く見てるじゃないの!俺様はリアルではコミュ症で自信のないヘタレ男なのよぉ。でもこのAWFなら自分じゃない自分を演じられるだろぉ?俺様はこのゲーム内で、俺様に見合うかわいこちゃんを探しているのさ!」
これがもし本当の話だったらレイとの関係を持つのは遠慮したいが、正直本当か嘘か分からん。まぁ今回はメティスとミカさんに任せて、俺は黙って見てるか。
「ふぅーん⋯まぁそういう事にしといてあげるのよ」
「んなっ⋯俺様の言葉を一ミリも信じてねぇな?メティス様⋯。俺様ショック。⋯⋯で?俺様のとこに来たのは、それだけを言うために来たんじゃないんだろぉ?」
「はい!その⋯もしよければ、私達のパーティに入りませんか?一緒に今回のイベントをしませんか?」
あれ賭けの話は?⋯⋯いや、今はいいか。ここで賭けの話とか出しても、空気壊すだけだし、俺は黙って見とくって決めたしな。
それにミカさんも真剣なんだろう。賭けの話よりも先にパーティに誘うなんてミカさんらしいし、どうやらメティスもレイを放っておけないみたいだからな。
「⋯⋯ぶっ、だぁーはっはっは!パーティに入れてもらえなかった俺様が可哀想で、ほっとけなくてパーティに入れたいってかぁ?おいおい、俺様は世間では嫌われ者だぜぇ?そんな冗談を言うからつい笑っちまったぜ!」
そう言いながらレイは俺達みんなの顔を見る。そしてその言葉が冗談じゃないことを理解する。
「⋯⋯おいおい、どんだけお人好しなんだ?俺様にはその優しさが眩しいぜぇ」
「それで!どうなんですか?」
「⋯かわいこちゃんからのお誘いはありがたいが、わりぃな。俺様は一人でいいさ」
「どうしてでしょうか?」
「さっきも言ったが、俺様はこのゲーム内では嫌われ者だぜ?俺様がいると必ずトラブルになる。そんな奴と一緒にパーティにいてみろ。変な噂がたっちまうだろ?」
ん?おかしな話だな。このレイって男は、女性に対しては真摯というか嘘をつかないと思うのだが、じゃあなぜ――
「なぜさっきの女性パーティとは組もうとしたんだ?変な噂が立つなら尚更断るはずだろ?」
つい言葉を挟んでしまったな。だが疑問なんだよ。
「⋯チッ。ルー君よぉー、変なとこで鋭いねぇー」
「おい茶化すな」
「⋯ったく、騙されていると知っていたからだ」
「騙されていると分かっていたのに、騙されたのか?」
「さっきも言ったろ?俺様はかわいこちゃん達を悲しませたくなかっただけなのよ」
この男はどこまで女性に対して本気なのだろう。逆に好感持てるな。
「レイさんと組むことで悪評が広まるから、私達とは組まないということですか?」
「まぁそういう事だな。その悪評でかわいこちゃん達は嫌な思いをするだろ?それに俺様は元から一人の方が、なにかと都合がいいのよ」
「ならパーティを組んでください!」
「いやだからな?俺様と組んだら悪評が――」
「私達は悪評なんて気にしません!むしろ組んでくれない方が私は悲しみます⋯」
「さっき自分で言ってたのよ?かわいこちゃんを悲しませたくないからわざと騙されたと。ならこの蟻ちゃんにとって、悪評よりもパーティになってくれない事の方が悲しいみたいなのよ?」
「はぁっ!?いやどういう理屈をしたらそんな発想になるんだよ!ルー君も黙ってないでこのプリティー天使ちゃんズになんか言ってやってくれないか?」
「そうだなー⋯。ミカさんは考えるよりも直感を信じるタイプだから、多分言ってることは本気だぞ」
「いやそうじゃなくてだな⋯⋯」
「どうするの?蟻ちゃんを悲しませたままでいいの?」
なんかこっちが脅してるみたいだな。
「⋯⋯わぁったよ!男に二言はねぇ。今回のイベント、俺様がパーティになってやるよ!泥船に乗ったつもりでいな!」
「沈むじゃねぇか」
「本当ですか!ありがとうございます!では、早速フレンド登録しましょう!」
「んー?フレンド登録?そんなの必要かね?悪いが俺様は一期一会を楽しみてぇのよ」
「えっ?じゃあフレンド0人ってことですか?」
「0って事はボッチって事なのよ」
「まじか⋯」
「お、おぃ!そんな悲しい目で俺様を見るんじゃねぇ!俺様は敢えてボッチをつらぬいてんのよぉ!」
その言葉を聞いて、俺達はお互いの顔を見合って笑い出す。
「な、なんだなんだ気色の悪い」
「ルヴァンシュさん、メティスちゃん!賭けは私の勝ちですね!」
「負けたよ」
「認めるしかないのよ」
「お、おぃー、どういう事だ?」
ミカさんはレイに賭けの内容を話しだした。もしレイのフレンドリストに女がいたらパーティに誘わない、いなかったらパーティに誘うっていう賭けをしていた事。
「⋯それ俺様が目の前にいるのに言うか?俺様凄いショックなんだが」
「レイさん、本当にごめんなさい!ただ、私はレイさんを信じていました!」
「レイを追いかけてパーティを誘おうって言い出したのミカさんだからな」
「ミカちゃん!オレ様を追いかけてくれるなんて⋯!俺様に惚れちゃったのかなぁ?」
「いえ!ありえないです!」
「んなっ⋯そんなどストレートに言わなくても。俺様傷付いちゃうよ?」
「傷付いても下品ナルシストはタフそうなのよ」
「げひっ!?メティス様は黙っていれば小さくて可愛いろ――あだっ!?」
「私はこう見えて大人なのよ!」
メティスが俺の肩からジャンプしてレイに飛び蹴りをかました。メティスに小さいはご法度だからなー。
「ルー君、俺様本当に歓迎されてる?」
「しているさ。これからもよろしくな」
「試されたというか、賭けにされてた事は気に食わないが、俺様このパーティにルー君がいて本当に良かったぜぇー!」
「おい抱きつくな」
「なに男二人でイチャついてんのよ」
「ルー君と俺様の友情を育んでいるのさ。一緒に育てていこうぜぇ?ルー君よぉ!」
「気持ち悪い言い回しするんじゃねぇよ!ほら、さっさとイベントの参加登録しに行くぞ」
「今度こそですね!」
「全力で楽しむのよ!」
そう言って俺達はまた拠点に向かう。三人は気付いてなかったが、レイだけはまだ海を見つめて
「これもなにかの縁なのかねぇ⋯。まっ、なるようになるかぁ⋯」
「おーい、レイ!早く来いよぉ!」
「おまえらー!新しく加わった俺様を置いていくんじゃねー!」
「ご、ごめんなさい!」
「蟻ちゃん、謝らなくていいのよ!この下品ナルシスト⋯長いのよ!ゲヒナルが勝手に置いてかれただけなのよ」
「また俺様の名前が!ルー君、やっぱ俺様の扱い酷くなぁい?」
「そうか?日頃の行いのせいじゃないか?」
「ルー君よぉ!そんなことを言うんじゃねぇよ。俺様寂しいじゃねぇか」
「悪かったからくっつくなって!」
そんな感じで、終始賑やかで拠点へ向かう。さて、この四人ならどんなイベントになるか楽しみだな。
先に言っときますが、ミカさん順序逆だろって思うかもしれません。先に賭けに勝ってから勧誘だろって。でもミカさんならこう言うだろうなと思ったから、先に勧誘しました。
読んでいただきありがとうございますm(_ _)m




