↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
62/77

クラン結成


ジルベルトさんと別れたあと、俺達も馬車を降りる。


「しかし、ほんと大きい首都だな」


「魔王国の首都だから魔族が多いのかと思ったけど、人族もそれなりにいるのよ」


「本当ですね!首都ノルジストみたいですね!」


魔王国は人族も受け入れているからだろう。ただやはり魔王国なので、魔族の方がパッと見た感じ多いな。


「さて、まずはクラン結成の為に冒険者ギルドにいこうか」


「はい!」


冒険者ギルドは街の中心街にある。中心街は主要施設が揃っていて、商業ギルドなんかも中心街にある。


街自体が大きいから、冒険者ギルドまで行くのに一苦労だけど、街の風景なんかを見てるだけで飽きない。


「いろんな種族がいますねー」


「そうだな」


自分と同じ種族の人がいたり、樹木人族とか妖精族、さらには豚頭(オーク)族とかもいる。


魔物のオークと豚頭族の違いは、魔物の方は体がでっぷりとしているが、豚頭族はシュッとしている。嫌悪感のないように作られているので、小鬼(ゴブリン)族とかも嫌悪感がない。魔物のゴブリンはもっと醜悪である。


いろんな種族を見ながら冒険者ギルドを目指していると、あっという間に着いた。


さて、冒険者ギルドの受付でクラン結成の手続きを行う。


「クラン設立のために5000万シルをお払いください」


「5000万シル!?」


「た、高いですね⋯」


「まぁ仕方ないのよ」


「なんでそんなに高いんだ?」


「5000万といっても、保証金になります。もし解散するならお金は返却します。ただし、悪い事をすると全て没収になります」


「なるほど」


「それから、なぜこれだけ高いかは、クラン費用は基本的に仲間と分割して払うのが一般的です。あまり低いと初心者のクランを乱立させかねないので高く設定されています」


そういう理由があったのか。まぁ確かに、このゲームって100万ぐらい稼ぐのはそこまで難しいことじゃない。1000万なら、10人で100万ずつ出し合えば簡単に設立できてしまう。


クランにもレベルが存在する。初期の最大人数は20人だが、レベルが上がるごとに所属できる人数も増えていく。最大レベルの25になれば、500人まで所属可能だ。


ということで、俺とメティスが2000万ずつ。ミカさんが1000万払う事にした。


ミカさんは、「私ももっと払います!」とか言ってたけど、あまりお金を持ってないだろうと判断したからだ。


風の草原のダンジョンで少しは稼いだと思うが、ほぼ毎日ペットに、一つ20万シルの最高級ペットフードをあげている。しかもアイビーちゃんも増えたから、出費がかなり増えただろう。


それでも1000万払うと言ったのは、俺達だけに払わせるなんてミカさんの性格なら絶対に納得しないと思ったからだ。


「確かにお預かりいたしました。次にクラン名を決めてください。クラン名は一度決めると変更できません」


「あーそれ考えるの忘れてたな」


「どういう名前がいいのでしょうか?」


「まぁ普通でいいんじゃないか?」


「ルヴァンシュさんと愉快な仲間たちとかどうでしょう?」


「却下だ!俺が恥ずかしいよ。⋯⋯そうだなー、ワールド・シーとかどう?」


「却下よ!ダサいのよ!世界をみる?英語にすれば何でも格好いいと思ってるんじゃないの?」


俺的には格好いいし、クランの目標?みたいなのもハッキリしていいと思ったのだが、どうやらダサいらしい。


俺はチラッとミカさんの顔も見たんだけど、どうやら苦笑いしているだけだった。フォローすらできないネーミングセンスってことか?


「じゃあメティスはなんか良い名前はあるのか?」


「そうねー⋯⋯リヤン・ヒューレンってどうなのよ?」


「なんかオシャレな名前ですね!」


「りやん・ひゅーれん?それってどういう意味?」


「内緒なのよ」


「へぇー、内緒って意味なのか」


「違うのよ!意味は教えないって事なのよ!」


「いやなんでだよ」


「そ、それは⋯何でもなのよ!」


なんか言いたくなさそうだ。後でこっそり調べておこうかな。


「でも変な意味じゃないんだろ?」


「当然なのよ!私達にぴったりな名前だと思うのよ!」


「では、リヤン・ヒューレンという名前でよろしいですか?」


その受付の言葉に俺達は頷いた。クラン、リヤン・ヒューレンが結成された。さて、今度は


「クランハウスを購入したいのだが、どうすればいい?」


「クランハウスですね。では、こちらをお持ちください」


そう言って渡されたのは、ビー玉みたいなものだった。


「これは?」


「これはクランハウスの宝珠というものです。空いているクランハウスがあると、この宝珠がそこまでの道のりを教えてくれます」


「教えてくれる?どういう感じで教えてくれるんだ?」


「それは説明するより、実際に見たほうが良いですよ」


そう言いながらニコニコで話す受付さん。これは何かあるな。とりあえずアイテムストレージに入れとこ。


「またこの宝珠は、世(・)界(・)共(・)通(・)で他の国でも使用する事ができます」


「へぇー、それはすごい」


「クランハウスの中を見たければ、入り口で宝珠にお願いしてみると、中に入れてくれます」


宝珠にお願い?クランハウスの玄関で、中を見させてくださいとお願いすればいいってことか?なんか独特なシステムだな。


「もしそのクランハウスが気に入れば、家の中にある宝珠の台座に納めれば、そこはあなた方のクランハウスになります」


「あ、あの、クランハウスに住むのに条件、例えばお金とか必要ないのですか?」


ミカさんがそう問いかける。クラン結成にお金を大分使ったからな。クランハウスにまたお金を使うってなったら心配にもなるか。


「条件は特に何もないです。気に入ったクランハウスがあればお好きに使ってくれて大丈夫です」


「違うクランハウスに引っ越ししたい場合はどうすればいいのよ」


「その場合は、クランハウスの宝珠を台座から外していただくと、何時でも退去できます。ただ宝珠を取り外した際、クランハウス内にある素材や、クランハウスに追加で置いた家具等は全て消えてしまいますので、退去する場合は必要な物を確認したうえで、宝珠を取り外す事をお勧めします」


なるほど。つまり引っ越す時は、クランハウス内に置いた家具や素材を全部回収してから宝珠を外さないと、本当に消えてしまうってことか。もし引っ越すなら気をつけないとな。


「他に質問はありますか?」


俺はメティスとミカさんの顔を見る。


「私は大丈夫です!」


「私もなのよ」


「気になる質問はもうありません」


「では最後に一つだけご注意です。クランハウスの宝珠を何かの事故で破損、または紛失してしまった場合はすぐに冒険者ギルドにお越しください。必ずそのまま放置してはいけません」


冒険者ギルドならクランハウスの宝珠を修復したり、探し出したり出来るってことなのかな。


「分かりました」


じゃあ早速クランハウスを見つけに行こうか。俺達は冒険者ギルドを出て、首都ヌヴェルヘルトを探索する。


探索している中で、メティスは浮かない顔で黙っている。ちなみに俺の肩に乗っている。それに気づいたミカさんが声をかける。


「メティスちゃん、どうしたんですか?」


「いや、さっきの受付の話がどうも腑に落ちないのよ」


「腑に落ちないとは?」


「クランハウスを借りるのにお金が一切掛からないのは不自然なのよ。毎月お金を徴収すれば冒険者ギルドにも利益があるのに、それもしないのよ。クランハウス自体も国が土地を用意した物だと思うけど、国からも特に条件がないのよ」


確かにそう考えれば少し不自然か。普通に考えればクランハウスにお金が掛からない、嬉しいで終わる話なのだが、メティスの考えを聞けば何か裏があるように思えるな。


「私もクランハウスにまたお金がかかるのかなと心配しましたけど、特に必要なくてびっくりしました!」


「まぁ確かにクランハウスを無料提供なんてなー」


そう言いながらクランハウスの宝珠をアイテムストレージから出す。するとクランハウスの宝珠が突然光り出し、形を変えていく。そして――手のひらサイズの妖精に変化した。


「おぉ!?なんだこれ!」


「可愛らしい妖精さんですね!」


「宝珠が妖精になったのよ⋯」


「もしかして、クランハウスの場所を教えてくれるってこの娘が?」


「確か受付さんが、宝珠がクランハウスまでの道を教えてくれるって言ってましたね。どう教えてくれるかは実際に見た方がいいって言ってましたけど、こういう事だったんですね!」


確かにこれは粋な計らいというか、妖精が案内人なんてファンタジーだなぁ。これはテンションが上がるな。


俺の手のひらに乗っていた妖精は、背中の小さな羽をゆっくり動かし、メティスの肩に座る。


「何でそこに座るのよ!」


「凄く可愛らしい絵面ですよメティスちゃん!」


「まぁそう怒るなメティス。メティスも俺の肩に座っているだろ?」


「私はいいのよ!」


「お世話?が必要なのか分からないけど、メティスに懐いているみたいだし任せる!」


「なんで――」


と不服を申し立てようとしたが、肩の妖精に目をやると、涙目の上目遣いでメティスを見ている。


「⋯⋯はぁ。分かったのよ。世話が必要ならしてあげるのよ。もし私ではどうしようもなくなったら、二人共助けるのよ」


「分かった」


「分かりました!」


「――♪」


妖精も嬉しそうだな。じゃあ気を取り直して、クランハウス探しといきますか!





読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。