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リィンカーネーションクエスト  作者: シュガーロック
クエスト5 再起(集の大陸・シュティリ島編)
61/106

クエスト5-9 新たな段階

 




 真っ暗な空間。






 女神ニヴァリスと出会った時のような、危機に陥った度に見たあの胸糞悪い夢の中のような、何も見えない空間。




 その中に、俺はいた。





 閉じたはずの眼は開き、正座して折り畳まれていたはずの足は伸び、地面を踏みしめる。




 夢の中のような、どこかふわふわした感覚はいつしか消え失せていたが、それがかえって怖い。






 目の前にはなにかぼんやりしたものが映っている。







 あれは何だ。










 この空間は、風穴の洞窟の時やファフニールの時に見た光景を思い出して、どうも身構えてしまう。


 あのモヤモヤ、相澤になったりしねぇだろうな……?






 そんなことを考えていると、もやもやは変化する。




 相澤かと身構えたが、形成される体格は男のものであり、相澤ではなかった。



 ぼんやりした何かは徐々に人型になっていき、その姿をはっきりとさせていく。






 この体格……この髪型……この目つき……





 …………俺だ。








 目の前に、俺がいる。







 目の前にいるもう1人の俺は、カルネリアの時の格好をしている。

 赤く光る目と、右腕にある勇者の剣が変化した腕輪が黒く禍々しいものに変化している以外は気持ち悪いほど俺そっくりだが、纏う雰囲気は明らかに人間のそれではない。



「よお、もう1人の俺」

「……」



 自然と剣の柄に手が伸びていたのは、防衛本能が働いた故だろう。



「おいおい、身構えるこたぁねぇだろう。俺はお前、お前は俺だ。仲良くしようぜぇ?」

「俺……いや、シンヤ・ハギは1人で十分だ」

「そうカッカすんなよ。手駒を失って焦る気持ちは分かるが、クールに行こうぜ?」

「……手駒、だと?」

「ああ、そうさ。トルカとフィンは勇者たるこの俺が直々に救ってやった。ピスは勇者の手助けを女神に命じられた存在だ。手駒呼ばずに、何と呼ぶ?」



 そんなものは決まっている!



「仲間だ! 補い合い、助け合い、高め合う存在だ! 俺はたくさん皆に助けてもらった、次は俺が皆を助ける番だ!」

「仲間? ハッ、子供だなぁもう1人の俺よ。俺は勇者としてわざわざ異世界に来て、世界を()()()()()()()()のだ。あの2人も同様に、勇者たるこの俺自らがわざわざ()()()()()()手駒の一部に過ぎない」

「そんな道理が通ってたまるか!」

「道理? 世界の道理は俺そのもの。俺こそが道理だ。気に入らないのなら、俺を倒してみせろ!」



 目の前の俺は、右腕を高く掲げる。

 右腕に嵌った黒い腕輪は液状化して肥大化し、目の前の俺を覆うように変化する。

 巨大なスライムと化した黒い腕輪はやがて剣と盾、そして鎧へと変化し、目の前の俺は今まで見たことの無い禍々しい装備に身を固めた。

 ステータスに3桁の数字が1つもない俺の真似をしているくせに、強敵を前にするかのような緊迫感が全身を伝う。

 だが、ここで退いてはいられない。



「上等だ、やってやるよ!」



 俺も剣を抜き、構える。

 剣と盾の重みと、頰を伝う汗の感触が妙に生々しく感じられた。




 直後、目の前の俺の立つ場所を中心に、半径20m程の青白い魔法陣が地面に現れ、12個の炎が時計のように等間隔に灯る。



「わざわざお前が倒れるにふさわしい舞台を用意してやったぞ、ありがたく思え」

「言ってろ。その減らず口、叩き潰してやる!」

「ふん。ラストグリード・エターナル!」


 俺が駆け出すと同時に、奴は持っていた剣を地面に突き刺す。

 剣には何重もの魔法陣が展開され、地面いからは黄金色の人間の女性の形をし、それぞれ異なる武器を持ったなにかが現れる。


「俺が手を下すまでもない。行け! 我が手駒よ!」



 その声と共に、黄金の人形が次々と向かってくる。



「戦隊モノの怪人みたいな真似を……!」




 弓に持ち替えて距離を置きつつ、一体一体狙撃していく。

 幸いにも耐久力は大したことはなく、落ち着いて狙えば1発で処理できる。


 だが……



「キリが無いな……」



 倒しても倒しても次が来る。

 もう1人の俺は地面に剣を刺したまま動かないので奇襲を仕掛ける気は無いらしいが、このままでは奴が動くまでもなくジリ貧で負ける。

 集団相手の接近戦は風穴の洞窟の事を思い出して嫌な感じだが、やるしかねぇか……!





 武器を剣に持ち替え、黄金の人形の軍勢に真っ向から突っ込み、斬る。



 剣の一振りで倒せるし、ゴブリンと違って的が大きいから当てやすい。



「そこをどけっ!」





 1体。




 5体。




 10体。





 20体。




 何度も剣を振るって襲い来る黄金の人形を蹴散らし、もう1人の俺を目指して走る。




 これは憶測だが、あの剣が地面から離れれば黄金の人形の出現は止まるはず。

 それを狙うなら、剣を振らざるを得ない状況を作り出す他無い。


 狙撃を試みるという手もあるが、ここからでは黄金の人形に阻まれて届かない。



 ならば、一直線に駆けるのみ!




「せりゃぁ!」




 そうはさせまいと迫る黄金の人形を、斬って斬って斬りまくる。


 姿形や武器は色々あるが、陣形も連携も無い、おまけに1発斬れば倒れるおかげでまるで相手にならない、もはやただいるだけの存在。



 これならゴブリンの方が余程強かったな!







「隙あり!」



 黄金の人形を蹴散らし、もう1人の俺に向けて矢を放つ。



「小癪な!」



 もう1人の俺は、剣を抜いて矢を斬り払う。

 よし、出現が止まった!




「ファルコンソード!」



 続け様にファルコンソードを呼び出して構える。



「バショウセン!」



 薙ぎ払うようにしてファルコンソードを振り、バショウセンで背後に迫る黄金の人形達を吹っ飛ばす。

 薙ぎ払うだけだから集中して狙い澄ます必要は無い。



「プッシュ・ウィンド!」




 続け様にファルコンソードを居合のように構え、プッシュ・ウィンドで一気に距離を詰める。



「そらぁ!」



 ファルコンソードを送還して振り下ろした鉄の剣を、もう1人の俺は黒い盾で受ける。


 直後、黒い盾に刻まれた赤いラインが光る。

 まずい、何か来る……!




「かかったな、ラース・ファング!」



 俺の足が地面に着いた直後、奴の盾から巨大なドラゴンの頭部が現れ、俺を食いちぎろうと迫る。


 それを左にステップして回避し、体勢を立て直す。

 真横でドラゴンの口が閉じる音と風圧に、もしもの事を考えて鳥肌が立った。




「チッ、逃したか。エターナル……」

「させるか!」



 弓矢で妨害し、奴に肉薄するべく走る。



「自分で武器を振るって戦ってみろ!」

「強い力に頼るのは当然の摂理だ、グラトニー・バイト!」



 奴の掲げた剣がオレンジ色に光り、振り下ろすと同時に真空波が地を走る。


 それを紙一重で回避しつつ、剣を振り下ろす。





 俺の攻撃を奴は剣で受け止め、鍔迫り合いになる。

 あえて片手で仕掛け、開いた手を地面にかざし……



「ほう、中々やるじゃねぇか」

「ガイアエッジ!」





 ガイアエッジを呼び出す。





「何っ!?」



 轟音を立ててガイアエッジが地を裂き、もう1人の俺が立っていた場所から勢いよく出現する。



 その勢いは奴の剣を弾き飛ばし、隙を生み出した。



「しまっ……!」

「そらぁ!」



 剣を左から右に振って盾の構えを阻止し、落ちてきたガイアエッジを左手に持って振り下ろす。



「ぐあっ……!」


 ガイアエッジの一閃は黒い鎧を容易く斬り裂き、奴を大きく仰け反らせる。




「エンヴィースロウス……」

「遅い!」


 奴が技を使うより先に鉄の剣を投げつけ、



「ぐあっ!?」

「貰った!」



 両手に持ったガイアエッジの一撃で叩き斬る。




「ば、馬鹿な……」




 渾身の袈裟斬りを浴びたもう1人の俺はふらつき、霧散するようにして消滅する。





「終わった……のか?」



 随分と偉そうだった割には、呆気なく倒されていったな。


「うぉっ!?」



 直後、空間が揺らいでいき、それに乗じて意識も遠のいていく。





 ……………………






 ………………






「自分自身と戦った気分はどうだったかな?」




 気付けば、ジェインツさんの館の魔法陣の上。


 向こうの世界ではさっきまで立っていたのに今は座っているので、違和感がする。



「戦った感想としては、ガイアエッジを使ったからかもしれませんが……攻撃にこぎつければ随分と呆気なかったです。あれ自体を見た感想としては……ああはなりたくない、とだけ言っておきます」


 対面した時は人ならざる雰囲気が気になってそれどころではなかったが、改めて思い出してみるとぶん殴りたくなるようなクソ野郎だったな。自分自身の姿をした、という補正もあるかもしれんが。



「いいかい、君はこの先もっと力をつける。その力は人間の限界を超えるかもしれない。だが忘れるな、力を付ければ付けるほど、背負う責任も大きくなる。間違った時に止めてくれる人は少なくなる。1歩道を踏み外せば、そこからの転落はあっという間だ」

「分かりました、肝に銘じておきます」

「なんだそれは」



 あっ、こっちじゃ慣用句通じないのか……



「心に刻みつけて忘れない……という意味の、俺の世界の言葉です」

「ほーん」



 あ、この人多分適当モード入ったなこれ。



「まあとにかくそういうことだから、頑張れ。んじゃ私は寝る」

「アッハイ」



 椅子に座って動きを止めたジェインツさんに背を向け、外に出た。







 ……………………







 ………………







 昼。




 俺、タンデ、ズッカの3人は、村長に連れられて森の中を進んでいた。


「シンヤ」


 その道中、ズッカが小声で話しかけてくる。


「どうした?」

「今までこんなところ来たことあったっけ?」

「言われてみれば……」



 森の中での修行はある程度場所が決まっているのだが、今日進んでいる道はそのいずれとも違うものであった。



「もしかしたら、これまでの魔物じゃ修業にならない段階に来たのかもな」

「だとしたら、今までよりももっと気を引き締めなきゃいけないね」

「ああ」




 そうしてやって来たのは、かつてタンデと共に何度も訪れたあの川。



「じいちゃん、もしかしてこの川の先に行くのか!?」

「うむ。今のお前さん達3人なら、川向こうでの修行も乗り切れるじゃろう。残りの2ヶ月の実戦修行は、そこで行うぞい」

「でも、どうやって行くのですか?」

「まあ見ておれ。大地よ、我に今一度道を授けたまえ……クラフティング・クレイ!」



 村長が呪文を唱えると、地響きと共に川近くの土がどんどんせり出していき、簡素ながら即席の橋が出来上がる。



「こ……これは……」

「そんなのアリか!?」

「す、すごいや……」



 今まで魔法はいろいろ見てきたが、行けない場所に道を開いた村長の魔法はありそうで無かった代物だ。

 ある意味今までで一番ファンタジーらしい光景じゃなかろうか。

 驚くタンデとズッカを見る辺り、彼らも初めて見るらしい。





「ほれ、行くぞい。そんなに深くはないから大丈夫じゃと思うが、踏み外しには気をつけるんじゃぞ」



 橋とはいっても、例えるなら長い木の板を置いただけのような、正直危なっかしくてあまり渡りたくないもの。

 その上を、俺達は慎重に歩く。



 ……………………







 ………………







 チャナ村の裏手にある森、その川向こう。

 未開の地へと踏み込んだ俺は、周囲を見渡してみる。



 景色に関しては、そこまで変わっているわけではない。若干木々が少なくて見晴らしが良くなっているかな、といった程度だ。


 しかし、漂う雰囲気や魔物の声は大きく異なっている。足音や木の揺れる音も含めて、こちらの方がヤバそうな感じがする。




「む、いかん。身を潜めるのじゃ」



 村長は突如そう言って俺達に隠れるよう指示し、自身も草むらへと身を隠す。



 直後、3体のエミューに似た緑色の魔物が俺達の前を通り過ぎる。

 この森で見る魔物としては初めての中型クラスの魔物だが、この程度なら俺達でも倒せない事はない……と思ったその次の瞬間。



「!!」


 轟音と地響き共に、そのエミューに似た魔物の1匹がかつて村を襲った巨大な魔物、ムウルに捕らえられ、残りの2匹が全速力で逃げる。

 捕らえられた1匹は、ムウルに頭から食べられてしまった。


 エミューに似た魔物を食べ終えると、ムウルはどこかへ去っていく。



「もう大丈夫じゃ」


 村長がそう言って草むらから出ると、俺達も同じようにする。



「よいか、最終的にお前さん達には、さっきのムウルのような魔物と戦える程の力を身に付けてもらうぞ。よいな?」



 村長は俺たちの方に向き直り、そう告げた。



「分かりました」



 何となく、グリフォンの事を思い出した。



 あんな感じの巨大な魔物にも対抗できないと、この先厳しいだろうな。



「!」




 そう物思いに耽っていた直後、ドスンと何かが落ちてくるような音と風圧が森に響く。



「これは……」


 その正体は、ワーテルにいたクローラーによく似た魔物。


 クローラーの色は緑と赤だが、この魔物は紫と黄色と、かなり毒々しい色合いだ。

 よく見ると顎はクローラーよりも大きく発達している気がする。





「見るからに毒持ってます、って感じだね……」

「多分、あの顎には毒がある。体当たりにも気をつけろ」

「へへっ、腕がなるぜ」



 タンデが駆け出し、俺もそれに続く。




 クローラーと行動パターンが同じなら、身体を持ち上げた時に側面にいるように位置取りすれば被弾無しで倒せる。

 誰かが囮になって注意を引きつければ、かなり楽に倒せるはずだ。



「タンデ! ズッカ! 俺が囮になるから攻撃を加えてくれ!」

「任せろ!」「分かった!」



 毒々しいクローラーの前に立ち、矢を放って注意を引く。その間にタンデとズッカが二手に分かれて側面に回り込む。

 クローラーは予想通りこちらに反応を示した。




 弓矢による攻撃は当たりはするものの、あまり効いている様子はなく、平然としている。

 弓矢じゃ奴のぶよぶよした外皮を突破できないか……!





 クローラーは溜めるように顔を上げると、射出するようにして液体を吐き出す。




 反射的にバックステップでかわして元いた場所を見ると、そこには毒々しい色合いの水溜りが出来上がっていた。


 毒液も吐いてくるのか……!




「ダブルスラッシュ!」

「ラピッドスロー!」


 タンデが懐に潜り込み、ズッカは遠距離から攻撃を加えていき、俺も正面から矢で攻撃を加える。



 俺の攻撃は微妙だが、魔力で増強した2人の攻撃は確実に効いている。


 クローラーの機動力よりタンデやズッカの機動力の方が優っているので、ターゲットを変えられそうになっても問題は無い。




 そうして引きつけと攻撃を続け、順調にダメージを与えていったが、クローラーが見覚えの無い挙動を取る。



「へへっ、楽勝だな! マウンテン……」

「タンデ、ズッカ、気をつけろ!」

「えっ?」



 直後、クローラーは全方位に霧状の何かを噴射する。


「うっ……!」

「く、くそっ……!」

「ど、毒だ……!」


 咄嗟に口を覆ったが、間に合ったかは怪しい。

 ズッカは距離を取ってたから大丈夫だろうが、タンデは恐らく直撃だ。



「タンデ! プッシュ・ウィンド!」


 毒の霧を突風で飛ばし、ズッカに合図する。

 頷いて走ったズッカとは逆側に走り、斬りつける。



「こっちだ!」


 迫り来るクローラーの噛みつき攻撃を盾でいなし、頭部に斬撃を加える。


 体当たりは横っ飛びで回避し、とにかくズッカとタンデから意識を外させ、何度も迫り来る大顎をかわし、防ぐ。



 よし、この調子……!



「タンデ、これを……!」

「にっっっっっが!!」

「ちょ、タンデ!?」


 タンデの大声で焦ったが、幸い注意は俺の方に向いていた。


 だが、



「なっ……!」



 俺ではなく俺の装備する盾を狙った噛みつき攻撃によって盾が大顎に捕らえられる。

 力は強く、容易には剝がせない。顎は毒で濡れており、力技で無理矢理外すのは危険だ。



「こいつ……っ」



 眼前のクローラーは、俺から盾を剥がそうと、俺の身体ごと盾を持ち上げる。

 よだれのように滴る毒液、こちらを見据える大小2対の薄緑の目、肉薄する刃のような大顎、獲物を食らおうと蠢く口。ミシミシと音を立てる盾。

 全身から嫌な汗が滲み出る。


 まずいな、今の宙吊り状態で思いっきり叩きつけられたり、盾を砕かれたりでもしたら……!



「ストリーク!」



 直後、タンデの声と共に俺は地面に落ちる。



「シャープエッジ!」




 ズッカがブーメランで追撃を行い、



「そらもう1発! ストリーク!!」



 ズッカが攻撃した箇所をタンデが更に斬りつけ、クローラーは俺がよく知る姿の芋虫のように地面へと伏す。



「や……やったのか……?」

「頭にもう1発くらいやった方がいいんじゃねぇか?」

「そうだな」



 クローラーの脳天を思いっきり剣で突き刺すと、クローラーは沈黙した。



「2人とも、大丈夫か?」

「オレ様はあのくらいどうってことないぜ!」

「毒受けてたのによく言うよ……そうだ、シンヤも一応毒消し使っておいて」

「すまない、助かる」


 若干白っぽい緑色の薬を飲み干す。


 ……にっっっっっっっっが!!






 ……………………





 ………………





「ダブルスラッシュ!」

「ラピッドスロウ!」

「そらぁ!」


 それから新しい修行の地でレベル上げ……もとい実戦訓練を行うこと約6時間。



「ハァ……ハァ……」

「やっと……倒したか……」

「斬っても斬っても生えるなんて聞いてねぇぞ……!」



 さっきまで相手にしていたのはヒドラプラントという植物の魔物。一言で言うなら……凶暴化かつ巨大化したハエトリソウっぽい感じだろうか?


 植物なのでその場を動かないが、高い攻撃力と集中力を乱す甘い香り、そして何よりその驚異的な再生力が厄介だ。


 タンデの言う通り、獲物を食らう口へと進化した8つの葉やそれと中心部を繋ぐ茎をいくら斬り落としても、瞬く間に生えてくる。


 タンデとズッカが再生する茎を斬り落とし続け、緑色の饅頭のような見た目の中心部を俺が剣でひたすら突き刺して、ようやく絶命させるにまで至った。



「さて、今日はこの辺にするぞい。帰ったらまた色々指摘させてもらうぞい」

「「「はーい……」」」




 村長に返事する俺達の声は、揃って疲労にまみれていた。





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