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87 番外編41 母と娘と飴ちゃんと



「うわぁぁぁぁーーん! パパーー!!」


 書類を各所から回収しながら城内を行ったり来たりしていたシリウスの足に、突然アナが泣き叫びながら飛びついてきた。


 油断と衝撃で危うく転倒しかけたシリウスだったが、気合いでどうにか持ち堪える。アナはわんわん泣きながらシリウスの足に顔を押しつけるので、生地がみるみる涙で濡れていき、一部だけ不恰好に色が濃くなるという、どうにもならない惨状だ。


「アナ、どうした。なにがあった?」


 目線を合わせて問いかけると、アナは涙に濡れた悲愴な顔を上げて言った。



「あな、ママ、ころしちゃったのーー!」



「!? …………いや、そんなわけがないだろう?」


 一瞬動揺してしまったが、アナがサフィニアを殺すはずも殺せるはずもないので、そこはどうにか冷静に返しておいた。


 おそらくいつもの言い間違えかなにかだろう。


「よくわからないが……大丈夫だから、落ち着きなさい」


 アナの背中を撫でてあやしていると、めずらしく執事長が取り乱した様子で遅れてやってきた。


「申し訳ありません、さっきまで手を繋いでいたのですが、走り出したアナ様をお止めすることができず……!」


 頭を下げる執事長が片腕で抱えているジェノベーゼも、迷ってからぺこりとしたが、こちらは雰囲気に合わせただけであり、あまり状況はわかっていなさそうな顔をしている。


「……一体、なにがあった? アナ、泣いていたらわからないだろう?」


「ママがぁぁーー!」


「……ママに叱られたのか?」


「ああぁぁぁぁーー!!」


「なぜさらに泣き叫ぶ!?」


「……ママぁぁぁーー!」


 これだけ大泣きしていては話を聞こうとしたところで要領を得る答えは返ってこないだろう。


 周囲からはシリウスが子供を泣かせているようにしか見えないのか、非難がましい視線が痛いので、アナを抱き上げると急いで庭へと移動した。外なら多少騒いでいても室内のように声は響かないだろう。念には念をと礼拝堂まで連れて行く。ここなら人気もなく、いてもエスターくらいなので安心だ。


 アナもよく遊んでいる礼拝堂の前庭ならば少しは気が休まるだろうと、木陰にあるベンチへとひとまず座らせる。教会や礼拝堂や大聖堂といった神に近い場所には、心を鎮める効果があるかもしれないと期待しなかったとは言わないが、少しだけ泣き叫ぶ声が緩んだ気もしなくはない。そう思いたいだけかもしれないが。


「あぁぁぁぁーーっ!!」


 だめだ。全然変わらないどころかますます声量が増している。信仰心が紙ほども薄いのに、神に頼ろうとしたのが間違いだった。むしろ悪化の一途をたどっている。


「大丈夫だ! 大丈夫だから、お願いだからその甲高い声だけはやめてくれ……!」


 アナへと必死に懇願しながら、なぜこんなことにと、執事長を問い詰める。


 わずかに目を伏せた執事長は、一拍置いてから静かに切り出した。


「実は、先ほどサフィニア様が倒れられ――」


「倒れた!?」


 そのシリウスの声に驚き、不安を煽られたのか、さらにアナが激しく泣く。腹から声を出し過ぎてのけぞってしまい、そのままベンチから転げ落ちそうになったので、慌てて膝に乗せると背中をさすることでどうにか宥める。


「それで、サフィニアは大丈夫なのか?」


「すぐに医者を呼んで診てもらい、重篤な病などではないと断言されているので、その点はご安心ください」


 大事に至っていないと知って心の底から安堵した。アナのこの泣き具合から、相当深刻な状態なのかと思ったが、すでに診察を受けて問題ないと診断が下されているのなら幸いだ。それでも心配は心配なのだが、急を要することはないようで、いくらか気持ちが落ち着いた。


「もしかして、その様子をアナも見ていたのか?」


「むしろ、アナ様が叱られていた最中に立ちくらみを起こされ、ソファへと倒れ込まれましたので、一番近くでその様子を見ていたのはアナ様と言えるでしょう」


 アナはなにか悪さをしてサフィニアに叱られていた自覚があっただけに、自分のせいだと思い込んでしまったようだ。そしてそれ故の、ママ殺しちゃった発言なのだろう。


「直後からこの状態で泣かれており、診察の妨げとなってもいけないので、その間は使用人たちと子供部屋にいたのですが…… パパのところに行くと屋敷を抜け出そうとしていたので、いっそこちらへとお連れした方がよいかと。勝手な判断で申し訳ありません」


 確かに勝手に抜け出していなくなられる方が困る。なによりこの状態のアナがいてはサフィニアもおちおち休んではいられないだろう。アナを連れ出した執事長の判断は正しい。


「ママ、しんじゃ、やぁぁーーーーっ!」


「死なない! 休んだらよくなる!」


 目の前でサフィニアが倒れたのがよほどショックで堪えたのだろう。普段から風邪を引くこともなく元気なママしか見たことがないだけに、動揺してしまったことは理解できる。


 もしかすると、本人も気づかない深層心理に、実母が亡くなった経験が無意識の記憶として刻まれていたりするのだろうか。


 物心ついた後から家族になったシリウスとは違い、サフィニアは物心つく前からママとしてそばにいたのだ。もしいなくなってしまったらと考えたアナが恐怖心を抱くのも無理はない。


「……心配するなと言っても無理かもしれないが、大丈夫だ」


「あ、あなっ……あなの、せい……?」


「アナのせいではない」


 アナを叱って急に血が上った可能性はあるが、タイミングが悪かっただけだろう。アナのせいにして責任を押しつけるようなことはしない。


 シリウスが根気強く言って聞かせると、いくらか理解したのか、しゃくりを繰り返しながらも泣く声量は少しずつ弱まっていった。


「ママは少し休みが必要なだけだ。少し寝たら、すぐによくなる」


「……うぅっ、……ぐすっ、ねんね……?」


「そうだ。寝たら治る。ちょっと疲れが出たのだろう。アナも泣き過ぎて疲れたのではないか?」


 礼拝堂の中にもアナの泣き声が聞こえていたのだろう、いつの間にかそばにいて真剣に祈りを捧げていたエスターへと、シリウスは慣れた様子で声をかけた。


「礼拝堂の控室とかがあるのならば、少し娘を休ませてほしいのだが」


「でしたら司祭用の休憩室があるので、裏から中にどうぞ」


 礼拝堂は王族の許可なく入れない。裏手から建物の中へと入れてもらい、室内にあった古いがいい材質を使った応接用のソファへとアナを座らせた。


 シリウスが室内へと視線を巡らせたことを察してか、エスターは自ら謎の釈明をする。


「ここにある家具や備品はこれまでの司祭たちが使っていたもので、俺の趣味ではありません」


 聖職者が使うには上等なものが多いが、どれも年季が入っている。昔は国に備品の申請をすれば簡単に通っていたのだろうことが窺えるが、今は王太子やシリウスの目が厳しいので最新設備が揃えられないのだろう。


 備品はさて置き、アナだ。


「なにをしてママを怒らせたんだ?」


 はじめのうちは言い渋っていたが、急かすことなく待っていると口を割った。


「……あのねー、あめちゃん、たべたの」


「それだけでは叱られないだろう」


 サフィニアはそこまで理不尽ではない。人のものを勝手に食べたのなら叱るだろうが、家でのことなら、その飴はアナのものである。バロウ家はかわいいは正義理論がなによりも優先されるので、仮にアナのものでなかったとしても、アナのものになる。そういう特殊な環境だ。


 それでも叱られたのなら、やってはいけないと言われていたことをしたということにほかならない。


 じっと目を合わせていると、アナは瞳をうろうろとさせてから、絞り出すようにか細くつぶやいた。


「……あめちゃんの……おうた……」


 口の中にものを入れながら歌った。


 それは叱られるに決まっている。


 シリウスでも叱る。


「いいか、アナ。飴は喉に詰まると危険だ。だからママに叱られた。まず、それはきちんとわかっているな?」


「あな、おうた、うたっちゃうの」


「歌うのがだめとは言っていない。なにか食べているときはやめなさいと言っているんだ」


「おひめしゃまの、しゅーせーなの」


「習性でもだめだ」


 習性なら許されると思っているのだろうか。


 それ以前に、お姫様は食べながらは歌わない。


「らびっとなの」


「……そのうさぎはどこから来た?」


 ハビットと言いたいのだろうか。その苦しい言い訳で言い逃れしようとしていた人がどこかにいたのだろうか。だとしたら余計に相手を怒らせている気もする。


「そう言って、歌うのをやめなかったか?」


 アナは誤魔化すようにジェノベーゼを見たが、残念ながら今のジェノベーゼはシリウスの味方だ。アナを気にしつつも、シリウスの質問に答えるように瞳をちかっとさせた。注意されても懲りずに歌ったらしい。


「それなら叱られて当然だ。それは飴を捨てられても文句は言えないな」


 シリウスがサフィニアの擁護ばかりすると感じたのか、アナはぶんぶん首を振って切に訴えかけてきた。


「すてたの、ちがうの!」


「捨てていないのか? それなら次からは歌わず、きちんと食べればいいだろう」


「でもねー、ママ、あめちゃん、だんっ、ってしたの」


「だんっ?」


 アナは小さな手のひらでなにかを握るような仕草をすると、それをだんだんと机に打ちつけるように、何度も腕を振り下ろした。


「……」


 察するに、麺棒かなにかで、残りの飴を全部砕いたらしい。


 サフィニアはおっとりして見えて、たまに思い切ったことをする。


 アナが危ないことをしたときに見せる妻の厳しい一面を思い出して少し身震いしながら、シリウスは粉々になった飴を偲んだ。


 サフィニアなのでさすがに捨てはしなかったらしいが、その粉々に砕けた飴はどうなったのだろうか。


「あめちゃんねー、とっぴんぐに、なっちゃったの……」


「トッピングになったのか……」


 そこはうまく再利用されているようで安心した。


「飴としての人生は道半ばで終わったかもしれないが、新たにトッピングとして、アイスなどを彩る人生へと生まれ変わった。それでは不満か?」


「あいす……」


 カラフルなトッピングがかけられたアイスを想像したのか、アナの瞳に煌めきが戻ってきた。その件に関しては納得したらしいが、サフィニアへの不満はまだ解消できていないらしい。


「ママ、おこりんぼなの……」


「アナが危ないことをしたときだけだろう?」


 アナが成長するにつれ危ないことばかりするようになっているので、最近はサフィニアの真顔の頻度も上がっている。


 また同じことが起きないよう、シリウスは今しっかりと言い聞かせておくことにした。


「なぜ飴を舐めながら歌ったらいけないのか、わかるか?」


 アナはこっくりとうなずき言った。


「ごえん」


 思ったよりも正確に理解している。


 しかし実際に経験してみなければ、真にその危険性などわからないのだ。だが、そんな経験はしないに越したことはない。


「言わせてもらえるのなら……」


 そこでエスターが控えめに口を挟む。


「喉にものを詰まらせる子供や年配者は、結構多いです。サフィニアがはじめから砕いた飴を渡さなかったのは、アナ様のことを信じてのことなので、そこは理解してやってください」


 アナなら上手に食べられると信じてのことだと言われると心が動いたようで、アナの幼い顔に後悔が過った。


「アナ。今はあれこれだめだと言われることが多いかもしれないが、みなアナのことをいじめているわけではなく、アナのことが大事だから、うるさいことを言うんだ。わかるな?」


「……あな、だいじ?」


「そうだ」


「ママ、あなだいじ?」


「そうだ。ママはアナのことを、誰よりも大事に思っている」


 なにより一番の宝物と言っても過言ではない。


「……ママ……」


 ママが恋しくなってしまったアナが、また泣きはじめてしまった。


「ママのとこ、いくの……」


「執事長と帰れるか?」


「パパも……」


 アナがしがみついてきたが、仕事が終わらないことには帰宅できない。


「仕事が終わるまで、待てるか?」


 アナは、やなのー……、と弱々しく言いながら首を横に振った。さすがにそこまでは待てないらしい。


「仕事があるから、今は帰ることはできない。執事長と一緒にすぐ帰るか、仕事が終わるまでここにいて一緒に帰るか。どちらがいい?」


「……」


 返答はない。シリウスと一緒に今すぐに帰りたいらしい。


「……では、家までは、一緒に行く。それからすぐに仕事に戻らないといけないが、それでいいか?」


 屋敷まで送り届けるくらいの時間なら捻出できそうだ。


 アナは散々迷ってからうなずいた。


 少し抜けるにしてもまずは調整が必要だ。


「すまないが、許可を取ってくるから、少しの間アナを頼む」


 エスター、執事長、ジェノベーゼに頼み込んで、急いで王太子の執務室へと戻ると、少しの間席を外す許可を得てアナを自宅へと連れ帰った。


 馬車の中、アナは反省していたのか言葉数は少なく、終始シリウスにくっついていたが、玄関を入るとすぐにサフィニアの元へ走って行った。


 もうすっかりシリウスの存在を忘れていそうな後ろ姿を見送り、ほっと息をつく。


 後のことはアナとサフィニアの問題だが、きっとうまく仲直りできるだろう。


 シリウスは執事長にふたりのことを任せて、早々に仕事へと舞い戻った。





「すみません、アナが大袈裟に言ったみたいで……」


 ソファに横たわりクッションに頭を乗せていたサフィニアが、帰宅したシリウスを目にしてすぐに身を起こそうとしたので慌てて押し留める。


「こんなところではなく、ベッドで休んだ方がいいのではないか?」


「お医者様にも少し休めば大丈夫と言われましたし、本当に大したことでは……」


 サフィニアのそばにはカプレーゼがいる。心配してそばについていてくれたようだ。ジェノベーゼほど感情は読み取れないが、心優しいぬいぐるみであることに違いはない。


「心配をかけてしまいましたね……」


「いや、体調の悪いときはできれば言ってほしい。黙っていられると心配することもできないだろう」


 家族のことだ。気を遣っているのだろうが、なにも知らずに蚊帳の外に置かれる方が堪える。


 サフィニアはシリウスをじっと見てから、申し訳なさそうに謝った。


「……すみません」


「何度も謝らなくてもいい」


「いえ、これは別の分と言いますか……」


「?」


「いえ、それよりも。アナが泣いて大変だったのではないですか?」


 そっちについてかとシリウスは苦笑した。


「大変だったな。ママを殺しちゃったと大騒ぎしていた」


「ちょっと座り込んだだけで、アナのせいではなかったのに……」


「それくらいアナにとっては一大事だったのだろう」


 シリウスが過重労働でぐったりしていてもいつものことだが、普段健康なサフィニアだからこそ動揺したのだろう。


「アナのママはきみしかいないのだから、健康には気をつけて、しばらく休むといい」


 アナの実母が亡くなっている以上、母親はサフィニアただひとりなのだ。


 アナの父親である自負はあるが、実父が生きているシリウスとは違う。


 近くにアナの姿はないので、泣き疲れてもう眠っているのだろう。


「アナはきちんと謝れたか?」


「はい。言うことを聞かなくてごめんなさい、と。わたしも少し過敏になっていた部分もあるので、アナに謝りました」


 お互いに謝り合って和解したようだ。


「アナが危ないことをしたのだから、親として注意するのは当然だと思うが」


「言い過ぎたといいますか、さすがにやり過ぎたのではないかと、少し後悔していて……」


 飴ちゃん粉砕事件のことだろう。やり過ぎはやり過ぎだが、もう二度とアナは飴を食べている最中に歌ったりしないだろうことを思えば、一度きちんと叱ってもらってよかったのではないかと思う。


 そうやって、ひとつずつ成長して大人になっていくのだろう。


「……もうアナも四歳だな」


 ついこの前まで不安定な足取りでとことこ歩き、お父様をお馬さんと言っていたあのアナが。


(……今でもお父様とは呼んではくれないが)


 アナがずっと一緒で大好きなのは、“お父様”ではなく“パパ”なのだから仕方がない。


「早いですね……」


 最近は特に月日が流れるのが早く感じる。あまり年齢的なものだと認めたくはないが、半分はそうだろう。


「そういえば、アナの誕生日プレゼントは決めたか?」


「わたしは……はい。靴下を編もうかなと思っています」


 サフィニアは手編みの靴下がなにより素敵なプレゼントだと思っているのか、はにかむように微笑んでいる。


 人のプレゼントにケチをつけるつもりはないが、赤と白の縞模様だけはやめてくれればと思う。


「シリウス様は決めましたか?」


「ああ、実は有益な情報を仕入れ――」


「ママーーっ!!」


 寝つきが悪く起きてしまったらしいアナが駆け込んできた。


 サフィニアの膝に飛び乗ろうとしたので、寸前で捕まえ腕に抱える。


「ママは安静にしていないといけないから、パパの抱っこで我慢しなさい」


「いま、ママなの」


「今の気分はママの抱っこかもしれないが、パパで我慢しなさい」


「パパ、あな、だっこしたいの?」


 シリウスがアナを抱っこしたくて仕方がないみたいになってしまったが、もうそれでもいい。


「あな、ごめんなしゃい、したの」


「今聞いていたところだ。きちんと謝れてアナは偉いな」


 世の中には謝ることのできない人間も大勢いる。王太子に仕える者として、謝罪によりこちらに非があると認めてしまうと困る場合においては、謝っている風で決して言質を取らせることのないよう、うやむやにして収める術を身につけてはいるが、謝るべきところで謝れない人間にはなりたくない。


 きちんと反省してごめんなさいができるアナは、まっすぐ真っ当に育ちつつある。


 アナは誇らしげににこっと笑った。


 トッピングとなった飴も報われることだろう。


「さあ、アナはもう寝なさい」


「パパ、えほんー」


「わかった。読むから、好きな絵本を選んできなさい」


 アナは抱っこから降りると、慌てて絵本選びに駆け出した。そういう素直なところはまだまだ三歳の子供だ。


「きみも一緒に寝た方がいい」


 サフィニアへと手を差し伸べると、その手を重ねながら立ち上がった彼女がふと思い出したというように訊いてきた。


「そういえば、有益な情報とはなんだったのでしょうか?」


「ああ、実は――」


 間違ってもアナに聞こえてしまわないよう、シリウスは声を潜めてサフィニアの耳へと囁く。


 アナが喜ぶこと間違いなしのプレゼントに、サフィニアの顔にも笑みが浮かんだ。




 トッピングがカラフルなアイスを食べながらアナは言う。


「あな、あめちゃん、ごえんしたひと、しってるの」


「……そうか。その人は大丈夫だったのか?」


「うんー」


「それは幸いだったな。そういうこともあるから、アナも十分に気をつけて、上手に食事しなくてはいけない。わかるな?」


「あな、ごはん、じょうずよ?」


 あちこちに溶けたアイスを食べこぼしているのが見えていないのだろうか。


「……習性の方は大丈夫か?」


「むずむずするの」


「食べ終わってから存分に歌いなさい」


 アナは言いつけを守り、最後まで食べ切ってから高らかに歌い出した。


 それは飴もトッピングもアイスも関係ない、ジェノベーゼの歌だった。

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― 新着の感想 ―
有益な情報!?なんでしょう?? 次のお話が、待ち遠しい〜。 後、貧血で倒れたのって、、、もしかして、、 とうとう、、、 (*'▽'*) でも妹ちゃんがきた瞬間にグスタフが喋るはず。 あー、続きが気に…
えっ、有益? 喜ぶこと間違いなしのプレゼント? まさか、、(;`ω´)ゴクリ
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