522ーよしッ!
でも始める前に言っておこう。
「くりしゅてぃーしぇんしぇい」
「はい、ロロ。どうしました?」
「ボク、できるきが、しないのら」
「私もですわ。付与なんて、したことがありませんもの」
お祖母様と二人で自信なさげに、クリスティー先生に訴える。
「おやおや、何をおっしゃいます。だからこれから特訓するのでっす」
「しょうらじょ。おおばあば、ろろ、がんばるんら!」
「エルも後で教えますからね。待っていてください」
「おー」
エルがいつになくやる気になっている。こういうところは、エルは偉いと思うのだ。
冒険に行く時もそうだったけど、前をしっかり見て物怖じしない。それって俺にはないことだ。俺って人見知りはするし、すぐに不安になるし、怖がりだし。
「ろろ、らいじょぶらじょ。ぼくたちは、しんゆうら」
「うん、しんゆうら」
親友がどう関係するのか分からないけど。でも応援してくれていることは分かる。だから頑張ろう。
「はい、いいですか? よぉ~く見ていてください」
クリスティー先生が、魔石を手に取った。それを両手で包み、魔力を流す。そしたらすぐに魔石がペカーッと強く光った。
「はい、これで完成でっす」
「「ええー!」」
ほら、エルも一緒に叫んでる。だってそんなの全然分からないじゃないか。
手に握って魔力を流すのは分かる。でもそれがどんな付与をするのかって、どうやって分けるのだ? もっと細かく教えてほしい。
「ふふふ。ロロ、あれで物理攻撃防御が付与されているんだ」
「ぶ、ぶ、ぶちゅり……」
「物理攻撃だよ。剣や槍や弓での攻撃を防御するってものだね」
「ほうほう」
レオ兄の鑑定眼はどんどん性能を上げてないか? 魔族を発見したことだってそうだ。今だって、ただ見ていただけなのに分かるのか。俺も鑑定眼が欲しいぞぅ。
俺ならあれだ。痛いのは駄目って思えばいいのかな?
「れおにい、いたいいたいはらめ?」
「そうだね、ロロはそうかな。アハハハ」
「おや、なんですか?」
「クリスティー先生、ロロは独特なのです」
「それはまた興味深いでっす」
とってもアップで見てこられちゃった。ドアップでも綺麗なクリスティー先生だった。ちょっと照れちゃうぞ。
「ではロロ、やってみましょう」
「あい!」
よしッ! 頑張るぞ。俺は魔石を一つ小さな手で包み込むように持った。そして念じる。痛い痛いは駄目、痛い痛いは駄目……
――パキーン!
「ありゃりゃ?」
「プククク……」
あ、クリスティー先生が笑ってる。どうして? 俺の手の中で魔石が粉々に割れていた。なんでこうなるのだ?
「おや、ロロもでしたか」
まったく意味が分からない。クリスティー先生、一人で納得しないでほしい。
「さっき話していた令嬢も、最初はロロみたいに魔石を割っていたのですよ。懐かしいでっす」
えっとぉ、約300年前に色々発明したり、魔族を倒した令嬢のことだな。
「ロロも魔力量が多いですね。ああ、レオもでっす。ほんの少しの魔力で良いのですよ。魔力を流し過ぎると、こうして割れてしまいまっす」
「そうなのですか?」
「はい。あの令嬢はよく割っていました。ふふふ」
きっとクリスティー先生は、その令嬢がお気に入りだったのだろう。そして仲も良かったのだと思った。だってとっても懐かしそうで、少し嬉しそうに笑ったから。
いや、俺はもう割らないように頑張るのだ。こうして付与を覚えたら、もっとリア姉とレオ兄の役に立てるだろう? レオ兄もできるから、あんまり意味がないかも知れないけど。
「くりしゅてぃーしぇんしぇい、ぼくはどうしゅるんら?」
「はい、エルは魔力操作の練習でっす」
「あー」
「える、ポカポカぐるぐるなのら」
「ろろ、あれか」
「しょうなのら」
前にエルに話したことがあった。お腹のところにあるポカポカしたのを、身体の中でグルグルさせるのだって。
「よし、がんばるじょ」
俺も頑張るぞ。新しい魔石を手にとって魔力を……
――パキーン!
「ええー! なんれー!?」
またまた俺のプクプクした手の中で、魔石が割れた。粉々だ。まだこれからしっかり魔力を流すぞって段階だったのに。
「アハハハ。ロロ、本当に少しでいいんだ。ほら」
ほら、とか言ってレオ兄が見せてくれた。ちょっと待って、レオ兄ったらもうできるのか? チートとは、レオ兄のことだ。
「ふふふふ、可愛らしいでっす」
クリスティー先生ったら、俺が失敗しているのにニコニコしている。
「駄目だわ。私はロロの逆ね」
「おばあしゃま」
お祖母様は、魔力を付与しているつもりだけどされてないってパターンだ。これはお祖母様の言うとおり俺と逆だ。流す魔力が足りていない。
「ルイーゼ様はもっと大胆に、ガッツリと流しても大丈夫でっす」
「そうですか? では……」
クリスティー先生のアドバイスを貰って、お祖母様が再挑戦だ。すると、お祖母様の手の中で魔石がペカーッと光った。
「はい、お上手でっす」
「まあ! できちゃったわ」
これは焦る。俺だけ、パキパキ割っていてどうするのだ。よしッ!
「ロロ、待って。あんまり、やるぞって思わないでやってみるといいよ」
「れおにい、しょう?」
「うん、ロロは張り切らないくらいで丁度いいよ」
「えー」
それって心外だな。俺は張り切っては駄目ってか? まあいいや。じゃあ、ちょっとだけ。
お読みいただき有難うございます!
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宜しくお願いします。
あぁぁー、これからまたApple pencilの充電がなくなるまで頑張ります(^◇^;)
6月刊行目指して!(๑•̀ - •́)و✧
リリの完結巻は、モコちゃんや母のことにリンクしてしまって泣きながら書いていたこともあるのです。
ペットロスは健在ですので!
皆様に泣いていただけると嬉しいなぁ。
ロロのコミック③も6月発売らしいですよ。コミカライズのロロって、丸くて(^◇^;)
めっちゃ可愛いですよね!
6月はお知らせがいっぱいです。よろしくお願いいたします(◍˃ᗜ˂◍)ノ




