508ーペカーッと
それを聞いて、難しいお顔をしながらレオ兄が言った。
「確かに、僕たちが気付かなかっただけかも知れない。ここに来るまでに魔鳥の群れに襲われたのだって、多分魔族が関わっているだろうし」
「お祖父様、お祖母様、伯父様、私たちだって守りたいんです!」
「リア……」
「しょうなのら!」
「ロロ、まだ黙っていような」
「えー、にこにい。けろ、ぴかとちろは、やくにたちゅって」
「ああ、分かってるけどな」
「それに、必ず攻めてくるとは限りませんよ?」
「レオ、そうなのだが……」
やっぱね、何も知らない人ばかりで話していても仕方がないと思うのだ。だからね。
「でぃしゃんに、きくのら」
「ロロはディさんを呼びたいだけじゃないのか?」
「にこにい、しょんなことないのら。らって、でぃしゃんは、まじょくとたたかった」
だってそうだろう? 周りで魔族と実際に戦ったことがある人なんて、ディさんくらいしかいない。でもお祖父様が眉を寄せて真剣な面持ちで言った。
「ディさんは確かに300年前に戦ってはいるが、その時は四英雄が一緒だったから今とは違うぞ。今はディさん一人しかいない」
「お祖父様、魔族が来るとしたらこの領地ですよね」
「今の状況を考えると、そうだろうと思うが」
「なら、助っ人に来てもらいましょう。こういうことが起こっていると、知っていてもらいましょう。ディさんにも辺境伯領の人たちにもです」
「私もそれが良いと思います」
ウォルターさんはとっても冷静だ。レオ兄が言ったことにウォルターさんも賛成だって。
この領地だけの問題じゃないのだから、それがいい。ディさんとクリスティー先生に相談しよう。何も知らない俺たちだけで話していたって仕方がない。
「でぃしゃんと、くりしゅてぃーせんせいに、しょうだんしゅるのら」
「な、それがいいよな」
「ふむ……」
「父上、私もその方が良いと思います。我々だけでどうこうできる問題でもないでしょう」
「そうね、この領地だけの問題でもないでしょうし」
そうだよ、そうしよう。その方がずっと現実的な話ができる。
結局そう話がまとまって、クリスティー先生に連絡を取ることにした。ディさんはアミュレットで呼べるのだけど、それで呼んだら何かあったのかと驚かせてしまうかも知れないので、クリスティー先生に任せることになった。
「今すぐどうこうではないだろうが、クリスティー先生に文が届いたらすぐに来てもらえるようにしよう」
お祖父様が早速ギルド経由でクリスティー先生に文を出してくれた。その前にも相談があると文を出しているから、きっとすぐに来てくれるだろう。
そう思っていたところなのだけど。もうそろそろ文が届いているかなぁという頃に、突然お邸の前庭にビューッと風が起こりペカーッと光り出した。俺とエルは外でいつものように、リーダーたちを見ていたので一番に見つけた。
「ろろ! ひかってるじょ!」
「な、な、なんら!?」
ちょっと二人でパニクっちゃった。エルと抱き合ってしまったもの。一緒にいたユーリアがとっても冷静だった。
「ロロ坊ちゃま、エル坊ちゃま、きっと転移ですよ。クリスティー先生かディさんじゃないですか?」
ユーリアの言ったとおり風と光が収まったら空間がグニャリと歪んで、そこにクリスティー先生とディさんが立っていた。おう、二人揃っているとピカピカも倍増だ。
ディさんがそこにいる。それって俺にはとっても嬉しいことだった。トコトコと走って行って、両手を出す。
「で、で、でぃしゃん!」
「ロロー! 会いたかったよー!」
なんて言いながら俺を抱き上げてくれる。本物のディさんだ! 久しぶりのディさんの匂いがする。
「でぃしゃん! ろうしたのら!? でぃしゃん!」
俺って、めっちゃ喜んでいるのだよ。言葉でちゃんと表現できなくて、申し訳ないのだけど。
「うおっ! ほんとに、くりしゅてぃーしぇんしぇいら!」
「ふふふ、エルくん。お久しぶりでっす」
何故かエルは後退りして、クリスティー先生からじわじわと少しずつ距離を取っている。なんなら今から、テッテケテーと逃げますよ~って感じだ。どうしてだ? もしかして怖いとか? 俺はディさんに会えてめっちゃ嬉しいぞ。
抱っこされて、思わず首に抱きついてしまう。ディさんは俺の大事なお友達だから。
「クリスティー先生に、聞いたんだ。大変なことが起こってるみたいだね」
「しょうなのら。けろ、ろっくちょうの卵がぁ」
「ん? 卵? ロック鳥の卵がどうしたの?」
「あたためてるのら」
あっちにあるからねと、ディさんに教える。
「おや、ロック鳥の卵ですか? それは珍しいでっす」
クリスティー先生って何があっても動じない気がする。ディさんは髪も瞳もグリーン掛かっているけど、クリスティー先生は髪が淡いブロンドで瞳は濃い青空色だ。とってもキラキラしている。二人が一緒にいると、そこだけスポットライトが当たっているみたに見える。
ディさんに抱っこされている俺の前をエルが走る。
「ぼくが、あんないしゅるじょ!」
「アハハハ、エルも可愛いね!」
「ディ、エルは魔法のお勉強をちゃんとしてくれないのですよ」
「え、そうなの?」
「はい、何度も私が追いかけてまっす」
「アハハハ! 先輩が追いかけるんだ!?」
エルったら、何度も逃げ出してたのか!?
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宜しくお願いします。
後書きが目に余るとご指摘をいただきました。
皆様との交流ができればと思っていたのですが、余計なことだったようです。
不用でしたら、飛ばしていただけるようお願いいたします。
今後はやめようと思います。
お目汚しをいたしまして、大変申し訳ありませんでした。




