俺の日常にファンタジーが突き刺さってきた その26
朝の成長チェック
・異世界5日目 6:15
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昨晩、あいきゃんふらーい!したまま寝入っちまったらしい。
もっふもふのふっかふかに囲まれた状態で目が覚めた。
ふぇぇぇぇぇ……ウチのペットあったかいなりぃ……。
右側にはエドガーが寝てた。
起きてる時は無邪気・元気・無敵なヤンチャボーイだが、相変わらず寝姿のロイヤル感がスゲェ。
寝てるエドガーたんマジイケメン。この世で一番ジェントルワン。
「どうもこんにちは。狼の王子様です」と言わんばかりのノーブル感が漂いまくっているんだぜ!
[エレガント狼写真: 高貴なるオーラを放つ静謐な寝姿 (マジ王子様)]
左側にはウィリアムが寝てた。
起きてる時は自由・気まま・自己中のダメンズ狼だが、寝姿もまさにダメンズそのものだった。ダメじゃん。
なぜお前は仰向けで寝るんだよ。
そしてなぜ口を半開きにして、舌をデローンと垂らしてしまうのか。
どんな夢を見てるかは分からんが、たまにゴキゲンな様子で「がうがう」寝言まで言うからなコイツ。
今日も安定のダメ狼っぷりだった。
[ダメ狼写真: もっとちゃんとイケメンムーブしろよぉぉぉ…… (ダメじゃん)]
シバ達は俺の足元で丸くなって寝てたぞ。かわいい。
そう言えば、あいきゃんふらーい!した直後のシバ達も大層可愛かった。
「わふっ!」
”オフトゥン持ってきます!”
「わふっ!」
”オレも持ってきます!”
「わふわふっ!」
”もうちょっと待っててください!すぐ持ってきますから!”
「わふっ!」
”あとちょっとですから!”
「わふわふ!」
”ご主人様は、ゴロゴロして待っててください!”
俺を絶対にベッドに帰らせてなるものか!という強い意志を感じたわ。
あ、説明するまでもねぇとは思うが一応説明しとくとだな
何としても俺と一緒に寝たかったらしい。うへへー。
流石、俺のシバだぜ。
いちいち反応が可愛いかった。
ちなみにシバ丸、シバ太、シバ助の3人はオフトゥンの中に潜り込んでたぞ。
で、残り2人のシバ吉と、シバ山はオフトゥンの上で丸くなって、俺のスネにアゴを乗せてたぞ。
[モコ柴写真: オフトゥンがモコッとしてるところに3人いる]
[アゴ柴写真: 俺のスネを枕にしてる2人]
そんなこんなで、心行くまでペットたちの寝姿を堪能した後、オフトゥンを跳ね上げて起床した。
「おはよう。朝だぞ!」
元気に挨拶すると、ますエドガーがパチッと目覚めた。
「ガウガウッ!」
”ご主人様!おはよう!”
おー、今日も朝から元気だな。
シュバッと立ち上がるエドガーたん。
そしてそのまま俺の親指目掛けて突撃してきたんで、ヒップアタックで華麗に撃退してやった。
危ないところであった (真顔)
「ガウ―ッ!」
”指、噛みたい!”
ダメです。
何故ならお前の甘噛みには殺傷力が備わっているからです。
ご主人様を殺傷してはいけません。
つーか、殺傷力がある時点で、それはもう甘噛みとは言わねぇんだ。
その後も、毅然とした態度で断り続けていると「がうーがうー」と甘えた声を出しながらスリスリされてしまった。
エドガーかわいい。でもいくらかわいくオネダリしようともダメなものはダメだぞ。カジったらアカン。
まぁ、その代わりと言っちゃ何だが首周りのもふもふをガシガシしてやろう。
ガーシガシガシガシガシガシガシッ!
爪を立て全力で首周りを掻き回してやると、ソッコーでゴキゲンを直してくれた。
相変わらずエドガーたん、チョロかわいい。
[ガシガシ後の狼写真 : 首回りのもふもふが乱れ、ちょっとだけワイルドになったエドガーたん (チョイ悪王子様)]
おし。ひとしきりエドガーと戯れたんで、次はシバ達だな。
そう思ってシバ達の方を振り向くと
シバ達は、誇らしそうに胸を張った姿勢で、ビシッと横一文字に整列していた。
もちろんその胸元には、階級章の星がピカピカと輝いていたぞ。
ってか、あきらかに昨日よりも星のサイズがデッカくなってたわ。
階級章の大きさは、地位の高さに比例する。
つまり2日連続で昇進したってことなんだろう。
まぁ、昨日のボスデリバリーを考えれば納得か。
今思えば、あれはエグいパワーレベリングだったわ。
稼いだペッポを使って、片っ端からスキル取りまくったし
ある意味、約束された昇進だったわ。
まぁ何にせよだ。
昇進おめでとうなんだぜ!!
じゃ、昇進祝いにシバ達の頭なでまーす。うへへ。
とか思って、シバ達の方へ近づくと
「わふっ!」
”ご確認お願いします!”
シバ丸から、見覚えのあるボードを突き付けられてしまった。
ボードにはこんなことが書かれていた。
”正規兵(見習い) ⇒ 正規兵(二等兵) への昇進を承認しますか?”
”Yes/No”
あー、そっか。
正式に昇進させるには、俺の承認が必要なんだっけ。
「うむ。日々のお努めご苦労。これからの活躍に期待する」
雰囲気を盛り上げようと上官風に激励しつつ
華麗にYesをタップしまくってやった。
あ、当然シバ全員に激励+タップしたぞ。
「わふっ!」
”ありがとうございます!”
「きゃふ!」
”やったー!ありがとうございます!”
「わふー!」
”皆一緒に昇進できてよかったねー!”
承認後、しばらくそんな感じで盛り上がっていたシバ達だったが
1分も経過すると
「わふー」
”みならいそつぎょー。えへへー”
「わふーわふー」
”にとーへいだってー。えへへー”
「わふふー」
”えへへー”
「わふわふー」
”えへへへへー”
嬉しさが勝ちすぎたのか
皆揃ってぐでんぐでんに溶けまくってたぞ。
[ぐでシバ写真 : 床の上にベチャーッととろけ中のシバファイブ (でも可愛い)]
で、オオトリのウィリアムなんだが
こんだけ回りでワイワイ騒いでるっつーのに、一向に目を覚ます気配がない。
さすが我が家の寝坊助大臣だなウィリアム。
ただ、いくらウィリアムが寝坊助とはいえ、あいきゃんふらーい!ダイブすりゃ一発で起きるだろ。
つー訳で、エドガーをけしかけてみた (無慈悲)
「行け」
「がうーーーーっ!」
”にーちゃぁぁぁぁん!”
俺の号令で、天井スレスレまでジャンプするエドガーたん。たかい。
そして万有引力の定めに従い、ピンポイントにウィリアムへと降り注ぐのであった。
ちゅっどぉぉぉぉん。
「ガウガウッ!」
”なんだなんだ!”
あ、ウィリアムが起きた。
ってか、エドガーメテオの直撃を喰らっても無傷なウィリアムたんマジストロングウルフ。まぁ知ってたけど。
もちろんエドガーたんも無傷だぞ。まぁ知ってたけど。
どこか嬉しそうな表情で、きょろきょろと首を左右に振るウィリアム。
1秒後。自分の上に乗ってるのがエドガーだと分かった瞬間、凄まじい表情になった。こわい。
「ガウッ!」
”お前、違う!”
「がうー」
”えー……”
どうやら俺メテオを期待してたらしい。
あの顔は、間違いなくメテオ後のわしゃわしゃを期待してたに違いねぇ。
でもスマンなウィリアムよ。
個人的な都合で悪いんだが寝起きの激しい運動は勘弁して欲しいんだ。ヒントは脇腹の痛みな。
「ガウッ!ガウッ!」
”オレ、やり直ししたい!”
「ガウガウッ!」
”いいよ!今度こそ兄ちゃんを圧し潰してやるぞ!”
「ガウッ!」
”お前、違う!!”
まさかの仕切り直し要求。
メテオのおかわりとは恐れ入る。
でもな。
お前完璧に目ぇ覚めてんじゃん。
ガウガウ!ガウガウ!と白熱する狼兄弟の会話に割って入り、改めてウィリアムに「おはよ」と挨拶したところ
ウィリアムが”まだ起きてない!”だの、”もう1回起きたい!”だの、極めて往生際の悪い反応を見せたので、しつこく「おはよ」を繰り返してやった。
で、その成果がコレな。
[凹み狼写真: 俺メテオの可能性が潰えたことを受け入れた兄狼 (スマン。許せ)]
そんなこんなで全員への朝のご挨拶を終え一息ついてると、視界の端でふよふよ浮遊する玉が視界に入った。
ワーイ イッツ キャラフル フライング ボオオオオル
精霊さんのことスッカリ忘れてたわ。
「精霊さんもおはよ」
遅まきながら挨拶すると、精霊さんは今日も元気にピカピカ光りながら返事してくれた。
”おはよ!パパ!”
”おはよ!パパ!”
いや、パパじゃねーし。
でも今は、んな事よりも重要なツッコミがあるから、そっちをツッコませてもらうな。
「精霊さんって増えんの?」
そうなんだよ。
俺の視界内に、2つの玉がふよふよ浮かんでいるんだよ。
[精霊初写真: なぜ2個あるのか (玉だけに……?)]
正直、この展開は予想してなかった。
だって1個でもヤバいじゃんこの玉。
自分の不都合を、全て『どっせい!』で解決してきた猛者の玉じゃん。
つまり精霊さんが2個に増えるってことは
すなわち『どっせい!』の被害も2倍に増えるってことだろ?
それって割とマズいんじゃね……?
そんな漠然とした不安を感じていると
精霊さん本玉から衝撃の事実が告げられた。
”うん!増えるよ!”
”もっともっと増えるよ!”
え、まだ増えんの?
結局『そ、そうか。無理しねぇで、ほどほどにしとけよ?』と甘く釘だけ刺して、この件はまるっとスルーさせてもらうことにした。
だってこんなもん、どう考えたって俺の手に余る。
高速で八の字飛行中の精霊さんたちを眺めつつ、俺はソッコーで匙をブン投げた。
俺、思うんだ。
精霊さん関連の厄介事は、旧知の間柄ムーブかましてたスキルの声さんとかが頑張るべきじゃないかって。
昨日今日知り合った俺なんかより、絶対そっちの方がいいって。
まぁ確信はねぇけどな。多分……いや、恐らく……希望さえ捨てなければ、いつかはきっと。……うん。
”頑張るぞー!”
”やったるゼィ!”
”邪魔なものがあったら、何ても言ってねパパ!”
”根こそぎぜーんぶ、いい感じに修正してやるゼィ!”
”ぃぇーぃ!”
”ぃやっふぅぅぅ!”
うん。えっと……うん。
微妙に怖いこと言うてはるけど、きっと大丈夫だって。
大丈夫ったら、大丈夫だって。
信じる者は救われるんだよ。だから大丈夫。
大丈夫ったら、大丈夫。きっと絶対大丈夫。
……………………うん。
聖剣が刺さってないことを俺は知っている
・異世界5日目 6:30
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狼と犬と玉を引き連れてリビングへ向ったところ
槍を持った修羅っぽい人から声をかけられた。
「ねぇ、あれアンタの仕業?」
「あれってどれだよ」
「だから庭のあれよ」
「庭ぁ?」
BBAに促され庭先を見やる。
と、そこには神々しいまでに光り輝くうちの庭があった。
間違いなく聖剣とか刺さってる。
と、思わずにはいられないほどの圧倒的なホーリィ感。
でも俺、知ってんだ。
あの神々しいプレイスに聖剣は刺さってねぇってさ。
でも突然、庭がホーリィになった理由はさっぱり分からん。
つー訳で、知ってそうな玉に聞いてみた。
「精霊さん、何かした?」
”便利かなって思って作った!”
予想的中。
やっぱり精霊さんたちが犯人らしい。
”パワースポット出来たから、色んな事ができるよ!”
やだ、こわい。
まーた何かヤル気だわ、この玉ども。
「あー……うん。ほどほどにな?」
一応ゆるーく釘を刺してはみたものの、案の定無視された。
”やったるぜぃ!”
”ぃっやふぅぅぅぅい!”
それにしてもこの玉どもノリノリである。
まぁ、悪いヤツらでは無い……ハズだし、そうそう危ない事はしねぇ……ハズだと信じたい。
そんなこんなで
精霊さんたちと戯れてると、いきなりBBAから話しかけられた。
「さっきから大きな声で何言ってるの?」
「何って……あぁ、そうか」
そう言や精霊さんたちって、傍目にはチカチカ光るただの玉でしかねぇんだよな。
ごくナチュラルに会話が通じるもんだから、スコッと忘れてたわ。
つー訳で、その辺の事情をBBAに説明したった。
「点滅する玉にしか見えねぇと思うが、なぜか俺にだけ声が聞こえるんだよ」
「点滅する玉……?」
「そそ。俺にだけ声が聞こえるの」
「どのにあるのよ、そんな玉」
「どこって、宙に2個浮いてんじゃん」
「だからどこ」
「どこって……ん?」
もしかして声どころか、姿すら見てないのか?
試しに肩の辺りにふよふよ浮いてる精霊さんを指差してみたが、やはりBBAには見えてなかった。
ひょっとして心の汚れた大人には見えねぇ的な?
ホラ、お話に出てくる精霊って大体そういう感じじゃん。
まぁ、コイツらが一般的な精霊のイメージに当てはまっているかについては、また別の話だけどな。
ちなみに、精霊さんの姿が見えないと分かったBBAはすんなりとあきらめて、お気に入りのソファに深々と腰かけたぞ。
そして、まるで今思い出したかのような軽いテンションで
とんでもない爆弾発言をかましてきやがった。
「あ、そうだ。アンタ朝ごはん食べたら、農協さんに追加のお肉持って行きなさい」
「は……?」
「昨日、七草粥作ってるときにご夫婦でお肉のお礼にいらっしゃったのよ。
大層感謝されててね。配給の様子を【ブログ】?に公開してるから、是非見てほしいんですって」
「え、フィンランドと来たの?」
だとしたらスゲェ見たかったんだが。
だってフィンランドだぞ、フィンランド。スゲェ気になるじゃん。
「呼ぼうとしたわよ。でもアンタ気持ち悪い顔したまま、柴ちゃんたちと何かやってたじゃない」
「気持ち悪ぃ顔なんてしてねーし」
「してたわよ。でもアンタの顔なんて別にどうでもいいのよ。それでね、【ブログ】?って言うのよく分からなかったし、追加のお肉必要か聞いてみたら旦那さんが是非欲しいって言ってらしたから、じゃあ明日アンタにお肉運ばせるから、その時に【ブログ】も見せてくださいって答えたのよ」
いや。『答えたのよ』じゃねぇが (真顔)
おぉぃ!何勝手に答えてんだよBBA!!
「何で俺がわざわざ持って行かなきゃなんねぇんだよ!欲しいんだったら、取りに来させろよ!」
「挨拶がてらアンタが持ってってあげなさいよ」
嫌どす (真顔)
今日はお家に籠ってペットたちと、もふもふ生活を送るのでぇぇぇぇすぅぅぅぅぅぅ。
そう確固たる意志を込めてBBAを睨むと、本気の殺意を込めた視線で睨み返された。ヒィ。
すごくすごくこわかったです。
お母様、どうしてそんなにイラァァァァッとされていらっしゃるのでしょうか?
BBAは額に手を当てたまま軽く左右に首を振ると、
ため息混じりにこう言った。
「とにかくもう約束しちゃったんだから、つべこべ言わずに行ってきなさい」
「ど、どうしても……?」
「二言は無いわ」
武将かよ。
どうやらこれ以上の反抗は無駄らしい。
つー訳で黙ってみた。
いやさ。明確な返事をしなけりゃ、そのうちなんとなーく有耶無耶な感じで終わらねぇーかなーって思ってさ。
が、ほんの数秒で、BBAの槍が紅いオーラを纏い始めたのを見てソッコー諦めた。
今日のBBA本気である。
よ、容赦ねぇ……。
まさに打つ手なし。
チクショー。
つーことは、マジで行くしかねぇのかよぉぉぉぉ!!!!
かくなる上は、被害を最小限に抑え込んだるわい!
俺は吠えた。腹の底から雄叫んでみせた。
「肉を置いたら、すぐ帰ってくるからな!」
「挨拶くらいしてきなさいよ」
嫌どす (真顔)
間違いなくクソウゼェこと言われる気しかしねぇわ。
「約束しちまったらしいから肉は持って行ってやるけど、それ以外は好きにさせてもらうからな!」
「挨拶くらいしてきなさいよ」
絶対に嫌どす (真顔)
この後、確固たる信念を持って『嫌どす』を訴え続けたところ、BBAが折れてくれた。
ただ、最後の『このヘタレが』って捨てセリフは、今後何があろうとも二度と使うなよ。分かったな?
PS.
『今日はちょっと遠くまで散歩に行くぞ』と告げた時の、ペットたちの輝く笑顔だけが唯一の心の慰めだったわ。
あー……、行きたくにゃいぃぃぃぃ……。
次回、農協回。




