俺の日常にファンタジーが突き刺さってきた その27
精霊さんは少しは自重すべき
・異世界5日目 7:10
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農協までお散歩することになった。
書くまでもねぇと思うが、俺のテンションはどん底だったぞ。
だって行きたくねぇんだもん (真顔)
狼兄弟とシバたちが大はしゃぎしてくれたのが、せめてもの救いだったわ。
マジでこれしかヨスガがねぇ……。
ちなみに精霊さんは留守番だぞ。
誘ったけど、普通に断られちまった。
”んーん、行かなーい”
”パパの役に立つブツ作って待ってるー”
早速、何かやらかすつもりらしかった。
”だからパパのスキルを共有化させてー”
”ゴキゲンでファビュラスなブツを作るのに必要なの―”
『スキルを共有化させて』
このフレーズが出た時点で、そこそこ嫌な予感がしたよね。
当然、詳しい話を聞いてみた。
すると【ドルイド】と【シャーマン】のJOBを丸ごと共有したいってオネダリだったぞ。
精霊さん曰く。
【ドルイド】を共有化すれば、便利なお薬が作れるようになるらしい。
【シャーマン】を共有化すれば、とっても便利な魔法グッズが作れるようになるらしい。
普通に良くね?
思わず「おー、いいじゃん」って反応したところ、精霊さんたちのテンションが目に見えて爆上がりした。
あと化けの皮もスッパーン!と剥がれ落ちた。
”でしょでしょ!ケンキューすれば爆薬とか、爆弾とか、ミサイルとかも作れるようになるよ!!”
ミサイルて。
”全部コロス結界とか、全部コワス大砲とか、全部ナカッタコトニスル過去改変装置とかも作れるようになるよ!!”
過去改変装置て。
流石にこの内容は予想外だった。
つーか、予想できる訳ねーだろこんなもん!ふざけんなし!
『ヤダ……この玉どもマジでクソヤベェわ……』という切ない現実を、まざまざと思い知らされたわ。
当然、JOB共有は断ったぞ。
誰だってそうする。だから俺もそうした。
でも何度断ろうとも、じぇんじぇん諦めてくれなかったのである。
ふぇぇぇぇぇ……この玉ウザいよぉぉぉぉ……。
そう。精霊さんは粘り強かった。
”今日のところは、大人しめのブツしか作らないからー!”
”今日のところは、穏便なブツだけ作るって誓うからー!”
まず『今日のところは』って限定すんのが怖ぇわ。
思わず『じゃあ明日以降は?』って考えちゃうだろーが。
当然、断った。
だがしかし。
精霊さんは、どこまでも粘り強かった (2回目)
”堅実な実績を積み重ねていって、徐々にパパの信頼を勝ち取る計画だからー!”
”小さく作って大きく育てるマインドで、徐々に事業規模を拡大する所存だからー!”
意外と計算高ぇ。
そして言ってる内容が直球ど真ん中で怖ぇ。
もちろん断った。
だがしかし。
精霊さんは、どこまでもどこまでも果てしなく粘り強かった (3回目)
”ヤバいブツ作るときは、事前に稟議を上げてパパの承認を得るようにするからー!”
”【ヤバいブツ取り扱いガイドライン】を制定するからー!”
”ガイドラインの遵守を、最高レベルのコンプライアンスに組み込むからー!”
”パパの内部監査も常時受け入れるからー!”
”改善命令には無条件で従い、直ちに改善に努めるからー!”
”初心を忘れず、感謝を忘れず、恩に報いて、謙虚な気持ちで日々の業務をこなすからー!”
”だから共有化してぇぇぇぇぇ!”
会社かよ。
しかもろくな組織じゃねぇ。
”ヤバいブツを作ること”を前提とした組織なんて滅んでしまえ。
端から作るなそんなもん。ミサイルも想い出破壊装置もいらねぇんだよ。
もちろん断った。
――までは同じ流れだったが、とうとう耐え切れなくなった精霊さんたちがビガビガ点滅しながら、壮絶な駄々をこね始めた。
”やだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!共有化するのぉぉぉぉぉ!!”
”共有化してくれなかったら、地球半分に割るぅぅぅぅぅぅ!!”
こわい。
”共有化してくんなきゃ、ヤなのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!”
”もう1回ダメって言われたら、海水全部沸騰させるぅぅぅぅぅぅ!!”
やめて。こわい。
”お願い、パパァァァァァ!!”
”美しい地球を守ってぇぇぇぇぇぇ!!”
やだもう。こわい。
発想がサイコパスのそれじゃん。こわい。
本当に地球をパッカンできるのか?全ての海水を沸騰させることができるのか?
疑問は多々あれど、流石に試す気にはなれなかった。
つーか、煮魚LOVE・刺身チョーLOVEな俺としては頷かざるえなかった。
でもまさか地球を人質に脅迫される日が来るなんて、思ってもみなかったわ。
まぁ、せめてもの抵抗としてブッ刺せるだけの釘はブッ刺したけどな。
悪用するな、事前確認を取れ、停止命令は厳守しろ etc..etc..
思いつく限り、徹底的にブッ刺してやった。
もちろん全ての釘に対して、精霊さんたちの了承をもぎ取ったぞ。
つー訳で。
この後、むちゃくちゃ共有化した。
で、これが共有化直後の記念撮影な。
[共有祝いの記念写真: 超高速で八の字飛行する精霊さん (速すぎてくっきり「8」の残像が見える)]
で、↑の念写を撮影してからきっかり2秒後の精霊さんたちの会話がコレな。
”うぇーぃ!意外とラクショーだったじぇー!”
”うぇーい!意外とチョロかったじぇー!”
見るがいい。そして戦くがいい。
この清々しいまでの切り替えっぷりをなぁ!
ついさっきまで駄々こねてべそかいてたじゃん。。
ついさっきまで釘刺されてショボくれてたじゃん。
だっつーのに、共有化した途端のウェーイ。
どいういう情緒だよ。
思わず『これまでの流れは、共有化をもぎ取るために仕組まれた巧妙な演技だったのでは……?』って疑心暗鬼が生じたわ。
「悪用しねぇんだよな?」
”まだしなーい!”
”今日のところはしなーい!”
………………うん。
そんじゃ最後に、案の定暴走しはじめた精霊さんたちの様子を紹介して今回のブログをは〆たいと思う。
”しゃおらぁぁぁぁ!全開バリバリでブッ作ってやるぜぇぇぇぇ!”
”うぉぉぉぉ!作って作って作りまくってやるぜぇぇぇぇぇ!”
………………うん。
後は野となれ山となれ。
つっても、ここ俺んちの敷地内だから、マジで野や山になられちゃ困るんですけどねぇぇぇぇ!
精霊さんは、マジでッパねぇヤツらだった。
だからもう増えないでほしい (フラグ)
仁義なきウルフ
・異世界5日目 7:20
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精霊さんの件は、ひとまず横に置いておくことにした。
正直、俺の手には余る。
つー訳で、こっからは本日のメインイベントである農協散歩について書いていきたいと思う。
クッソ寒い朝。クッソ寒い庭先。クッソ憂鬱な目的地。
にもかかわらず、テンション爆上げ中のふもふ軍団はチョー元気だった。
まず狼兄弟な。
こいつらはいつも通り、ガウガウ言いながらメンチ切り合ってたぞ。
[仁義なき兄弟写真: あぁん?なんじゃワレェ!あぁん?やんのかコルァ! (迫力ありすぎ)]
鼻頭にしわを寄せ、牙を剥き出しにして睨み合う狼さんたち。
チョーこわい。でもチョーカッコいい。
狼自体にワルでダーティなイメージがあるせいか、極ワルフェイスもまるで違和感がない。メッタメタに似合いまくってたぞ。
それにしてもスゲェ迫力だと思わね?
静止画ですら、今にも殺し合いが始まりそうな緊迫感があふれ出てるよなマジで。
でも実際には”どっちの足が速いか”についてバトってるだけなんだぜコイツら。
実に微笑ましい争点だった。
つーか、ホント足の速さ競うの好きだよね君ら。
「ガウガウ!」
”オレの方が速いぞ!”
「ガウガウッ!」
”今日こそオレの方が速いもん!”
確かこの辺でエドガーたんが、お尻をフリフリし始めたんだったか。
上体を低くして、いつでもウィリアムへ襲い掛かかれる体制になってたぞ。
で、そっから約1分。
とうとうしびれを切らせたエドガーが、ウィリアムの喉笛をめがけてグワッ!と飛び掛かった。
「ガウガウガウーッ!」
”絶っっ対!オレの方が速いもーん!!”。
その速度たるや、まさに弾丸の如し。
だがしかし。この程度のスピードに動じるウィリアムではないのである。。
「ガウッ!!」
”しゃおらぁ!!”
鋭く一吠え&狼パンチ (兄)を放つと、いとも容易くエドガー (弾丸)を叩き落としやがった。
ズッガァァァァン!!!
けたたましい音を立てて地中にめり込むエドガーたん。えぐい。
ま、無傷なんですけどね。
軽くエグれた地面からポーンと飛び出てきたかと思うと、ソッコーでウィリアムにウザ絡みしてたわ。
「ガウガウガウッ!」
”にーちゃんスゴい!また勝てなかった!!”
ホンット規格外な兄弟だよなコイツら。
狼さんたちは、相変わらずのバイオレンスブラザーだった。
ぷりちーひっぷ
・異世界5日目 7:40
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そんなバイオレンスな狼さんとは違い
シバたちは出発前の準備をしてくれてたぞ。
「わふっ!」
”カバン貸してください!”
「いいけど、何に使うんだ?」
「わふっわふっ!」
”肉の在庫を確認します!”
ぶっちゃけ確認するまでもなく過剰在庫だと思った。
だって中山1つ分の肉がギッチリ収納されてるんだぜ?
ただ、シバたちのヤル気に水を差すのもアレだったんで、
要望通り【まほうのかばん】は貸し出したけどな。
ちなみにシバチェックの詳細はこんな感じだったぞ。
・【まほうのかばん】を地面に置く
↓
・カバンを囲むように5人全員で車座になって座る
↓
・一斉にカバンに頭をツッコむ
↓
・目視で確認する
カバンから肉を取り出すのではなく、ダイレクトに頭をツッコんでいくスタイル。
実に効率的。俺は好きだぞ。
何より見た目がチョー可愛いかった。
[5シバ写真①: 一斉にカバンに頭をツッコむシバファイブ (かばんパンパン)]
ちなみに↑は、シバ達がカバンに頭ツッコんだ直後の念写な。
ここから徐々に、かばんの奥底を目指して前のめりになっていくんだぞ。
「わふわふっ!」
”第3層7時の方向、在庫よーし!”
「わふわふっ!」
”第3層11時の方向も、在庫よーし!”
「わおーっ!」
”じゃあ、第4層にツッコめ―!”
更に奥の階層――つまりカバンの底を目指して頭をツッコんでいくシバたち。
もちろん頭を下げりゃ尻は上がる。
そんな当然の摂理に従い、奥へ進むにつれて徐々にシバ達のプリチーヒップが上へ上へと上がっていった。
最終的には、プールの飛び込み台で『位置に着いてヨーイ……』してる時のポーズみたいになってたぞ。
[5シバ写真②: 天へ向かって尻を突き上げるシバファイブ (ぷりちーひっぷす)]
肌を刺す冷たい風に吹かれ、もこもこ揺れるシバたちのくるりんしっぽ。
実に可愛かった。
そりゃもう、思わず悪戯しちゃうレベルのきゃわいさだった。
ってか実際に悪戯した。我慢できなかった。
もうちょい具体的に書くとだな
・ソーッと近づいて
↓
・ちょっとだけしっぽをモフって
↓
・しれーっとすっとぼける
以上。
名付けて、ピンポンダッシュならぬシバダッシュ。
実に楽しかった (満足)
ちなみにシバダッシュの餌食になったシバは、カバンから頭を引っこ抜いて辺りをキョロキョロ見回してたぞ。
「わふ?」
”どーしたの?”
「わふわふ」
”誰かにしっぽをスリッってされたような気がした”
「わふ?」
”誰だった?”
「わんっ」
”誰もいなかった”
「わふー」
”ヘンテコだね”」
「わふー……」
”気のせいだったのかなー……”
「きゃふきゃふ?」
”あ、尻尾ににおいが残ってるかも?”
「わふっわふっ」
”どうだろ?ちょっと嗅いでみて”
「うー……わふっ」
”むー……、ご主人様のにおいしかしない”
「わふー?」
”やっぱ気のせいだったのかなー?”
一斉に小首をかしげるシバファイブ。
実に実に可愛かった (愉悦)
この後、俺がシバダッシュを繰り返したことは書くまでもねぇだろう。
まぁ、3回目のシバダッシュを仕掛けたところで、ウィリアムに気取られちまうんだけどな。
当然、乱入された。
「ガウガウーッ!」
”オレも!オレもやるぞ!”
元気に吠えながら、カバン目掛けて突撃してくるウィリアムたん。はやい。
状況が理解できないシバ達をかき分けて、無理やり【まほうのかばん】へ頭をツッコみやがった。
[5シバ+1狼写真: なんとか鼻先だけカバンにツッコむことに成功した狼さん (9割はみ出てる) ]
ま、結果はご覧の有り様だったけどな!
「ガウーッ!ガウーッ!」
”むー!入んない!”
「ウィリアム、諦めろ」
「ガウガウッ!」
”ヤダ!俺もやる!”
無理だっつーの。
しばらく「諦めろ」「ヤダ」「諦めろ」「ヤダ」の応酬を繰り返してると、エドガーの興味までひいてしまった。
「ガウガウー?」
”なになにー。何かやるのー?”
「ガウガウッ!」
”お前、カンケーない!あっち行け!”
グルルッ!と凄まじい表情でエドガーたんを威嚇するウィリアムたん。こわい。
どうやら『遊びたいのに遊べない』というストレスが積もって、相当イライラしてたらしい。
でもどんなにイライラしても、無理なもんは無理なんだよ。
つー訳で、エドガーを加えて「諦めろ」「ヤダ」「なにがー?」「諦めろ」「ヤダ」「なになにー?」の応酬を繰り返していると
とうとう地面に仰向けになって『ヤダヤダ!オレもやるもん!』と駄々をこね始めやがったので、最終手段をとることにした。
仰向けのウィリアムに向かって、あーいきゃーんふらーい。
その後、無茶苦茶わしゃわしゃしてやった。
[ゴキゲン狼写真①: わしゃわしゃしてもらってご満悦のウィリアム (その代償として俺の腕がプルプルになった)]
[シバ写真①: すかさずポーションを差し入れてくれたシバ山 (さすしば!)]
もちろんエドガーもわしゃわしゃしたぞ。
[ゴキゲン狼写真②: わしゃわしゃしてもらってご満悦のエドガー (腕プル再び)]
[シバ写真②: 可及的速やかにポーションを差し入れてくれたシバ山 (さすしばぁ!)]
最後にシバたち全員を撫でまわしてやった。
[ゴキゲンシバ写真①: 頭ぐりぐりされるシバファイブ(Noプルプル)]
[ゴキゲンシバ写真②: アゴの下をわしゃわしゃされるシバファイブ(まだ大丈夫)]
[ゴキゲンシバ写真③: 首の後ろをわしゃわしゃされるシバファイブ(だいじょばない)]
[ゴキゲンシバ写真④: 最後にもう1回頭をぐりぐりされるシバファイブ(三度、腕プル)]
[シバ写真③: 如才なくポーションを差し入れてくれたシバ山 (さすしばぁぁぁぁぁぁ!)]
出発前なのに無駄に疲れたが、実に楽しいひと時だった。
「ガウッ!」
”散歩行こ!”
わしゃわしゃされてすっかりご満悦なウィリアムたん。
シバダッシュの件はスコッと記憶から抜け落ちたらしい。ところてん式記憶術。流石だわ。
シバ達に確認したところ肉の在庫チェックも完了してたんで、ウィリアムの記憶がよみがえる前に出発した。
サッと行って、サッと置いて、サッと帰る。
を目標に頑張ろうと思った。
「日記とは過去形で書くものである」という事実を思い出しました。
1話、2話あたりは辛うじて日記形式と呼べそうですが、その後は完全に無法地帯になってました。死にたい。
今更方向修正は難しいかもしれませんが、今後は極力「日記形式」を意識して書いていこうと思います。
過去投稿分は気が向いたときに修正するかもしれないです。
次回こそ農協回です。
きっとそうなるはずです。




