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俺の日常にファンタジーが突き刺さってきた その21

■どんどん増えるよ!

・異世界4日目 13:35

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問題のパパ発言した直後

精霊さんが更にチカチカ光った。


”それじゃ草生やすね!”


ちょっと待てやwwwwwwwwwww

その前にさっきのパパ発言について説明しろやwwwwwwwwwww


抗議したが、普通に無視された。チクショー。

さてはお前も人の話を聞かない系だな……?


”見ててね!”


訝る俺をまるっと無視して、更にピカピカ光り出す精霊さん。

そのまま5秒くらい光り続けた後”どっせーい!”って掛け声をあげた。


その瞬間。

祝福された地面から大量の草がズボッと生えてきた。


実に見覚えのある草だった。

ってか七草だった。


ワーオ。

イッツアミラクルファンタズィィィィ。

ウェーイ。


精霊ってスゲェ。

素直に感動しちゃったわ。


でも”どっせーい!”って掛け声はアカンだろ。

その……精霊のイメージ的な意味でさ。


”早く収穫してね!”

「ん……?お、おぅ」


急かされるまま、もっさり茂った七草を引き抜いた。

土が柔らかいのか、面白いようにスポスポ収穫できたわ。


そんな俺の姿を見て、シバ達が走り寄ってきた。


「わふっ!」

”お手伝いします!”


お、スマンな。助かるわ。

悪いがよろしく頼むぞ。


「きゃふきゃふ!」

”後はオレたちがやるので、ご主人様は休んでてください!”


だがしかし。

その提案は丁重にお断りさせていただくんだぜ。


せっかくの機会だし、皆でワイワイ言いながら収穫したいじゃん。

俺も仲間に入れてくれよー。頼むよー。


つー訳で。


絶対にここを動かんでゴザル!一緒に作業するでゴザル!

とシバ達に訴えまくったところ、割とアッサリと陥落してくれた。


”えへへー。ご主人様と一緒だって”

”一緒だって!”


しっぽをブンブン振り回しながら、大興奮するシバ達。

内心では一緒に七草摘みしたかったらしい。うへへー。


よーし、そんじゃ始めるぞー。


手始めにセリを収穫すると、シバ達もセリを引っこ抜いた。

で、シバ同士で「きゃふきゃふ」と嬉しそうにはしゃぎ合ってた。


”ご主人様と同じ―”

”俺も同じ―”


あーかわいい。シバ達がかわいい。

チョー萌えた。


この後も

俺がナズナを摘めば、シバ達もナズナを摘んで「きゃふきゃふ」

かわいい。


俺がゴギョウを摘めば、シバ達もゴギョウを摘んで「きゃふきゃふ」

実に微笑ましかったわ。


あ、そういえばホトケノザを摘んだ時に、ちょっとしたアクシデントが発生したぞ。

何と、シバ助の近くにホトケノザが生えてなかったんだよ。


俺がホトケノザを摘んだ時、他の4シバはすぐにホトケノザを摘めたが

シバ助の近くには生えてねぇから、シバ助が慌てまくった。


「きゃんッ!」

”な、ない!それない!”


でもこういう時にサッと助けあえるのがシバ達のいいとこだ。

シバ助の悲鳴を聞いた他4シバが、すかさず自分が摘んだ分をシバ助にシェアして、すぐに解決してたぞ。


”ありがとう!オレもいっしょになった!”

”おめでとー。皆いっしょいっしょ”

”ご主人様といっしょー”


可愛すぎかよ。

この後も、皆でキャッキャウフフしながら、七草を摘みまくったぞ。


で、3回目のスズナ (カブのことな)を収穫したときだったかな?

シバ吉がめちゃくちゃ立派なスズナを掘り当てた。


思わず「おー、シバ吉スゲェな」と褒めたところ

突如、『俺と同じ七草を収穫する』というルールが


”オレも立派なの探す!”

”オレも探す!”

”オレも!”


『珍しいヤツを収穫して俺に褒めてもらう』というルールに変更された。


どうやら俺に褒められたシバ吉がうらやましかったらしい。

手当たり次第に七草を収穫し始めるシバ達。


やがて。


”葉っぱが大きいのありました!”

”茎が長いのありました!”

”葉っぱがいっぱい付いてるのありました!”


特徴的な七草を収穫する度、高々と掲げて俺に報告してくれるようになった。


[シバ写真①: こんなに大きなダイコンが採れました! (嬉しそうなシバ太)]

[シバ写真②: こんなに大きなカブがもう1個採れました! (嬉しそうなシバ吉)]

[シバ写真③: 葉っぱの色がキレイなセリが採れました!(嬉しそうなシバ山)]

[シバ写真④: 大密集したセリを束ねて、ふんぬらばっ!と引っこ抜きました! (嬉しそうなシバ丸)]

[シバ写真⑤: シバ丸の真似して、ふんぬらばっ!しようとしたらスッ転んじゃったシバ助 (スッテンコロリン)]

[シバファイブ写真: みんなでスッ転んだシバ助を助けてるところ (仲良しさん)]

[テレシバ写真: 助けられて恥ずかしがってるシバ助 (かわいい)]


ホントこいつらは可愛い。

心が洗われるようだった。


あ、ちなみに狼兄弟たちはお互いに向き合ってガウガウガウガウ言い合ってたぞ。


「ガウガウ」

”ななくちゃじゃなくて、ななくしゃだぞ”


「ガウッ」

”ななくちゃ”


「ガウガウッ」

”違うぞ。ななくしゃだぞ”


どうやら言葉の授業をしてたらしい。


ただなぁ……。

非常に残念な事に、教師役のウィリアムもちゃんと発音できてねぇんだよなぁ。


そんな根本的な欠陥を抱えながらも狼兄弟の発音レッスンは続いた。


「ガウガウ」

”オレの後に続けて”


「ガウッ!」

”わかった兄ちゃん!”


「ガウッ、ガウッ、ガウッ、ガウーッ」

”なー”、”なー”、”くー”、”さー”


「ガウッ、ガウッ、ガウッ、ガウーッ」

”なー”、”なー”、”くー”、”さー”


一音づつ区切って発音すると大丈夫らしい。

ここまでは問題ない。2匹ともとても上手だぞ。ただ問題はこの後だった。


「ガウガウッ」

”おぉ、上手になったな!後はそれを続けてーー”


ここで狼兄弟が同時に息を吸い込んだ。

で、同時に言葉を紡ぐ。


「ガウガウ」

”なーなーくーしゃー”

「ガウガウ」

”なーなーくーちゃー”


つなげて発音するとダメらしい。

見事に最後の「さ」が訛ってた。


「……」

「……」


約2秒。何とも言えない沈黙が続き


「ガウッ」

”違うぞ”


「ガウガウッ」

”もう1回やりたい!”


レッスンは振り出しに戻るのであった。

あ、書き忘れてたが、この時点で3回繰り返してるぞ。


[狼授業風景: 向き合ってガウガウ言い合う狼兄弟 (でも言えてない)]


つーか、実際には「ガウガウ」言い合ってるだけなのに

細かい発音の違いをヒアリングできる俺の耳がワンダフルすぎる。


しかも日が経つにつれドゥンドゥン聞き取りがうまくなってる気がするんだよ。

きっと俺とペットたちの絆がドゥンドゥン強化されてるってことなんだろな。うへへー。


って、いかんいかん。

すっかり脱線しちまったんで話を戻すぞ。


シバ達が手伝ってくれたおかげで、七草の収穫は10分くらいで終わったぞ。


しっかしスゲェ量だ。

地面にこんもりと積み上げた七草を眺めつつしみじみ思ったわ。


一体、何百人分の七草粥が作れんだろなコレ……。

ぶっちゃけこんなにいらない。近所にお裾分けするにしたって多すぎだわ。


だからって、野菜代わりにモリモリ食うようなもんでもねぇんだよなぁ。

だって、あんまり美味くねぇじゃん七草って。


縁起物だからこそ食ってるが、決して好き好んで食いたい食材じゃねぇ。

こんなん食うよりも、普通に白菜とかキャベツとか食いたい派だわ。


いっそのこと、余った分は捨てちゃうか?

いやいや、せっかくシバ達が手伝ってくれたんだ。そんなヒドい事は出来ねぇわ。


とか迷ってると、ふよふよ浮遊してた精霊さんが再びチカチカと光り始めた。

そして衝撃のセリフが放たれた。


”そろそろ次のが生えてくるよ!”


え……。

まだ生えてくんの?





■どんどん増えるよ!どんどん増えるよ!

・異世界4日目 14:20

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もう七草はいらん。

頼む。もう勘弁してくれ。お願いだから止めてくれ。


そんな俺の悲痛な叫び対し、精霊さんは無慈悲に応えた。


”無理!”


精霊さんの魔法というのはブレーキの壊れた車みたいなものらしく

一度走り出したが最後、燃料を全てを使い切るまで止まらないらしい。


要するにだ。

いったん七草を生やしたが最後、SPが枯渇するまで七草が生え続けるらしい。


何だよ、そのはた迷惑な一方通行は。

正直放置して帰りたかった。


が、精霊さん曰く、それをやっちゃうと大変なことが起こるらしい。

んなこと言われたら、収穫し続けるしかないじゃんかよ。


つー訳で、ここ30分くらい俺&シバちゃんズは七草を収穫しまくってた。

まぁ、シバ達が楽しそうに作業してくれてたのが唯一の救いだったわ。


でもな精霊さん。いくら何でも限度ってもんがあんじゃね?

これで4回目だぞ4回目。そろそろ終わってもいい頃合いだろ。


「まだ続きそうなのか?」


曲がった腰を伸ばしながら、精霊さんに探りを入れる。

のんきにふわふわ浮遊してる精霊さんは、これまたのんきにチカチカ光った。


”あと1回くらい!”


ヴェェェェ……。

ま、まだあんのかよぉぉぉ……。


「これじゃ、わんこソバならぬ、わんこ草だなぁ……」

思わずボヤく。

と、シバ達が作業の止め、一斉に俺の方へ走り寄ってきた。


”呼びましたか?”

”ご用ですか?”


ん……?いや、呼んでないが。

一瞬、意味が分からんかった。


が、すぐに原因に思い当たった。


あ、違う。”わんこ”ってそういう意味じゃねぇんだ。お前達のことじゃねぇ。

呼んでない呼んでない。特に用事もないんだ。


すぐに勘違いを訂正しようと思ったが、キラキラ輝いた表情で俺の言葉を待つシバ達に『勘違いだから、持ち場に戻れ!』とは言えなかったわ。


結局。

「スゲェ頑張ってくれてるから、撫でてやろうと思ってな!」

気づいたときには、こんなセリフを口走ってた。


この後、むちゃくちゃ撫でくり回してやった。

あ、もちろん無事に七草も摘み終えたぞ。


何にせよ、無事に任務が達成できてよかったぜ。


「この無能がァ!」って叫びながら槍をブッ刺されるフラグが折れただけでも

今回は実りの多い散歩だったわ。


まぁ、それ以外にも


覚醒しちゃったり

アクティベーションしちゃったり

さらに覚醒しちゃったり

またまたアクティベーションしちゃったり

球が生まれたり

パパになったり。


マジで色んな事があったんだけどなぁ…… (白目)

何かドッと疲れたわ。


ペットたちと戯れだすと全く話が進みません。


20話過ぎても自宅周辺をふらふらしてる小説ですが、

よろしければ今後ともお付き合いくださいますと幸いです。

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