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勇者落第、魔物清掃員29歳。〜異世界の呪物を回収してたら「魔神」になったけど、正体を隠して新人勇者からやり直します〜  作者: 仁胡 黒


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第19話:禁忌の森、最適化される戦場。

いつも応援ありがとうございます!

ランキング選抜戦がスタート!

正面突破を繰り返して疲弊するレオと、清掃員の知識で効率的に「近道」を攻略するケンジ。

二人の戦術の違いが、早くも順位に影響を与え始めます。

【異世界:聖教国 禁忌の森・入口】

 『禁忌の森』。かつて大規模な魔神災害が発生し、今は濃密な呪力に覆われた死の領域。ここがランキング選抜戦の予選会場だった。

 集められたのは、ギルド選抜の勇者たち。その中心で、レオは周囲を圧倒するような輝きを放っていた。

「今回の予選は、森の深部にある『魔力核』の回収数で競う。効率を重視しろ。無駄な戦闘は時間の無駄だ」

 レオの言葉に、他の勇者たちが感嘆の声を上げる。

 だが、俺の目には森の景色が全く違って見えていた。地面に堆積した腐葉土の中には古びた呪具が埋まり、樹木は魔力の過剰摂取で異様な変異を遂げている。

(……この森、構造が崩壊しかけてるな)

「ケンジさん、何か気になることでも?」

 マナトが俺の顔を覗き込む。俺は首を横に振った。

「いや、なんでもない。……ただ、この森、普通に突っ込むと罠だらけだぞ。レオみたいに正面突破してたら、後半で魔力が枯渇する」

「えっ、じゃあどうするんすか?」

「『掃除』する。……近道をな」

 スタートの合図と共に、勇者たちが一斉に森へ駆け出す。レオもまた、自慢の光輝く剣を振るい、道を塞ぐ魔物を一撃で粉砕しながら先頭を走っていた。

 俺たちは逆のルートを取る。

 俺は魔導銃の出力を極限まで絞り、地面の「魔力流」に干渉するように弾を撃ち込んだ。

 ドォン、という小さな音と共に、地面が隆起する。

 そこは魔力核が地中に沈殿している場所だった。他の勇者が魔物の群れと格闘している間に、俺は土を掘り返し、淡々と核を回収していく。

「……ケンジさん、速すぎませんか? これ、他の人たちが数時間かけて回収する量を、五分で……」

 マナトが呆れ顔で呟く。その時だった。

「……貴様、何をしている!」

 森の奥から、レオが戻ってきた。彼の鎧には魔物の返り血がつき、荒い息を吐いている。正面突破の最中に、迷宮のような森の構造に阻まれ、行き止まりに当たったらしい。

「近道を見つけただけだ。……お前さんも、力任せにやるより、少しは『ゴミ』の整理を学んだ方がいいぞ」

 俺の言葉に、レオの顔が怒りで赤く染まる。

 ランキング戦は、まだ始まったばかりだ。

第19話をお読みいただきありがとうございました!

レオの「勇者らしい」派手な戦い方と、ケンジの「プロらしい」泥臭い(でも合理的)な戦い方の対比を意識しました。

レオがケンジのやり方に不信感を抱き、激しい対立へと発展していく予兆です。

次回、この予選でさらに波乱が……!?

面白いと思っていただけたら、ぜひブックマークや評価をお願いします!

複数作品を書いてますのでもしよろしければ、評価やブクマで応援いただけると、こちらの作品を優先して進める目安になるので推してくだされば幸いです!

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