第19話:禁忌の森、最適化される戦場。
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ランキング選抜戦がスタート!
正面突破を繰り返して疲弊するレオと、清掃員の知識で効率的に「近道」を攻略するケンジ。
二人の戦術の違いが、早くも順位に影響を与え始めます。
【異世界:聖教国 禁忌の森・入口】
『禁忌の森』。かつて大規模な魔神災害が発生し、今は濃密な呪力に覆われた死の領域。ここがランキング選抜戦の予選会場だった。
集められたのは、ギルド選抜の勇者たち。その中心で、レオは周囲を圧倒するような輝きを放っていた。
「今回の予選は、森の深部にある『魔力核』の回収数で競う。効率を重視しろ。無駄な戦闘は時間の無駄だ」
レオの言葉に、他の勇者たちが感嘆の声を上げる。
だが、俺の目には森の景色が全く違って見えていた。地面に堆積した腐葉土の中には古びた呪具が埋まり、樹木は魔力の過剰摂取で異様な変異を遂げている。
(……この森、構造が崩壊しかけてるな)
「ケンジさん、何か気になることでも?」
マナトが俺の顔を覗き込む。俺は首を横に振った。
「いや、なんでもない。……ただ、この森、普通に突っ込むと罠だらけだぞ。レオみたいに正面突破してたら、後半で魔力が枯渇する」
「えっ、じゃあどうするんすか?」
「『掃除』する。……近道をな」
スタートの合図と共に、勇者たちが一斉に森へ駆け出す。レオもまた、自慢の光輝く剣を振るい、道を塞ぐ魔物を一撃で粉砕しながら先頭を走っていた。
俺たちは逆のルートを取る。
俺は魔導銃の出力を極限まで絞り、地面の「魔力流」に干渉するように弾を撃ち込んだ。
ドォン、という小さな音と共に、地面が隆起する。
そこは魔力核が地中に沈殿している場所だった。他の勇者が魔物の群れと格闘している間に、俺は土を掘り返し、淡々と核を回収していく。
「……ケンジさん、速すぎませんか? これ、他の人たちが数時間かけて回収する量を、五分で……」
マナトが呆れ顔で呟く。その時だった。
「……貴様、何をしている!」
森の奥から、レオが戻ってきた。彼の鎧には魔物の返り血がつき、荒い息を吐いている。正面突破の最中に、迷宮のような森の構造に阻まれ、行き止まりに当たったらしい。
「近道を見つけただけだ。……お前さんも、力任せにやるより、少しは『ゴミ』の整理を学んだ方がいいぞ」
俺の言葉に、レオの顔が怒りで赤く染まる。
ランキング戦は、まだ始まったばかりだ。
第19話をお読みいただきありがとうございました!
レオの「勇者らしい」派手な戦い方と、ケンジの「プロらしい」泥臭い(でも合理的)な戦い方の対比を意識しました。
レオがケンジのやり方に不信感を抱き、激しい対立へと発展していく予兆です。
次回、この予選でさらに波乱が……!?
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