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勇者落第、魔物清掃員29歳。〜異世界の呪物を回収してたら「魔神」になったけど、正体を隠して新人勇者からやり直します〜  作者: 仁胡 黒


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第16話:解体師の疑心と、守られる嘘。

いつも応援ありがとうございます!

廃坑での一件を終え、一番隊に報告へ向かうケンジたち。

サハクやルミの鋭い追求を、マナトの必死(?)なフォローが救います。

【異世界:聖教国 一番隊訓練場・控室】

 廃坑から帰還した俺たちは、そのまま一番隊の作戦室で事後報告を行っていた。

「……以上が、今回の任務の全容です。魔力の凝固ポイントを特定し、安全な形へと中和しました」

「中和、ですか。ケンジさん、あれは一般的な浄化術式とは全く違う魔力操作でしたね。一体、どこの術式を学ばれたのですか?」

 サハクが穏やかな笑みを浮かべながらも、鋭い視線を向けてくる。一番隊副隊長としての観察眼は、やはり侮れない。

「あー、まあ、なんだ。清掃員時代に独学で覚えた、ゴミを処理するための荒療治というか……」

「……荒療治で、あんなに綺麗に魔力汚染を消し去るなんて。普通じゃ考えられないでしょ…」

 ルミが腕を組み、不審げに俺を見つめる。彼女の直感は鋭い。このままでは、俺の「魔神の力」が露見するのも時間の問題だ。

 すると、沈黙を破るようにマナトが前に出た。

「あの、ルミさん! ケンジさんのあれは、独自の……なんていうか、清掃器具の極致ですよ!」

「はあ? 何言ってるのよ、マナト」

「見ていればわかります! ケンジさんはずっと、現場で泥を被りながら魔物と向き合ってきたんです。僕たちには見えない『汚れ』の捨て方を知っているんですよ。ケンジさん、これからもご指導、お願いします!」

 マナトは俺に向かって深々と頭を下げ、その後ろで俺に「後はお任せください」とばかりにウィンクをした。……こいつ、どこまで勘がいいんだ。

「……ふむ。マナトがそこまで言うなら、今回の成果はケンジの技術によるものとして受理しよう」

 ガドルが重々しく頷く。俺は内心、深く安堵の息を吐いた。

 その日の夜。端末を開くと、凛からのメッセージが届いていた。

『……ケンジ。一番隊での活動、少し目立ちすぎじゃない? あんたのエネルギー反応、隠しきれなくなってきてるわよ。次からは、もっと慎重にやりなさい』

 俺はため息をつき、誰もいない夜の街を見つめる。

 魔神の力を宿してしまった宿命。そして、新人勇者として生きたいという願い。その狭間で、俺の「掃除」はどこまで通用するのだろうか。


第16話をお読みいただきありがとうございました!

ケンジの隠し事を、相棒のマナトがピュアな誤解で守り抜く……そんなバディの絆を描いてみました。

サハクも疑ってはいますが、今はまだ様子見というスタンスです。

ケンジの「魔神の力」が少しずつ漏れ出していく焦燥感と、凛からの警告が今後の展開を加速させていきます。

面白いと思っていただけたら、ぜひブックマークや評価をお願いします!

複数作品を書いてますのでもしよろしければ、評価やブクマで応援いただけると、こちらの作品を優先して進める目安になるので推してくだされば幸いです!

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