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勇者落第、魔物清掃員29歳。〜異世界の呪物を回収してたら「魔神」になったけど、正体を隠して新人勇者からやり直します〜  作者: 仁胡 黒


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第14話:一番隊の洗礼と、抑えきれぬ魔神の渇望。

いつも応援ありがとうございます!

一番隊へ配属されたケンジ。好戦的なガドル隊長による容赦のない腕試しと、間一髪で止めに入ったサハクの介入。一番隊の洗礼を受けたケンジの緊迫した日々が幕を開けます。

【異世界:聖教国 一番隊訓練場】

 勇者ギルドの中でも精鋭中の精鋭が集う「一番隊」。訓練場に足を踏み入れた瞬間、肌がひりつくような殺気に包まれた。

「今日からここが貴様らの戦場だ。……おい、佐藤ケンジ。新人だからと手加減はせんぞ」

 ガドル隊長が不敵に笑い、巨大な剣を地面に突き刺す。その瞳には、武人特有の狂気じみた好戦色が浮かんでいた。一番隊預かりというギルドの処置を、彼は「力で測る絶好の機会」と捉えているようだ。

「……隊長、俺はただの新人です。そのような」

 言いかけた言葉は、ガドルが放った圧倒的なプレッシャーによって遮られた。

「来い! その戦場で魔神を霧散させたという『技術』、俺の剣で直接味わわせてもらおうか!」

 ガドルが踏み込んだ。大地が割れ、回避不可能な重撃が俺を襲う。

 防御に回るだけでは殺される。俺は咄嗟に魔力を練り上げた。――いけない。封印を解けば、魔神としての俺がバレる。

 だが、ガドルの刃は容赦なく俺の首筋を撫でる。反射的に魔神の黒炎が纏いかけたその時。

「そこまでです、隊長!!」

 鋭い声とともに、サハクが俺と隊長の間に滑り込んだ。ガドルの剣は、サハクの盾で間一髪受け止められ、訓練場に凄まじい衝撃波が広がる。

「……ふん。サハク、余計なことをするな」

「そこまでにしておかないと、一番隊の貴重な戦力が消し飛んでしまいますよ」

 サハクの冷静な言葉に、ガドルは鼻で笑う。俺は膝をつき、必死に荒い息を整えた。今の攻防で、俺はあやうく『魔神の本能』を解放するところだった。

 控室に戻り、端末を開く。凛からの警告が届いていた。

『……ケンジ。今のエネルギー反応、何? あなた、死にたがってるの?』

「……隊長が、あまりに楽しそうだったからな」

 俺は端末を閉じ、窓の外を見つめる。

 一番隊という檻は、思った以上に窮屈だ。だが、この環境で生き残る術を身につけなければ、俺の「やり直しの勇者生活」は、一瞬で終わるだろう。


第14話をお読みいただきありがとうございました!

ガドル隊長の「力への執着」と、それに反応してしまうケンジの「魔神としての本能」を衝突させてみました。

サハクが止めに入ることで、彼が一番隊のブレーキ役であることも強調できたかと思います。

一番隊での生活に慣れる暇もなく、次はさらなる試練(任務)が待っています。

面白いと思っていただけたら、ぜひブックマークや評価をお願いします!

複数作品を書いてますのでもしよろしければ、評価やブクマで応援いただけると、こちらの作品を優先して進める目安になるので推してくだされば幸いです!

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