表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者落第、魔物清掃員29歳。〜異世界の呪物を回収してたら「魔神」になったけど、正体を隠して新人勇者からやり直します〜  作者: 仁胡 黒


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/25

第13話:審問の影、そして「共犯者」たちの戦略。

いつも応援ありがとうございます!

魔神の一撃の代償として訪れた勇者審問。ケンジと凛、二人の「共犯関係」がここから本格的に動き出します。

審問官として、またゼノンの登場、ケンジの力の解明を要求する審問が開始される。

【異世界:聖教国 戦場跡地】

 魔神の残滓が霧散した戦場。荒野には深い静寂が満ちていた。

 先ほど、俺が放った魔神の一撃は、どう言い繕っても隠しきれるものではなかった。ルミは青ざめた顔で震え、マナトは俺の横で硬直したまま動けない。

 彼は知っているのだ。あの力の異常性を。通常の勇者が持ち得る範疇を、遥かに逸脱していたことを。

 沈黙を破ったのは、勇者ギルドの使者だった。

「……佐藤ケンジ。貴殿の起こした現象について、ギルドより『勇者審問』への召喚状が届いている」

 俺は深く溜息をつく。来るべき時が来た。

 即座に通信機を取り出し、現世の凛へと回線をつなぐ。

「……凛、悪い。俺、死ぬかもしれない」

『落ち着きなさいよ。……審問ね。状況は把握してるわ』

 凛の冷徹な声が、不思議と俺を落ち着かせる。

「……今回の審問、俺の弁護人として出席してくれ。…まだ話してなかったが、俺の体の中には魔神の力が宿ってるんだ…」

『知ってるわよ?』

「黙っていてすまな…ん?」

『知ってたってば。何年一緒にいたと思ってるのよ。分かるわよ。まったく』

俺は今、どんな顔をしてるだろうか…、たぶん間の抜けた顔をしてるだろうな。

「そうか、なら話が早い。俺はこの魔神の力のことを全て話そうと思ってる」

『バカ言わないで。そんなことしたら、あなたは即座に解剖対象よ。……いい? あなたの力は、私が開発した『魔神エネルギー変換デバイス』による出力補正。それをギルドに主張するわ』

 知っている、という凛の声音に、俺は肩の力が抜けるのを感じた。凛はとっくに全てを見抜いていたのだ。

【異世界:勇者ギルド 審問の間】

 審問官の席に座るのは、冷酷な男として名高いゼノンだった。

「佐藤ケンジ。貴殿が用いたあの魔力……到底、新人勇者の装備で放てる代物ではない。説明を求める」

 隣に立つ凛が、淀みなく言い放つ。

「国立異世界資源研究所が開発した、対魔神用試作重火器。その出力の『許容値』を、ケンジの特異な適性で上書きしたに過ぎません。理論上の数値計算は全てここにあります」

 ゼノンは眉をひそめ、冷ややかな視線を俺に突き刺した。

「……所詮は研究所の機材頼みか。だが、その危険な火種を戦場に持ち込んだ罪は重い」

 審問の結果は、当初の予想とは少し違った形に着地した。

「貴殿の処分は保留とする。ただし、今後一切の単独行動を禁じる。今日より貴殿ら三名は、ガドル隊長率いる『一番隊』預かりとする」

 一番隊。すなわち、ガドル隊長の厳しい監視下。

 俺はマナトとルミと顔を見合わせる。

「……逃げ場はないな」

「ケンジさん、これからが本当の地獄になりそうですね」

 マナトが苦笑する。ルミもまた、複雑な表情で俺を見つめていた。

 魔神の正体は守りきった。だが、一番隊という名の檻に入れられた俺たちの戦いは、ここからが本番となる。


第13話をお読みいただきありがとうございました!

「魔神の力」を凛が「最新鋭兵器の出力補正」として堂々と論破するシーンは、書いていて非常に爽快でした。

審問という緊迫した場を乗り越え、いよいよガドル隊長の監視下へ……。一番隊での生活がケンジにとってどういうものになるのか、今後の展開にご期待ください!

面白いと思っていただけたら、ぜひブックマークや評価をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ