22 鬼の王 開戦
オーガキングの確認から3日。
摩耶山のダンジョン入口を守るように、急造の砦が完成していた。
もちろん俺もただ見ていたわけじゃない。
迂飛行系モンスターに火炎瓶やら油の樽を乗せてぽんぽん落としたり、作業中のモンスターを弓で攻撃したり。
考えられるあらゆる手を使って妨害を行った。
だが、モンスター達の作業量に押し切られて今に至る。
言ってみれば機動力と操作性に富む重機数千台分の作業量だからな……
放置してたらそのうち城でも建ちそうな程の勢いだった。
「……閉じこもってくれるならこっちとしても大歓迎なんだけど?」
だが、そんな願いが叶うはずもなく。
翌日、彼等は動き出した。
「夜に来なかったのは不幸中の幸いかな……5分で出るぞ!支度をしろ!」
「はい!」
うちの戦力は……
Aランク
スケルトンキング×3。
リッチ×3
デュラハン×2
Bランク
スケルトンジェネラル×10
デスナイト×10
スケルトンワイバーン×5
他。
それで俺が……
=====
黒木 秋斗
人間
魔王
Lv.36
HP:456440750
MP:399645150
筋力 105700120
防御 74522120
知力 85077250
俊敏 89655132
器用 95540140
魔防 85424480
【種族スキル】
【職業スキル】
迷宮生成
迷宮管理Ⅵ
迷宮操作Ⅳ
意思疎通Ⅵ
【特殊スキル】
案内人
【スキル】
称号:
▼ログ
=====
ステータス平均8800万。
Sには届かないものの、Aランクの中ではトップクラス。
「黒木様。準備が整いました」
「よし。美禰子はまだか?」
「終わりましたよ、黒木様。全員分配り終えました」
こちらが黒木様の分です、と包みを渡される。
不安げな顔をしているので、ニヤリと笑って言ってやった。
「終わったら電話するから、飯でも作って待っていろ」
「はい……ご武運を」
「行ってくる」
キング1体にジェネラル2体を含む2000体のみを防衛に配置して残り25000余りを全て率いて、西へ向かった。
普通なら、全体の9割以上もの兵を動員するなんて正気の沙汰ではないと思う。
でも、やっぱり世界はもう普通じゃなくなったのだ。
万の軍に匹敵する個も居れば、1体で複数の国を滅ぼす個も居る。
上空から見る限り、敵は約3万。
うちSランク1、Aランク17、Bランク62。
これは25000対30000の戦いだが、8対18でもあり、そして結局は1対1の戦いとも言える。
勝算は、ある。
「行こう」
4時間後、俺たちはオーガキングの軍隊と向かい合っていた。
向かい合っていた……と言うが、市街地の為、建物の残骸で敵の様子が見えないところもある。
正三も泰介もどうしていいか分からんらしい。
ゲリラ戦はやったことないのか?孫子はなんて言ってるんだ?
仕方が無いので、上空から見た様子を伝えてやった。
「やはり、統率が取れていますな」
「だが、オーガは4、5千くらいか。やはりゴブリンとオークが大半ですな」
それをふまえると、彼等が半月で狩ったオーガ1000はかなりの数だ。
それで怒って出てきたのかな?
「用兵の法など知らんが、高ランク同士の戦いなら兵法は要らん。俺は中央を持つ。正三、泰介、お前達は左右だ。『念話の耳飾り』はあるな?」
さて…………
戦争って、どうやって始まるんだ?
こちらはダンジョン内で戦いたいから突撃はしたくないんだが……
向こうはなかなか動こうとしない。
なにか誘ってるのか?
…………よし。
「【火魔法】【魔法強化】【火精の加護】【二重詠唱】【無詠唱】」
眷属達の大量のスキルは全て頭に入っている。
明らかに記憶力が良くなっているが、恐らく”知力”が上がったからだろう。
魔法の威力や精度に影響を与える知力だが、その言葉の通り知能にも関係しているようだ。
もっとも、比例しているという訳ではなさそうだが。
「杖を寄越せ」
傍に控えるリッチが、手に持つ杖を恭しく差し出した。
賢者の杖。
中でもこれは火竜の素材を使ったもので、火属性の魔法威力増幅率は他を大きく引き離す驚異の2倍。
「離れていろ。いくぞ…………」
ここ半月、漫画やアニメ、映画、写真で想像力を養ってきた。
さらに、【無詠唱】の効果でイメージが補完される。
今まで使い切ったこともない魔力が、信じられない勢いで減っていく。
「炎熱世界────!!!」
前方へ放射状に広がる炎の波が、破壊され尽くした住宅跡地を覆い、オーガキングの軍を飲み込んだ。
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最近、✩とか♡とか謎の記号とかをやたらとうちたくなる症候群に
٩ڡϖงζΓюъ
なんて言う文字なのかも分からずに……




