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(8)【裏】
「こいつらいったいなんなんだ!」
上司のほうの男が、嘆くように、叫ぶ。
「アホなのか、家族思いなのか、アホなのか、殺し屋なのか、わけわからんな」
部下のプログラマが淡々と苦い顔をする。
「その上、月読、とかいったな。とするならば、まさか、あの「老師」剣崎月読だというのか? ……ありえんぞ、そんなこと」
「俺も名前は知ってる。いちおうこんな職業だからな……こいつも『神討ち』なんだろ?」
「もしそうだとしたら、もしこの『月読』がホンモノの剣崎老師だとしたら。……そいつの性別はどうなってる?」
「……ジーザス、目論んだとおりだよ、情報通り、男でも女でもない。ありえねえ。性別が検出されない、って、どんな生きもんだよ」
「間違いない。剣崎月読だ。ありえない……あり得んぞ……よりにもよって、セリゼ・ユーイルトットと剣崎月読のコンビだと……」
「『よりにもよって』?」
「『神討ち』の中でも、な、そいつらふたりは」
男は苦々しく言う。
「最強最悪と言われてるんだよ」
ふたりを見つめるようにして、ハイエンド魔導コンピュータが、橙に、青に、明滅する。それはまるで宝石のよう。そう、宝石のように、ときに弱者をあざ笑うかのようにして。




