星詠み(1)
フレアののんびり日常話の途中ですが、突如バグ的にこの話がはいります。
なお、(1)としてますが、続くかどうかは未定です。明日かもしれないし、一年さきかもしれない……
偶蹄目の夢を見ている。
星のアルペジオ、かたかた流れ。
定められし機械の愛の言葉は、かけあって、やがて潰えて。
そんな夢を見て。
さあ、終点に向けて光のアンコール、5、4、3……
ふと、気がつくと、【星詠み】は目を覚ました。
満点の天蓋の下には、ただひとつのベッドだけあり、あとはまっさらな草原。水源。ゆるやかに。
ナユタに広がるその地平は、まさにこの星の極北にして、人跡未踏の極点たる。
おお、その冷たき風よ。凍えて死ぬほどの冷たき風。
それなのに、その青年--星詠み、と称される特異点存在。彼岸と此岸の渡し守。彼はのんきにあくびをし、ふわあ、と声を上げて、起き上がり、ベッドの上でうつらうつらしている。
彼が目覚めたことは--またこの世界にとって、ろくでもない奇跡的なニュースで沸くことだろう。
またこの世界において、か細い人間の権利のために、神すら殺す戦いが巻き起こることだろう。
それを知ってか知らずか--いや、彼は知らないわけがない。星の挙動を詠み、知り、すべてを把握する彼。賢者ではない、異常の賢。
だが、彼は今は呆としている。何かの胎動のように。そう--序曲は、いつだってある程度は静かなのだ。
かくして、「神討ち」のひとつ【星詠み】は目覚めた。
それは、このレッズ・エララの世界において、ふたたび何かがはじまるということ……の、きざしの、ひとつ。
星詠み、睡眠時間、ゆうに三年と三ヶ月。
まあ、キーポイントにはなるでしょう。




