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「釣れますか?」


テンプレ質問を投げかけるキギフィ。


「まあまあね」


その女性は淡々と答えた。そしてキギフィに聞く。


「今日は呑んでないの?」


「そんな日もあるよ」


「あなたの口から聞くと、すごい嘘臭い」


「ひどいね」


そうして、二人は微笑み合う。つまりは、それくらい気の置けない間柄、ということ。


唐突に、ひょい、と、釣り人は竿を揚げる。


そこには、煌々と火をともす、魔術ランタンが引っかかっていた。


流水にさらされているものの、不思議なことにサビてはいず、少々の汚れを取れば、充分に実用に耐えるどころか、なかなかの古物アンティークである。


それ以上に不思議なのは、湖を流れているうちで、こうして灯りがともっているということなのだが、このようなことは、釣り人にとって日常茶飯事のチャメシであるらしい。たまに喰うと、「なかなか質実なモノを食べてるな……」と、美味しいもんだよ? 茶飯。


どうでもいいハナシに逸れたが、どっちにせよこの話の大元も結局はどうでもいい類の話であるからして(小説がそれを言うかね?)。


まあとりあえず、釣り人とキギフィの会話に戻そう。


「相変わらず変な物釣ってるね」


「今日は魚は不調ね。代わりにガジェットなら、そこそこの釣果よ」


そう言って、クーラーボックスに視線を落とす。


キギフィがそれにつられて見てみると、その中には、様々なモノ――平たく言えば、先ほどキギフィが探し求めていたようなガラクタが詰まっていた。


星屑の欠片。


盗めないはずの秘玉。


生き物のような、蒸気機関アイテム


なんでそんなモノが釣れるのか、と疑問に思う向きも多かろうが、キギフィにしても同じことを思っている。魚を釣るのと訳が違うだろうに。


「よくもまあ、毎回、そんなけったいなものが引っかかるね」


呆れコミ、しかしやはり感嘆の声で、キギフィが言う。


「無心に竿をおろしているとね」釣り人は言う。「いろいろなモノが引っかかってくれるのよ」

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