(7)
なんてことを、ぼんやりと考えながら、ビーチコーミング。
砂浜から目を転じて、町の背後に鬱蒼と茂る森、山や、遠くの対岸に鬱蒼と茂る森、山、そういったものを見る。
それらが暗ければ暗いほど、「ああなるほど」的に、夜の深さというのが、ビジュアルに、そしてフィーリング的に、実感出来てくる。
「そういうもんかね?」とお思いの方は、夜三時に公園に行ってみるがよろしい。ただし、何か起きても筆者は知らんが。
さて、何かが起きても片手で対処出来る類の人間・キギフィは、その樹々の暗さを見て、その「夜のメタファー」具合を見て、必然的に自分が今、孤独であることを染み渡る。
静かに凪ぐ湖にしたってそう。
痛いほど白い星をたたえる北の空にしたってそう。
私はきっと、自由。
そして、この町に守られている。
安らいでいる。
そんな感覚は、本当にこの世に生を受けてから、ついぞ味わったことのない感覚だった。
この町に来てはじめて……。
彼女には、帰るべき家がある。そのことがたまらなく嬉しい。
セリゼが、月読が、フレアが、人外であろうと、何の問題があるというのだろう?
こうして、自分を受け入れてくれるのだから。
彼女は湖の浜辺を歩く。
忘れられた宝物を探して。
それは確かにガラクタ、けれど美しく、そして宿命的に孤独な、まるで自分のような――ああ、言葉が過ぎた。ともかくも、それらは、キギフィの心を、自然に引き寄せた。
淡々とキギフィは彷徨を続ける。
「今日の収穫は……あんまナシかな」
流木集めは散々したし、ジャンク集めも、今日はこれといったモノが見当たらない。
そんな日もあるだろう。
いや、そんな日ばかりだからこそ、たまの「お宝発見」が、とたんに色めきたってくるのだ。
「釣りみたいだね」
それを思ったとき、キギフィの前方の桟橋の先っぽに、ひとりの釣り人が針を垂らしているのを、彼女は見た。
――出来過ぎだって。
苦笑しながら、キギフィは、その釣り人のところに歩いていく。
彼女のこの町で出来た、友達のところへ。




