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「よく生きてるよね」


乾いた笑い。


それをある程度客観視出来る程度には、彼女もその現役から退いて。


「何だかいろいろあったような気がするけど……私もババアになったのかな?」


と呟いてみて、その言霊にorzのポーズをちょっととりたくなったが、それはさておき。自分のジジババ認識って、ある程度歳喰うと、結構くるぜ?(実体験)


ただ、それにしても、とても静かだ。静かな心持ちだ。


イーシィ湖の水面はたゆたい、静かに澄んでいる。それと同じくらい。


そう、この湖は、この町に住む者にとって、町の象徴というだけでなく、己自身のメタファーでもある。


ふいに、手や足をぶらぶらさせてみる。


そこに、自分の手足が繋がっていることにすら、不思議な心持ちを抱いてしまうのだから、自分もヤキが回ったか、と自嘲するキギフィであった。


「今までの私はなんだったっつの……はは、修羅か。うん、修羅だな。槍を振り回し、両の手で何丁もの銃を使い回し、駆け抜け、切り刻み刺し、……ああ、そういえば、あの戦闘用ゴーグル、マジで鬼の面だったじゃん……ま、後悔はしてないけどさ」


自嘲めいた口ぶりではあるが、そこに悲壮感はない。


もうそういったところは離れた、というか。自己憐憫もない。


あるのは、ただ「懐かしいな」という記憶だけ。


そのくらいには、彼女も、この町に、ほだされたのか。安らぐことが出来たのか。


少なくとも、夜明けの散策を楽しめる程度には――。

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