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果たしてこの家の連中は何か、というと、主人公たちである、としか筆者としてはとりあえず的に言うしかないのだが、しかしご覧の通り、暇人たちである。


ざっとこれまでの四人の経歴を説明すれば、



セリゼ:吸血鬼に迫害を受け、それを返り討ちにして、結果神すら殺して、もうこれからどうしようかと思いながら世界を放浪していたら、最終的にフレアの家に転がり込んだ。



月読:世界を放浪していて、とある事件で神を殺して、その後も世界を放浪して、セリゼの誘いでフレアの家に居候することになった。



フレア:研究の最前線から一歩引いて、ほうき星町に家を構え、暇人三人を迎え入れている。



キギフィ:世界最強の特殊部隊を抜け、どこかでのほほんと暮らせる場所はないかいな、と世界をあちこちうろうろしていたら、いつの間にかフレアの家の居候になっていた。



略歴をざっと書くとこのようなものになるのだが、それにしても、人生無軌道というか、成り行きまかせというか。


何気にすごいことが書いてあるような気がするが、実際すごいのだが、こうも暇人モード全開だと、ありがたみというものがない。凄みもない。


……が。


もっともこの四人は、あるいはほうき星町に集まってくる連中というのは、そういった己の「凄み」から逃げだす、という意味で、この町を必要とする。


凡夫はそれを羨ましがるだろうが、そんなことは知ったことではナイ。彼らは彼らの幸福を得る代わりに、彼らにしか得られない地獄をさんざっぱら得ることとなった。地獄的に。


幸福のカタチは大概一緒だが不幸のカタチは人それぞれだと言うたのはドストエフスキーだったかトルストイだったか。それの当否は読者がウィキペディアあたりで調べてくれたらよかろうと思うが(小説がそれでいいのか)、問題は、ドストエフスキーにせよトルストイにせよチェーホフにせよ(増えた)、その辺の人間認識とやらは、あの時代のロシア文学者は、そして十九世紀末にあった全世界の文学者にとっては、わりかし共通していたものだったのではなかろうかと思う。


そしてその問題は、全然変わっていないのだ。二十一世紀のこの現代社会でも、このレッズ・エララにおいても。


我々は我々の人生を生きる他ない。ということは我々自身の、外的内的問わず、「自身の地獄」を生きなければならない。


セリゼは「同族殺し」を。


月読は「脱人間」を。


フレアは「最先端の孤独」を。


キギフィは「特殊部隊」を。


そのように生まれついた――そのように「素晴らしく」生まれついたからには、とっても素敵な地獄が待ちかまえていたのだ。


――馬鹿らしい。


つくづくそう思った「彼ら」は、そのルールから逃げた。


そんな彼らの町が、ほうき星町である。


だから、そんな彼らが安らいで、呑気に、暇人として暮らしていることは、彼らにとって、言わば「物語の後日談」的な生なのだ。


人生のクライマックスを終わり、ちょうど今はエピローグみたいなものである。余生とは言いすぎではあるがそんなに言いすぎでもない(どないやねん)。


だからこの物語は、そもそもが盛り上がらないというか、盛り上がり(ドラマツルギー)がそもそも終わったところからお話がはじまっているのだから、ムネがドキワクするようなモノとははじめから無縁のものと思っていただいた方が、こっちとしても助かるというか、事実である。


つまり、この物語は、暇人が暇人のために送る、暇人たちを描いた暇人物語であり、スピード感とかダイナミックさを小説に求める方々は、マジで電撃文庫にはそういった物語群が宝庫的にあるのだから、そっちで存分に味わっていただきたく思う所存。


じゃ、この物語は何のためにあるか? 


……言ってみれば、暇人どもの生態観察、的な。


あるいは、そこから何らかのケーススタディが得られればいいな、と筆者は思っている。


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