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(7)

すっとぼけた返答をしたのは、この家の居候第二号にして、超絶美少女であった。


名をばキギフィ・シロップ。


ときに、このようなラノベにおいては、基本的に登場人物は皆美男美女という、リアリティなんか放棄してるのが常識になっていて、これもひとえに、世の善男善女の「せめて物語の中でだけは夢を見たいじゃない」という願望の表れと言えよう。


そして、イラストレーターさんも美形を描きたいし、編集者も美形を出したいし、筆者も美形を出したい。


古人にして故人は「平家にあらずんば人にあらず」とぬかしたが、現在でも同じようなことが起こっている。前者は「諸行無常の響きにて」滅び去ったが、我らのこの常識はいかがなものであろう。


まあとにかく、創作物には美形が出まくりということを言いたいのである。


ところが。


リアルに即してみたところで、大概どのグループにも美形のひとりは存在するものだが(確率的に)、それでもここにいるキギフィの美少女具合からしてみたら、裸足で駆けだすレベル。


ほとんどRPGにおけるバランスブレイカー的な美しさと言おうか、そのウェーブのかかった黄金の髪、肩までかかり、いと美しく。


つるりと彫刻された頬の愛らしさは生まれたての卵のようで、それでいて気品がある。蒼い双眸の水面は静かにたゆたい、無限のオーラを放っている。何の? 言わずもがな、「美」の。


それでいて服装はパンクルック。破れに破れまくったダメージジーンズに、安全ピンやペイントでボロボロになった長袖シャツを着ている。やたら攻撃的なシルバーアクセもしている。


だがこの少女にかかっては、その服装のポテンシャルが最大限発揮

される。ああ、その破れかぶれなファッション、粋であり、美しい。彼女にかかっては、中二病すら、真の「退廃美デカダンス」と化す。


そりゃ、他の連中だってそれほど悪くはないよ? セリゼも月読もフレアにしても。この三人、吸血鬼、仙人、サイボーグ、ということで、不老不死の身体なのである。よって、いつまでも年若い(外見である)。


ただ相手があまりにバランスブレイカーな美しさなだけなのである。マジで、キギフィの空間だけ、キラキラ光ってるように見える。


そんな美少女も、この家にあたっては、ダラダラしたことを口走る。


「大体セリゼさ、暇だ暇だと言ってるんだったら、暇つぶしの方法なんていくらでもあるんだから、やったら?」


「挙げてみいや」


「ゲーム、映画、エロゲ、ラノベ、漫画、音楽、不貞寝、酒、ヤニ(煙草)、中二的妄想、掲示板書きこみ、チャット、それから……」


「オタクの仕事帰り、もしくは休日のフリータイムじゃねえか」


「挙げようと思えばいくらでも挙げられるのであって、問題はやる気の有無だと思うんだけど」


「人のこと言えた義理かい。お前さんだってここで暇持てあましてるんでしょ? もしくは呑むかとか考えてるんじゃない? いつものごとく」


「まあそうなんだけどさ」


「外見からはそうは見えないんですけど、どうしてキギフィさんってこう呑んだくれなんでしょうかね」


「……古人はそれをカルマの一言に説明しました」


月読がぐうぐう寝ながら、フレアのその疑問に答えた。聞いてたんかい。


「カルマね……うん、私の酒ってのは、もうそんなレベルなのかも」


「アル中の言い訳じゃねえか」


さっきからセリゼのツッコミが乱暴になってきている。セリゼも大概いい加減な性格なのだが、それと同じくらい、否、それ以上いい加減な呑んだくれを相手にしていると、自然とこういう立ち回りになってしまう、という。


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