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「ねえ、ロリババアども」


キギフィがとてもいい顔(キラキラ笑顔)で、セリゼ、月読、フレアの三人に暴言を放つ。


「喧嘩売ってんのかこん小娘」


黒服のロリババア(三百歳超)ことセリゼが恫喝する。


「僕はババアというか、女性でもないですけどね」


黒髪ショートの年齢不詳男の娘(実はセリゼと同い年)こと月読が疑問を挟む。


「まあ月読さんは性別を超越したところにいますから……とは言っても『男性でもなく女性でもない』存在で、このような外見なのですから、もうロリババアと言ってもそんなに差支えは……」


白衣のロリババア(四十歳超)博士ことフレアが補足する。


「ていうかフレア、あんたもさりげにロリババア認定受けてんだけど」


セリゼが残酷な事実を告げる。


「……! ……」


何かに気づき、急に慙愧の念にかられたか、orzのポーズをとる天才工学者・龍・K・フレア博士、にして大家さんじゅうよんさい(プラス十歳)。


「外見的、つーか属性的に一番ロリババアなのはフレアだよね」


追撃をかけるキギフィ。もうやめて! フレアのHPはゼロよ!


「あんたもひどいこと言うね。確かにこん中で一番幼い外見で、しかもその外見と頭脳レベルとの不釣り合い度合いが著しいのはフレアだけどさ」


つまりは龍教授ことフレアは、外見ロリなのである。


いっつも白衣を羽織っている。その下は、ラフな格好で、大抵Tシャツにブルージーンズ、もしくはキュロットスカート、というとても動きやすい格好。


博士だから白衣か、わかりやすすぎないかそのテンプレ格好、と突っ込みたくなるが、そもそもセリゼのマントにしたってすごくわかりやすすぎるので、今更、みたいなところもある。


もはやこの境地に至っている人にとってみれば、そういったテンプレも「あえて」着こなせるというか。


まあそこまで理屈をつけんでも、単に着物の使い回しというか、てめえらめんどくせえだけじゃねえか、みたいに言えることは言えるのだが、ラノベ(キャラクター小説)的には、キャラの外見がいつも同じというのは都合がいいので、これ以上追及しないことにする。


ほら、エロゲを制作するにおいても、制服と私服をデザインして各種立ち絵、及び差分を用意するだけで大変なのだから。この上春夏秋冬の服を用意しろってーと原画家及びグラフィッカーが死ぬぜ?


それはともかくとしても、「変わり映えのしない日常」。これが大切。


それでいて、「自分が自分であるコト」。これも大切。


だからセリゼは黒衣を着て、フレアは白衣を着る。月読はローブっぽい上着を着て、キギフィは異様なまでにパンクルックに固執する。


で、大体この連中のルックス描写が済んだところで、話を元に戻す。


……元? 元の話なんてあったか? という読者諸賢のもっともな疑問には答えない。答えたら最後、この小説の存在意義が根本から疑われる予感がしたからだ(確率80%)。


「なんだか皆さん私をいじめにかかってませんか?」


フレアがキギフィとセリゼの言葉攻めにしょぼくれる。言葉攻め、いやらしい響きだな……(黙れよ)。


「気にしてるんですか? 大家さん」


月読が素朴な疑問を発する。今更、的な。


「それは確かに、もうこの歳になってますから、おばさん呼ばわりされるのは承知ですけど、ほら、こういう不老不死の身体じゃないですか。見てくれしか知らない人には、一般的には『やぁ嬢ちゃん』みたいに呼ばれることがしばしば。ですから時に錯覚してしまうんですよね」


「をを、まさにババアのセリフだ」


キギフィの何気ない暴言に、再びorzのポーズをとる大家さんじゅうよんさい(プラス十歳)。


「今日のあんたは調子づいてるね、この世で最も敵に回したら恐ろしい人間に対して」


「それもすごい発言だと思うけどなぁ」


セリゼも何気に暴言を発しているので、やんわりと補足するキギフィであったが、反省の色は見えない。


「きっと酒が入っているのでしょう」


月読が言う。


「だろうね。今何時だっけ?」


「時計くらい自分で見なさい」


この家に暮らしていて余りにだらけきったのか、その程度のことさえめんどくさくなったセリゼ・ユーイルトット公爵。


公爵といったら超エライ貴族であって、極めてのーぶるな身分であるのだが、さすがにそこまで怠惰になるのもどうよ? と思う。


が、これは本人の性質によるものだと思うので、つまりはセリゼのいーかげん度合が図れるというハナシなのだが、もうここまで書いたからには、今更、的な感覚すらある。筆者的に。


「二時四十八分ですよ……」


律儀にorzのポーズをとりながら答えてくれるフレア。親切な人である。


ちなみに、なぜそんなポーズで時間がわかるかというと、義体のOに

搭載された時計が、常時フレアの脳内には設置されているため、コンマレベルでいつでも時間がわかるのである。サイボーグ! 


結構役にたつ。パスタとか茹でる意味合いで(もっとマシな例えはないのか)。


「何だ、ということは正午から酒呑んでるの? 酒呑む時間としてはユルすぎない?」


「キギフィさんだからね、別に普通じゃない? セリゼ?」


「それもそうか」


「納得されても困るなぁ。ていうかまだ呑んでないし」


微妙に憮然とした表情すら美しく、この美少女。


ちなみに月読がセリゼに対してフランクな口調になったのは、ただこの二人の付き合いが百年レベルの長い長いものだからで、さすがにそんだけ長かったらフランクにもなろうかという旧友だからである。


じゃフレアやキギフィに対して同じようになるか、と言ったら、まあそれは神のみぞ知るといったとこなんだけど、筆者的にはどうもそうなりそうにない気配がする。一度築いた関係、並びにキャラ作り的に。そう考えるとキャラ付けって結構恐ろしいな……。


「まぁいいじゃん、フレアさ、これもまたギャップ萌えってことで」


「……!」


「……!」


同時に慄然とするフレアとセリゼ。


「何ショック受けてんですか二人とも」


多分一番の常識人(仙人が常識人? ハハッワロス、とか言い出したらキリがないので以下略)である月読が一応補足する。


「私たちは……実は恵まれた立場にあったというのか……っ!」


「そうですよ……隠されたポテンシャルがあったんですよ……最大の武器じゃないですか……」


何だか妙に盛り上がるフレアさんじゅうよんさい(プラス十歳)とセリゼさんびゃくじゅうよんさい(フォローになってないな。ネタとしてもくどい)。


「まあその『私たちにも実は分がある』みたいな反応こそが、一番ババア臭いんだけどね。歳わきまえろっつーか」


「おい、呑んだくれ小娘、表に出ろ」


今日もこの家は平和である。

あと一話続きます

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