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(4)

ざっと地理的な説明が終わったところで、今度は政治的なハナシに移ろう。


ああ、皆様の嫌な顔がちょう見えるぜ!


ただまあ、最初に宣言したとおり、地政学について話をするといったのだから、もうちっと勘弁してもらいたい。お願いします。


ほうき星町は、このように、イーシィ湖という、交通の要所にあることは事実である。


が、決して大きな町というわけではなく、むしろこの広大な湖のスペア的な位置づけみたいな感じ……を、あえて無理にまとっているように見える。


それは、この町が、あらゆる異才の者にとっての隠れ家であるからなのだが……ああ、話が先に進み過ぎてしまった。


ただ単に、交通の便宜や、流通のルートのことを考えれば、マーサ・ルに勝る場所はここのあたりではなく、また、これといった見物もない。例えばレヴァス・ファンジェのように、刻一刻と水没しつつあるという悲劇的な状況である都市。その住民たちは、それを逆手にとって、観光のタネとしている。たくましいというかなんというか。まあ、なにはともあれ、ネタはネタである。


ところめが、我らがほうき星町は、そのような目だった特徴はまるでない。


本当に、平平凡凡な町なのである。


しかし、その歴史は古い。


大都市であるところの、マーサ・ルなど比較にならない。レヴァス・ファンジェがまだ水没しようとする遥か前から、この町はここにある――否、トーラ共和国が、現在の政治組織になってからかれこれ数十年(百年はいかない)、そんな時間の流れなど、たいしたものではない、とでも言わんばかりの、「古都」なのである。ほうき星町は。


しかし、ほうき星町は、その事実を隠そうとする。執拗に。


おかしな町なのである。


通常このような片田舎の町には、流域の水路に頼る他はないのだが、この町には、大平原を貫く主要道路に直結する小さなバイパスがある。


また、背後の山々には、軽便鉄道のローカル線――専門用語で「ナロー」と呼ばれる機種・路線で、筆者は一鉄道ファン・一鉄道模型マニアとして、このジャンルが大変好きである……って、どうでもいいわ。大体、ラノベ読む人間はほとんど鉄道なんてどうでもよかろう(超偏見)。


何を言いたいかというと、要するに、やたらと交通の便がいいのである。主要路線である水路にしたって、日に何回も定期便、商船、貨物船が行ったり来たり。これであとは滑走路があればいいのだが、それは大平原にひょいと着陸すればよろしい。


まるで神に愛されているかのような利便性のよさ、とまでは言いすぎにしても、たかが一地方都市がこれほど都合がいいとは、信じがたい話で

ある。


政治的、とはそういった意味合いである。


要するに、都合がいいだけに、この町を「使おう」とすれば、いかようにでも使える。そこから莫大な金銭をはじき出すことも。


だが、この町は、それを一環して拒否し続けてきた。


自分(町、そして住民)は、平凡であり続けようとした。


ずっと、ずっと。


――それほどまでに、この町は、昔からあった。古い、旧い、町……排斥された、莫大な力・才を持つ人たちが、逃れてくる場所――。


ああ、また話が先に進んでしまった。




ともかくも、堅苦しい話はこれほどにして、実際にこの町の住人がどのような生活を送っているか、検分するところからはじめることにしよう。


先に述べた、高台の家の住人。彼らがこの物語の主人公だ。


大した連中ではあるのだが――

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