ジョーク混じりの決死の戦い(3)
キギフィはその場にうつ伏せになっていた。
完敗である。
もうこうなったら笑えてくる不思議である。何がグングニルだ、だったら今の一撃は何だというのか。
そこにセリゼが歩いてくる。辺りはまだ煙に包まれている。
その場にキギフィの装備を置く。ハンドガン三丁、バックラー兼楯、槍。まるでひとつの礼儀のように。
「GMP3のエース……か。うん、それはやはり天才と呼ぶべきものなんだろう」セリゼがしみじみと言う。「人間がここまで鍛え上げるというのは、相当以上のものがある」
「皮肉?」息も絶え絶えにキギフィが言う。
「いや、本気。この期に及んで嘘言ってどうするよ?」
「……懐かしい名前を出したね、また」
「事実でしょうが」
「私はそこから逃げてきたんだっつの」
「でもその戦闘スタイルでこうやって遊んだわけだ、世界最強の特殊部隊の戦闘術で」
「……ま、そうなんだけどね」
「こちらも耳に覚えのある名前を聞きましたよ」月読が駆けつけてきて言う。「GMP3ですか、なるほど、強いわけです」
「負けちゃったけどね」
「セリゼをあれだけ追い込んだならば上出来では? ――このランクの相手を本気でするとなれば、部隊総出が基本でしょう」
「そゆこと」キギフィが起きあがって言う。あぐらをかく。「……ま、私はそういうところで人間相手に、人外相手に、ドンパチやってた人間なの。で、いろいろあって今に至る、と」
「ざっくりしすぎだなぁ」セリゼが嘆息する。
「詮索はしませんよ」月読が言う。
「んんー、まあ、月読になら話してもいいんだけど……」
「今はそれよりも、ゆっくりしましょう。さあ、大家さんがお弁当を作ってきてますよ」
「よーし、食うか!」腕まくりをするセリゼであった。
「ホントにもう……」キギフィが装備を回収して立ちあがる。セリゼの後について行く。「人間は人間で大変なんだぞ……っと」
「で? どう? 満足?」セリゼが問う。
「これ以上何を求めろと?」キギフィが答える。
こうして二人のバトル「遊び」は終わった。けど、またしばらくしたら同じようなこと繰り返すんだろうなぁ、と月読は思った。
このお話はこれでおしまいです




