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氷上さんちの雪女 氷  作者: シルヴィア・紫の夜明け


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3/6

12月21日 3

 白髪ロングヘアの美女にすらりと透明な指を口内に突っ込まれて、火傷した箇所を冷やして貰っている。

 これはどんなプレイなんだろうか。

 少し息がしにくいとか。

 歯医者でニトリル手袋で覆われた手で開口された記憶を思い出すとか。

 それ以上に良い匂いがする。

 朝の匂いや雨の匂い、夜の匂い。

 それと同じくしてある雪が降っている時の匂い。

 あの気持ちを落ち着かせる匂い。

 それが直接鼻孔へと駆け上がる。

 ああ、雪女っていい匂いなんだなと。

「氷上よ、やはり誘っておるのか?」

 雪女さんはべっこう飴のような氷を、中の頬に張り付けると手を引っ込めた。

 そして僕の唾液の付いた手を、優雅に舌でぺろりとった。


「難しいのう」

 と雪女さんは解凍に苦難している。

 まあ僕も目の前で起きた超過熱を理解できていない。

 雪女は冷気を吸収できる。

 その前提があって、物体から一度に冷気が失われたから、熱が戻ったと考えられる。

 だが、そこまで現実は万能ではないはずだ。

 そしてそれはただの時間の逆行になる。

 電子レンジのような振動とも違うと考えられるの。

 だから気圧や内部にあるエネルギーの問題だろうか。

 問題 雪女さんが冷凍食品から一度に冷気を抜いたところ、冷凍食品は100度近くにまで達した。

    なぜか?

 相手にはされないと思うが、インターネットの知恵袋に置いたので話を進めよう。

「段階ごとにしたらいいんじゃないですか?」

「段階?」

「先ず凍っている温度がマイナスの18度だとして、そこからマイナスの5度へ。そして0、10と」

「合い分かった」

 先ず一秒、次に一秒、さらに一秒。

 早すぎるのが原因なんじゃないのだろうか。

 凍らせるより解凍の方が難しいのだろうか。

 ただ不純物ゼロを目指してる冷凍庫や美味さを求めた冷凍マグロのような話がある限り、一概にどちらともいえないだろう。

「さて、どうじゃ?」

 と口に入れられる解凍餃子。

「ぬ」

「ぬ?」

「ぬるくてキモいっす。人肌といいますか」

 まじかって顔をした雪女さんもひとくち。

「これじゃったら、凍っていた方が美味いな」

 自宅へ帰れば、湯せんや電子レンジでの解凍過熱、揚げなおしも出来る。

 電子レンジ。

「雪女さん、水分子って知覚出来ますか?」

「いぼいぼみたいなやつ?」

「多分それです。それを揺らせますか?」

「何回くらい?」

「そうですね、一秒間に24億回くらい」

「わらわの事バカにしとる?」

「いえ全く」

「それは伝わっているがのぅ」

 ふてくされた表情で、手で摘まんだ餃子の水分子を揺らしてくれる。

 次の瞬間。

 餃子が大爆発した。

冷たくなった空気の匂い、冬の匂いと雪が降っている時の匂い。

差はあれどどちらも好きなんですよね

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